やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

俺、株主。

でも、株式市場には不信感


株の売り買いで利益を得ようとするのは個人的には好きではありません。
ですので、私は株について知識も興味もありません。
しかし、私は株主だったのです。


先日、前職の会社から封書が届きました。何かな?と思い開けてみると、株の中間配当の通知でした。しかも結構いい金額。株ってすげーな!
前職のときは、持株会という形で株を購入していました。毎月給料から自分の設定した金額が天引きされるのです。配当があってもそれも全て新規株の購入に自動的に回されていたので、自社の株価がいくらなのかは気にしても(気にしていなかったけど)、配当がいくらかなんて全く気にしたことがありませんでした。


配当が結構大きいのは私がそこそこの株数を持っているからですが、それも毎月の天引きの際に結構大きく引いてもらっていたからです。私は給料明細もちゃんと見ないので何も気にしていなかったのですが、ある日同僚と話をしているうちに私がだいぶ大きく毎月天引き(正確にいえば積立ですが)されていることを知りました。
すぐに積立(天引き)額を減らしましたが、今まで購入した株はもう売れない。いや、売れるのですが内部にいると手続きやタイミングが面倒くさく、さらにアベノミクス以前のデフレでは売っても儲けにはなりません。
そういうわけでほぼほったらかしだった株が、ここで意外な実力を見せたのはびっくりでした。


中間配当ということは、また半年後に配当をいただけるということですよね。特に何もなければ今回とほぼ同じ額を。
これはおいしい。
世の中には株をたくさん買っている方がたくさんいますが、この人たちは配当だけでも相当な利益を得ているのではないでしょうか。
例えば→約400社の株主優待を受け取っている棋士の桐谷広人さんってどんな人? - NAVER まとめ


でも、「株で利益」といえば、一般的には売買によって利益を得ていることを言いますよね。私はもともとこの儲け方が気に入らなかったのですが、配当のことを考えると余計に「売買で利益上げるのやめない?」と思うようになりました。


企業は、株価の上下によって資金調達もブランドイメージも大きく変わります。そして、株主は自身の利益のために企業に細かい業績開示を求めます。そのため、企業は4半期ごとにいい結果が出るように無理やりなセールや社内拡販や取引先への返品などを行います。さらにその都度「次はこれをやります!」と右肩上がりのイメージを出し続けなければならないのです。
そんなことしたら継続的な成長(途中下がることもあるけれど、長い目で見れば伸びるとか)や基礎的研究などは当然おざなりになりますよね。それよりも来月の第1四半期の経常利益をどうにかしろと。


こんな短期的な結果だけを求めれば、そりゃデフレは収まらないわ。
ですので、例えば「購入した株は1年以内は売却禁止」などの規制をかけるべきでは、と思っています。
1年というのは2年でも5年でもいいのですが、とにかく目先の利益のための売買が行われるのは株式会社の本来の趣旨とは違っているだろうと思うのです。
その会社を応援したいから株を買う。その会社の業績が伸びれば株価は上がり、配当も増える。これが本来の姿だと思うのです。
それが、風の噂やちょっとしたニュースに反応して売買を繰り返し、株価は乱高下。その変動に慌てた他の株主も一緒になって売買するから余計に乱高下。
ちょっと前の「アベノミクス息切れ?」のニュースの時のように。
それは株主だけでなく、企業にとっても無駄な心配やダメージを与えます。
さらに、私たち株をやっていない一般人にとっても、全国ニュースのトップで報じられれば心理的な影響はあるでしょう。「景気は心理学」ですから。


同じように「経営に口出し禁止」も唱えたいです。
その会社の経営が気に入らなくて株主総会などで声をあげたりしていますが、「いや、文句あるなら売れよ」と思ってしまうのです。
確かに株主総会は株主が会社に対して直接声を届けることができる場なので大切ですが、そこで「経営陣の刷新」とか「あの施策はだめだ。こういう戦術をやれ」なんていう声や、株数を武器にして強制力を働かせるのは株主がやるべき態度だとは思えないのです。
そんなに「このやり方の方がいい」と自信があるのなら、どうぞ自分で会社を興してやってください。
そうでないのなら、「会社のやり方に賛成できないので売る」「今後よくなると思うのでまだ持っている」しか株主がやることはないと思うのです。株主としての意見の表明は「売買」しかないのです。保有株の分しか責任はないのだから、発言権もその分しかないはずです。だから、それ以上の経営への口出しは株主としての裁量を逸脱していると思うのです。


株が上がろうと下がろうとほとんどの一般人には関係ないはずなのに、現代はそうはいっていられないのが問題だと思うのです。
株式や金融の力が実際のマーケットの影響力を超えているため、実際に商品を作ったり売ったりしている人よりもそれをゲームとして売買している人の行動で大きく変わってしまうのです。


様々な社会形態を経て、現在は資本主義社会になっています。それ自体は間違いではないと思っていますが、グローバル化した現在の「金融資本主義」は弊害が大きすぎます。何か新しい社会形態を見つけるか、この金融資本主義に規制をかけなければ、この先は絶対に悪くなります。
でも、金融の力は一国ではどうにもできないほど大きくなっており、さらに全世界にその影響力は張り巡らされています。なので、この現状を変えるのは本当に難しい、実際には無理な状況だと思っています。私たちにできることはあまりに小さすぎます。


ここからは蛇足です。
だからこそ、選挙には絶対行くこと!
私たちが目に見える形で意見を表明できるのは選挙だけです。特に若者は全体数が少ないので、棄権が多くなればさらに影響力は少なくなります。そうなれば、より年寄り向けの政策になってしまうのですよ。
若者が多く選挙に行くことによって、「若者票を嘗めると痛い目に合うから、若者向けの施策もちゃんとしないとマズいな」と政治家に思わせないと。
ですので皆さん、選挙へ行こう!