やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「梅佳代展」に行ってきました! 感想

誰でも撮れるのに彼女にしか撮れない


私、写真について全然分かりません。どういうのがいい写真なのか。写真の技術って何なのか。
でも、梅佳代の写真は好きなんです。面白いから。


会場は東京オペラシティーアートギャラリー。隣は新国立劇場です。普段はオペラや文学的な演劇を上演している場所です。こんな高級感あふれる場所で梅佳代。既にこれがフリになっていて面白い。
公式サイト→梅佳代展 UMEKAYO|東京オペラシティアートギャラリー
キャノンの特設サイトも→http://web.canon.jp/event/umekayo/

この女の子だけで期待できるでしょ。思わずこぼしてしまったポテトに表情がゼロになる瞬間。この1秒前はキャッキャと笑っていたでしょうし、1秒後は泣いているでしょう。まさに「この瞬間!」です。右手もいい。キャパの崩れ落ちる兵士に匹敵しますな。こっちの写真に疑惑はないぞ。


「何でこんな瞬間を撮れるんだ!」とか「何でこんないい表情撮れるんだ!」という写真ばかりですが、これは彼女が闇雲に写真を撮ってその中から偶然に撮れたいい写真を選んでいる、というわけではありません。こんな自然体(以上!)の写真が撮れるほどの距離感・関係性を築ける彼女の人間性コミュ力)が、この写真を生み出しているのです。
小学生男子が「うめかよ~」と馴れ馴れしく接してきつつも彼女にいいところを見せたいという男心。そしてその写真は小学生男子が生み出す最上級の「おもしろ」と、その限界(たいてい白目にしている。白目がおもしろ変顔だと思っている)を切り取り、見ているこちらにはまた違った「おもしろ」を提供しているのです。
同じく女子中学生も、まだ見ぬエロスに興味津々でありながら「おもしろ」に逃げてしまう様、もしくはエロスに興味津々でも「おもしろ」がないと恥ずかしくてこんなことできない、という様を上手く撮っています。そして、中学生だから私たちも笑って見ることができます。これが高校生だとエロスの要素が強くなって笑いにくくなっちゃう。私のエロス目線のためかもしれませんが。


そんな「おもしろ」梅佳代ですが、故郷「能登」と家族「じいちゃんさま」ではまた違った写真になります。会場では同じスペースの中で「家の外と中」という感じに区切られていました。
子どもが100%子どもである瞬間、ハニカミの学生、動物。
そして家族の何気ない写真の積み重ねが時代や人生の過ぎていく様を切り取り、成長・死別・誕生といった家族の時間が映し出されます。そこには家族愛が写真の双方から感じられます。


こんなつたない言葉でカッコよく語ろうとしてもダメ。百聞は一見に如かず。見に行ってください。


そして、この梅佳代展のチケットで波田龍起と秋山幸の作品展も見ることができました。どちらも全く知らない。
波田さんはあまり何も感じませんでしたが、秋山さんの作品はとても良かったです。
油絵なのにポップアートYahoo!の画像で探しましたが、本物とは全然違いますね。油絵なので凸凹している様も含めて素晴らしいアート。
こちらも合わせて見てください。


写真展なので、設営はそんなに大変じゃないはず。ぜひ全国巡業してもらいたいです。
6月23日まで開催中。ぜひ。


うめめ

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  • 作者:梅 佳代
  • 発売日: 2006/09/04
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のと

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男子

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うめ版 新明解国語辞典×梅佳代

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じいちゃんさま

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