やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「うれしい悲鳴をあげてくれ」 いしわたり淳治 感想

言葉は面白い


スーパーカー、現作詞家・プロデューサーのいしわたり淳治さんが2004年から5年に渡り「ロッキング・オン・ジャパン」で連載していたエッセイ&小説が文庫になりました。
これは連載中からずっと面白くて毎月楽しみにしていたのですが、2007年に書籍化した時はスルーして、今回文庫版になったので買いました。安いから。


いしわたり淳治さんって、皆さん知ってます?元スーパーカーですが、このバンド知ってます?

Yumegiwa Last Boy - Supercar (スーパーカー) PV - YouTube
この1曲だけでは伝えられないバンドの成長と変遷。


作詞家だって知ってます?

Superfly - 愛をこめて花束を - YouTube

27時間テレビ SMAPライブ Top Of The World - YouTube
SMAPは公式の映像がなかったのでいつ消されるか分かりません。


プロデューサーだって知ってます?

チャットモンチー - シャングリラ GG10 LIVE [HD] - YouTube

ねごと LIVEH 3 カロン - YouTube
他には9mmなどもプロデュースしています。


いしわたりさんは、言葉の使い手として一流です。その言葉の意味を裏から見たり横から見たり。また、ある現象や状況を別の視点から見ると、また違う解釈を生み出すとか。
要は理屈こきなんですが、それが表現として成立しているから面白く読むことができます。この辺、バカリズムさんに共通する感じがあります。


連載当時は「面白い!」と読むこちら側も熱量を持って読んでいたのですが、今になって改めて読むと結構青臭い。その理屈や熱量がうざく感じるほど。
と思ってあとがきを読んだら、いしわたりさんも同じことを感じたそうです。

自分の若い頃の面倒くささやナイーブさ、理屈っぽさに比べたら目の前の若者たちなんてかわいいものでした。ああ、若者たち、ごめんよ。おじさん、自分のことを棚に上げてたよ。自分じゃ手が届かない高い高い棚に脚立使って登って自分のこと仕舞って鍵をかけて鍵と脚立を捨ててたよ。で、すっかり忘れてたんだ、そこに仕舞った自分のこと。

お互い、歳とったのね。


これは一話が5~10ページなので読みやすい。活字に不慣れな人でも読みやすいですよ。若者からおっさんまで、ぜひ。


うれしい悲鳴をあげてくれ (ちくま文庫)

うれしい悲鳴をあげてくれ (ちくま文庫)

うれしい悲鳴をあげてくれ

うれしい悲鳴をあげてくれ