大沢あかねは「ブス界一の美女」(有吉)ですが、鈴木おさむは「放送作家界一の脚本家」
鈴木おさむ脚本・演出、劇団ひとり主演の「テレビのなみだ」の舞台を見てきました。
http://www.ints.co.jp/namida/
http://www.tbs.co.jp/event/tv_namida2013/
会場は新大久保にある東京グローブ座。新大久保なので韓流一色かと思いましたが、そんなではないですね。道一本外れると韓流街になっているのかな?
この舞台は芸人が主演で物語の舞台がテレビということでチケットを取ったのですが、そしたらまた鈴木おさむでした。芸人交換日記の原作本、映画、リーディングシアター、今田耕司の舞台「The Name」と、ここ最近私のエンタメの周りは鈴木おさむばかりだ。まるで鈴木おさむのファンみたいじゃないか。そうではないのですが、結果的にそうなっているのは鈴木おさむの術中にはまっているのだな。
劇団ひとりの他には西田尚美、JONTE、山崎樹範、駿河太郎、伊勢佳世の面々。
皆さん、素晴らしい演技でした!
劇団ひとりはやはりこういう「舞台の演技」は上手い(監督によっては映画は向かないかも)。西田尚美は薄幸を演じさせたら右に出るものはいない。JONTEは全然知らなかったのですが、水嶋ヒロと青木隆治を足したようなイケメン。まっすぐで熱い新人AD役がはまっていました。やましげ校長(今は「元」ですね)はやっぱり上手い。普通の演技もできるし、笑いもいける。駿河太郎は鶴瓶さんの息子さんなのですね。そんな七光りは全く関係ないいい演技でした。伊勢佳世は先日「芸人交換日記」リーディングシアターでも見ましたが、今回は冷徹な女医役。全然違いますね。これぞ役者。
私は「涙が出る」というのは、悲しみや感動の他に「涙のボタン」を押されると出る、というイメージを持っています。
子どもや動物やお年寄り。これらが出てきたら私のボタンは押されてしまいます。そこで子どもが泣いたり動物が健気に走ったりお年寄りがひどい目にあったりするともうダメです。ボタンは連打され、涙が出てしまいます。別に感動の名シーンでなくても。
逆に、そういう場面がなければ、感動の名作でも涙はあまり出ません。「ショーシャンクの空に」「ライフイズビューティフル」など、どちらも超名作ですが、ボロボロ泣くようなことはありませんでした。でも、言わずと知れた超名作なので、もし見ていない人がいたら必ず見るように!
これらのボタンには、「人が亡くなる」というボタンもあります。
今回はこのボタンが発動しました。
なので、そりゃ泣いちゃうのですが、物語が良くて泣いたのか分かりません。
お話としては王道です。でも、演者の皆さんの熱演と、笑いから泣きへの落差により、この舞台はとても良いものになりました。
また、テレビ制作の裏側なので、番組の企画になるようなネタが本当に使えそうなものばかり。本当にこれで番組作ればいいのに(実際作ると「ココリコミラクルタイプ」みたいになるかな?)。
番組で取り上げられるエピソードも面白くてあるあるなものばかり。さすが現役最高峰の放送作家、鈴木おさむですな。
ただ、物語としては分かりやすくて深みがない。泣いちゃったけど。
でも、これもテレビマンとしては目論見通りなのではないでしょうか。テレビ番組で「あのエンディングはどういう意味なんだ」なんて変に余韻を残すのはテレビマンとしてはあまりよくないと思うのです。洗い物をしながら、ケータイをいじりながらでも見られるエンタメ。それがテレビなのです。
なので、そういう視点で見ればテレビを超えた素晴らしい舞台だと思います。
劇団ひとりと西田尚美のアツアツぶりが多かったのですが、これは既婚者からはどう見えるのでしょうか。「あんな夫婦いねーよ」なのか、「うちも昔はああだったなあ」なのか、「帰ったらダンナに優しい声かけてあげよ」なのか。
私はまだ未婚なのでよく分かりませんが、現実世界にあんな幸福はないと思っています。
それにしても劇団ひとり、素晴らしかったです。ビートたけしのモノマネも見れたし生尻も拝めたし。もっと評価されてもいいのになあ。
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- 作者:鈴木 おさむ
- 発売日: 2010/03/05
- メディア: 単行本
- 作者:鈴木おさむ
- 発売日: 2012/07/06
- メディア: 文庫