「高値安定」は最上級の褒め言葉です
RADWIMPSのNEWアルバム「×と○と罰と」が、素晴らしい。
でも、こんなこというのは「夏は暑いね」「冬は寒いね」くらいのことで、もう当たり前すぎてわざわざ言うほどのことでもないような気がしてきた。
建物の1階と2階はだいぶ景色は違いますが、スカイツリーの展望デッキと展望回廊はもはやあまり景色変わらないでしょ。100mくらい違うのに。
3個のリンゴと5個のリンゴはすぐどっちが多いか分かりますが、103個のリンゴと105個のリンゴは違い分からないでしょ。
もはや、このアルバムが前作と比べて良かったのか悪かったのかはそのレベルで、彼らははるか高みにいる感じがします。
それでも、今回のアルバムについて感じることをいくつか書こう。
まず、今作はバンドとしての枠組みが外れた感じがします。前作以前もギター・ベース以外の楽器もたまに入っていましたが、今作は「あえて入れた」という感じもなく、「この曲にふさわしいアレンジ」の結果として様々な楽器が入っている感じがします。これまで以上の楽曲主義。
そして、野田君の声が作品を重ねるごとに強くなっており、ボーカリストとしての成長もありますね。どんどん良くなっている。
あと、メロディラインが超気持ちいい。個人的な印象ですが、「メロディがいい」というのは、自分が「こう行くと気持ちいい」と思っているメロディラインをなぞってくれると「いい」と感じるのです。でも、それがあまりに陳腐・ありきたりだと「いい」と感じない。自分の予想を裏切って、期待を裏切らないメロディライン。これが「いい」と感じるメロディなのです。自分の知らなかった性感帯を探し当てられるというか。
で、今作はそのメロディラインがいちいち私の性感帯をくすぐるんですよね。桑田佳祐や桜井和寿といった稀代のメロディメーカーとはまた違ったライン。コード進行が違うのか、使っているコードが違うのか。私には分かりませんが、音楽の神秘性ってステキやん。
これまでRADWIMPSは、楽曲の歌詞・メロディ・構成・演奏などにおいて「発明」「革命」のような音楽性でしたが、それではいつまでも持たない。どこかで落ち着く必要があるのですが、落ち着いてしまうとこれまでのような高揚感が薄れてしまうかもしれない。
私も「もう落ち着いてもいいのに」と思いながら「次はどんな新しい音楽の一面を見せてくれるか」とも思っていました。
それが今作では革命的な変化はありませんが、この高いレベルで今後も継続してくれそうな気がして、安心しました。あまりドキドキせず、気楽に待てそう。聴いたら気楽ではいられませんが。
RADWIMPSだからこんな贅沢なことを言っていられますが、他のバンドだったら彼らのどれか1曲でもできたら大事件ですよ。それを「安心して待てる」なんて、どんだけ贅沢な感想だ!
RADWIMPSは、私の年齢からしてみたらだいぶ若いバンドです。もし中学生くらいで彼らに出会ってしまったら人生変わっていたかも。ライブで出待ちストーカーしたり学校でも歌詞をノートに書いたりしていたかも。この歳で出会って良かったと思っています。
彼らがテレビなどに一切出ないのにこれだけのセールスを上げているのは、それだけ楽曲の力のみでファンを獲得していった証でしょう。売れ方としても嬉しい売れ方ですよね。ホルモンなども同様。
でも、やっぱりまだ「世間」には知られていないのです。
先日若い子たちとカラオケに行ったのですが、彼らは20代後半なので西野カナとか金爆とか湘南乃風とか歌うわけですよ。なので私も若い子向けとしてRADWIMPS入れたら、みんな知らないと。えー、RADって若者に大人気なんでしょ?でも知らない。アリーナクラスを2デイズできるほどの動員力を持っているのに、みんな知らない。
やっぱり、テレビに出なきゃダメなんです。自分から音楽を探しに行く人には当然知られているし刺さっているのですが、音楽は盛り上がるツールだったりする人たちにはテレビのような「無理やり知らせる」メディアがないと、届かないのです。
なので、彼らにはぜひミュージックステーションに出て欲しいのです。そこで「実況中継」なんかを歌ってくれれば、次の日から中高生は変わるはず。
昔ブルーハーツ・ハイロウズやミッシェルガンエレファントが出た時には、当時の中高生には刺さりまくったと思うので。
RADWIMPS関連のエントリ↓
RADWIMPS「絶体絶命」 感想 - やりやすいことから少しずつ
RADWIMPS「絶体絶命」全曲感想 - やりやすいことから少しずつ
RADWIMPS 「×とと罪と ダイジェスト」 - YouTube
ラストバージン RADWIMPS MV - YouTube
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- 発売日: 2013/12/11
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