やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

雪国の人が東京で雪に翻弄された話

雪国のトンネルを抜けたら、雪国だった


週末、皆様雪で大変でしたね。被害も大きかったしまだ孤立している地域もあるようなので「大変だった」の過去形で済ませる話ではありませんが、私個人の日記として、週末の出来事を書きます。


金曜日、私は午後からお休みをいただき、東京へ向かいました。先週、首都圏が大雪で大変だったことは知っていましたが、あれよりひどいことなどもう起こらないだろうと高をくくり、スニーカーで新幹線に乗りました。
しかし。群馬に入っても、埼玉を通過しても、雪です。東京駅に着いても、雪でした。そして東京は風が強くて、体感温度では地元より寒い!傘をさすのも危険なくらいで、フードを被って歩きました。
それにしても、スニーカー失敗!


この日私は舞台を見に来たのですが、長編だったため、終演後時刻は既に22時を回っていました。そして、会場を出ると渋谷の街はシャーベットの街になっていました。風はさらに強く吹き付けている。いきものがかりを思い出しましたが、こんな壮大な気分にはなれませんでした。

いきものがかり 風が吹いている - YouTube
でも、雪国出身の私は、まだ危機感は抱いていませんでした。東京でこんなに降るなんて大変だな、と同情目線でした。


私は翌日も朝から仕事があったので、最終の高速バスで帰る予定でした。バスまでの時間、夕ご飯を食べていたらケータイに留守電のマークが。舞台中は電波が入らなかったので着信があったことも気づきませんでした。仕事の話かな?と思い留守電を聞くと、高速バスの運行会社から「高速道路が通行止めになったので運休です」という無情のアナウンスでした。
時刻は既に23時近い。さてどうしよう。とりあえずホテルに電話をかけまくりましたが、どこも満室。そのうち、そもそも宿が取れたとして、そこまでたどり着けるのかが不安になってきました。


ここで覚悟を決め、近くのネットカフェにチェックインしました。
私は、こういうネカフェや漫喫を利用するのは初めてです。チェックインして自分の部屋(といえるのか?スペース?)を確保したはいいが、勝手が分からず、どうしたらよいか分かりません。
マンガが読めるよ、ネットが使えるよ、と言われても別にそんな欲はありません。私が欲しいのはふかふかのベッドと熱いシャワーです。
もともと泊まる予定ではなかったので、装備が何もありません。風呂に入りたいけどタオルもありません。シャワールームはあるので、言えば貸してくれるのかな?でも、もう時間も遅いのでとにかく寝ることにしました。
せめて顔洗ったり歯磨きくらいしたいなあ、と思っていたら、何と当日持っていたカバンの中に、以前泊まったホテルの未使用歯ブラシが入っていました!あの日の俺、ありがとう!
というわけで、歯磨きだけして寝ました。でも、歯磨きセットくらいフロントに言えば売ってくれたよな。
もうひとつ、私は普段コンタクトなのですが、高速バスでコンタクトのまま寝ると貼りついて危険なので、メガネを持ってきていたのです。今日の俺、ありがとう!
ひざ掛けとコートを羽織り、足も伸ばせない部屋で眠りにつきました。0時半。


朝4時過ぎ、目覚ましで無理やり起きました。始発の新幹線に乗れば仕事の時間までには何とか間に合う。家に帰って着替えたり風呂に入ったりする時間はないけれど、仕事はできる。
4時半にチェックアウトし再び渋谷の街に出ると、雪は止んでいましたが、冷たい雨が降り、道路はぐちゃぐちゃのシャーベット状。風もあってやはり寒い!
渋谷駅で山手線を待っていると、「原宿駅付近で倒木があり、その撤去作業で早くても60分以上はかかります」というアナウンスが。
もう、「えー」とか言っている場合じゃない。すぐさま地下鉄を乗り継いで何とか東京駅に到着。5時半。


始発の新幹線は6:08なのですが、昨日の今日なので多分混むはず。早めに行って座れる場所を確保だ!と思いホームへ。
ホームには20代後半くらいの若者3人がいて、「いやー、寒いっすね」「昨日、やばかったですね」「今日はちゃんと動きますかね」なんて話をしていたのですが、その間にも「除雪や点検作業で遅れています」というアナウンスが流れ続けました。
そして、このホームがめちゃくちゃ寒い!風がどんどん入ってくるし、動けないから本当に寒い。でも、ここを動いたら座れなくなっちゃう。もう少しの辛抱だ、俺!
そうこうしているうちに若者との会話も途絶え、スマホをいじっていたら、若者のひとりが私に向かって「何か、新幹線来ないらしいっすよ」と絶望的な報告をしてくれました。


マジか!心折れそうになりながら改札へ戻り駅員さんに話を聞くと、運休ではないけど、いつ動き出すかは全くの未定とのこと。そんな。上越新幹線は雪に強いはずなのに。
この時点でもう仕事の時間には間に合わない。同僚に電話をして代わりの段取りをしてもらいました。うう、ありがとう。動き出したらすぐ向かうから!


7時前。しばらく銀の鈴周辺でうずくまっていたのですが、腹が減ってきたので、7時開店の店を探して歩き出しました。
着いた頃には7時を回っていたので、既にどの店も長蛇の列です。朝7時なのに!
とにかくお店に入れてもらい、朝食を食べました。ちゃんとしたイスに座れるだけでもありがたい。食べ終わった後もしばらく座っていたかったのですが、外には待っている人がたくさんいるので、早々に店を出ました。私が店に入ったときに既にいたおばちゃんたちはまだ談笑していましたが。


再び銀の鈴で待ちぼうけ。本を持ってきていたのでそれを読みながら再開の時を待っていましたが、全く無しのつぶて。
結局、9時になっても何もアナウンスがなかったので再度新幹線改札へ行き、駅員さんに状況を聞くと、「全く見込みなし」とのことでした。


もうだめだ。再び同僚に連絡をし、状況を伝えました。戻れるのは午後以降になります。
さてどうしようか。このまま駅に留まっていてもすることがないし辛すぎる。スマホで状況は見れるので、とりあえず出ることにしました。
何となく六本木に向かい、ラファエル前派展を見てきました。
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さすがに朝イチなのでお客も少なく、ゆっくり見ることができました。でも、これを見に来ている皆さんはこの雪の中家から来たの?今日みたいな日は不急の外出は控えた方がいいですよ。


その後ミッドタウンまで歩いていろいろ見て回り、カレーを食べながらTwitterを見ると「高崎・越後湯沢間終日運休決定」と最終通告がありました。
私は、この土曜日だけでなく、日曜日も仕事なのです。どうしよう。でも、そんなこと言っていてもしょうがない。三度同僚に電話をし、恐る恐る状況を報告。すると既にあちらでも翌日の段取りを組んであり、私が来ないつもりで準備していました。ううう、ありがとう。申し訳ない。


さて、もう一日東京泊が決定したので、宿の手配をしよう。もうネカフェは嫌だ。
というわけで宿は取ったが、着替えがない。そこで、ユニクロでパンツ・シャツ・靴下などを購入しました。ありがとうユニクロ。まさか自分が六本木のユニクロで下着を購入する日が来るとは。


翌日。3日目の朝。東京駅へ向かうと、新幹線は動いているようです。しかし遅延でどの新幹線がどの時間のものなのかが分かりません。
駅員さんに聞いて直近の新幹線が来るであろうホームへ向かうと、まさにカオス!全ての空間に人がいて、どの列がどの電車を待っている列なのかが分かりません。私はときに乗りたかったのですが、列の最後尾の人に聞くと「ときだと信じています」とのこと。信心か。私も信じよう!


しばらくすると駅員さんから「今日はめちゃくちゃ混んでるから指定席の通路やデッキも使っていいよ」とアナウンスがありました。
確かに、この自由席の最後尾にいたら座れないのはもちろんですが、新幹線に乗ることすら難しいかもしれません。そこで私は指定席の列へと移動しました。


さらに待つこと数十分。ようやく新幹線到着!白い車体が眩しい!
何とかデッキ部分にスペースを確保しましたが、混雑っぷりがハンパない。ホームにいる人全員乗せるなんて無理でしょ、と思いましたが、何とか乗せた模様。埼京線のような混雑ぶりで東京駅を出発しました。
で、次の上野や大宮なんて誰も降りないのにさらに人は乗ってくるんですよ。いや、東京駅で既にだいぶオーバーしているのに、乗れるわけないよ!物理的に無理だよ!と思ったのですが、乗れるもんですね。人間、やればできる。
それにしてもこの混雑ぶりはひどすぎる。インドの列車みたい、と思ってそれをツイートしようにも、ポケットまで手が動かない。全く身動きができない。軽自動車に10人乗ったりする選手権みたい、と思っても誰にも言えないしつぶやけない。
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(参考画像)


というわけで、何とか地元に戻ってきました。
後からニュースを見ると、埼玉から群馬の雪はすさまじく、そりゃ上越新幹線でも無理だな、と思える降りでしたね。逆によくあれだけの雪を翌日には動かせるようにしてくれたもんだ、と思いました。
とても大変だったし疲れたし職場のみんなに苦労かけたけど、こうしてブログのネタになったからよしとしよう。