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岡村靖幸ライブツアー2013「むこうみずでいじらしくて」 at 新潟 へ行ってきました! 感想(その2)

ただの現役ミュージシャン。ただし魅力と才能に溢れた。


さて第2部、後半戦スタート!赤シャツの岡村ちゃん、格好いい。
いきなり知らない曲です。格好いいけど、知らない。でもお客さんは知っている人も多いらしく決めで手を挙げていたりします。
後で調べたらBUCK-TICK櫻井敦司さんに提供した「SMELL」という曲でした。そうか、こういう外部の曲までやるのか。じゃあこれからはMEG・SOPHIA・一青窈・桜塚やっくんなどもチェックしないといけないのか。


続いて「うちあわせ」。これも初期の曲(私は「家庭教師」を境にそれ以前を初期、それ以降を後期と捉えるクセがある)。
サビ終わりの「I don't wanna be your weekend lover I just wanna be your man」までしっかり歌えた自分にびっくり。やるじゃん、俺。
この部分は「僕が凄いのはSEXだけじゃないんだぜ」「僕は君の彼氏になりたいだけなんだ」という、他の曲にも通じる岡村イズムですね。


「マシュマロハネムーン」「セックス」ときて、再び白石さんタイム。ここで白石さんより「自由に叫んでいいですよ」というお許しをいただいたのに、「岡村ちゃーん」というベタなセリフしか叫べない私。勇気がない。
ここで暗闇の中から岡村ちゃんは手を振ってくれました。こんなこと、今までなかったことですよ。今までは完全な置物と化して白石さんから振られても微動だにしなかったのに。


ラストスパート!
「ステップUP↑」「モン・シロ」「Super Girl」。
「ステップUP↑」をやってくれるのは嬉しい!メロディもいいし、リズムも格好いい。そして「倫社と現国学びたい」「柔軟剤を買ってるときくらい」という歌詞。この言葉だけ抜き出すととても歌詞とは思えませんが、リズムとメロディと岡村唱法が渾然一体となり、曲の血肉になるんですよねぇ。
「モン・シロ」は、CD時代はそんなに好きではなかったのですが、今回このライブで聴いた「モン・シロ」は超名曲でした。この曲でこんなに感動するなんて!
本編ラストは「Super Girl」。この曲の「本当のダンスチャンスロマンスは自分次第だぜ」という部分、岡村ちゃんの現在と重ね合わせてしまって泣きそうになるんです。いろいろあったけど、今彼はここにいる。そう、自分次第なんです。
岡村ちゃんも「自分次第だぜ。分かってる?分かってるよね」と仰っておりました。この「分かってるよね」の部分でまた泣きそう。君はもう大丈夫、と言われているような感じ。


アンコールはもちろん弾き語り。ロングコートの岡村ちゃん、格好いい。
「我が心のジョージア」からの「友人のふり」。この2曲が終わるとすっくと立ち上がり、センターマイクへ歩む岡村ちゃん。
あれ、「新潟ベイベー」は?喋ってくれない岡村ちゃんの声が聞けるのはここしかないのに!
「Out Of Blue」で本当に終了。ああ、名残惜しい。


いやー、良かったです。
改めて書き出すと今までのツアーとそんなに変わっていないようですが、実際ライブの最中はそんなマンネリ感は全く感じませんでした。
むしろ「あの娘~」「だいすき」の流れ、弾き語りを経て「Out Of Blue」での締め、なんかは歌舞伎の見栄や寅さんの夢オチや水戸黄門の印籠のように、「こうでなきゃ」の王道感のある構成でした。
まるで「ライオンキング」「オペラ座の怪人」のような、毎回同じなのに毎回感動する演劇。もしくは「滝沢演舞城」「エンドレスショック」のような、基本は同じだけど毎回進化する演劇のよう。
※といいつつ、ここに挙げた演目は全て見たことないんですが…。


さて、全体の感想をいくつか。
以前、どなたかのブログで「岡村ちゃんのダンスは特許を取ればいいのに」という文章を読んだことがあるのですが、今回私も同じようなことを感じました。「デンス©」や「岡村R」で登録商標にすべき。


あと、回を重ねるごとに岡村ちゃんの笑顔が増えていますね。
岡村ちゃんはライブ中は基本笑わないのでたまの笑顔が殺人チャーミングなのですが、今回は何度も笑顔が見れて、こちらも笑顔。ほっこりです。
また、途中手を振ったり、お客さんの顔をしっかり見たり(するように見えた)と、直接的なコミュニケーションも多くなっていました。今回、少なくとも5回は目が合ったな、と確信しています。「あのおっさんは毎回来てくれているキラキラしたおっさんだな」と思ってくれているはず。


バンドサウンドも、今更ですが、上手い。マニピュレイトがあるので同期サウンドなのにドラムもベースもバッチリグルーヴ。リズム好きの私はずっと腰が動いたままでした。
岡村ちゃんライブは曲のアレンジがCDと変わっているものが多く、似たようなBPMやリズムパターンになっているものが多かったのですが、それが全く単調やマンネリには感じず、むしろトランスや高揚につながっていました。ああ、ドラムとベースが気持ちいい。


新曲は、どのようにリリースされるのでしょうか。普通にシングルとして出して欲しいな。このツアーのDVDリリースとからめて出すのかな。ああ、楽しみ。
他人への提供曲をまとめたカバーアルバムも聴きたい気もしますが、それに時間を取られるくらいならオリジナルの新曲を1曲でも多く聴きたい。カバーはシングルのカップリングでいいんじゃないでしょうか。


でも、やっぱり「禁じられた生きがい」からはやらないんですね。個人的には「Me-imi」はサウンドがヘビーなのでそんなに大好きアルバムではないので、こっちからやってもらえないかなあ。
ライブのオープニングが「あばれ太鼓」でもいいし、「青年14歳」「ターザンボーイ」「パラシュート★ガール」「チャームポイント」など、いい曲いっぱいあるのに。
暗黒時代を思い出しちゃうのかな?もしそうであればやらなくていいです。
あとは「はっきりもっと勇敢になって」もやって欲しいです。これもその後に逮捕があったからやらないのかな。でもこの曲のポジティブなメッセージは今こそ意味を増すと思うのですが。「僕がアンサーだぜ」


もう大丈夫です、多分。
「復活」「伝説の」「痩せた」「奇跡の」なんていう形容詞はもう不要です。そこにいるのはただの魅力と才能に溢れた現役ミュージシャンでした。


ライブ終了後、会場ロビーにあったフライヤーを手に取るとOL Killerの新潟ライブの告知でした。ほう、OLさんは新潟でもやるのか、と思って日付を見ると「4月19日22時」って今からかよ!このライブやったあとにまだ働くの?頑張りすぎ!




Atsushi Sakurai 櫻井 敦司 - Smell - YouTube
Atsushi Sakurai - Smell [live] (subbed) - YouTube櫻井敦司さんの「SMELL」。歌詞の世界も櫻井さんであり岡村ちゃんでもありますね。