やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

チケット転売問題をもやもやと考える

みんなで考えよう


チケットの転売問題。昔から無くならないこの問題について書く。
しかし、個人的には全く着地も結論も出ていないので、「何が言いたいねん」という文章になると思いますが、筆の進む方向に期待しよう。関係ないけど、キーボードで文字入力している現代でも「筆が進む」という表現、ありですよね?


チケットの転売問題とは、

●チケットを転売目的で買う人がいるため、本当に行きたい人にチケットが回らない。
●チケットを定価以上で売る人がいて、そして買う人がいるからこの問題は終わらない。
●ライブによっては本人確認システムなどを導入したところもあるが、それは「本当に急に行けなくなったので他人に渡したい」という人が困ってしまう。

などがあります。


私も以前は「転売目的アカン!高い価格で買う人がいるからこういう転売ヤーがいなくならないんだ!」と思っていたのですが、最近変わってきました。

●売る人と買う人がその価格でいいと言っている以上、他人は文句を言えない。商売として成立しているから。
●ライブによってチケット価格が違うので、どの価格が適正なのかは一概にはいえない。
●席の場所によって価格が違うのは当然。

ということを思うのです。


安くものを仕入れて高く売るというのは商売の基本です。山で山菜を採って道の駅で売るのもフリマもせどりも、株の売買だってそうです。そこに売る人と買う人がいて、その価格とその内容に見合えば交渉成立。これが商いです。
1万円で購入した美術品が数年後に100万円の価値になることだってあるのです。売る商品の価値と価格が釣り合えば商売成立するのです。
絶版になった初版本が高値で売買されるのとどこが違うのだろう。


私がよく行くライブに岡村靖幸RHYMESTERがいます。岡村ちゃんのチケットは7,500円、RHYMESTERは4,500円。どちらもとても素晴らしいライブでした。RHYMESTERのライブが岡村ちゃんの6割の出来や満足度ではありません。でも、このチケットの価格差。
岡村ちゃんのチケットは正直高いなと思いますが、5,000円でも買うし9,000円でも買います。RHYMESTERだって7,500円になっても買います。


チケットの正価とはなんだろう。それは「相手の言い値」ですよね。もし岡村ちゃんのライブチケットが5,000円になったら、7,500円で出品されているチケットは定価以上です。でも、今までの定価です。
逆に、RHYMESTERのライブチケットが7,500円になったら、それは不当価格なのでしょうか。相手の言い値が変わっているだけで、定価なのは間違いない。でも、今まで以上の支払いが必要です。
金額そのものでぶーぶー言うのはこの問題の本質からずれている気がします。


チケット代の差(他の公演との差、売値と買値の釣り合い)は、確かに外部からは文句をいうことはできません。何の法律にも違反していません(ちなみにチケットを高値で売ることは違法ではありません)。
しかし。そのチケットの価格には、ライブを行う側の意思が含まれているのです。あまり高い価格では学生は買うのが難しい、これだけの価格でそれ以上のパフォーマンスを見せるぞ、確かに高いけど舞台装置にお金掛かっているので仕方ない、見れば納得する、などなど。
であれば、それを尊重してあげたい。いや、尊重すべきです。
そこで、公式のチケット売買のサイトでは「定価以上での販売禁止」にすることはできないのでしょうか。これは上に書いた「商売の自由」に反することなので、慎重に法整備を進める必要がありますが、何とかならんもんか。
個人間の売買の規制は多分難しいと思いますが、目立つところを規制するだけでもだいぶ違うと思います。
「定価以上で買うなよ」と言っても、その人にとってそのチケットがその売値に見合う価値があるのであれば、買ってしまうでしょう。なので、モラルだけに期待しても難しいです。きちんと「違法は罰せられる」という強制力がない限りはなくならないでしょう。


SMAP中居君がジャニーズの後輩に「東京ドームってさ、5万人いて最前列も最後尾も同じチケット代なんだぜ。それを考えてファンにパフォーマンスしろよ」とアドバイスをしたという話を聞いたことがあります。いい話や。しかしこれってそういう理不尽な現実があるからいい話になるのであって、もっと場所とチケット代に相関関係があればこの話は出ないわけで。
プロ野球のチケットはバックネット、内野席、外野席で価格が違います。見え方が違うから。当たり前。格闘技や演劇やクラシックなどでもS席・A席などで価格差があるのは当たり前。
なのに、なぜ音楽だけ価格差のあるチケットを用意できないのか。
要因はいくつもあるのでしょうが、そのひとつは「JASRACに支払う著作権料問題」があります。詳しい話はネットを探ってもらうとして、簡単にいうと「チケット代の平均価格でJASRACに支払う著作権料が変わるから」です。5,000円のチケットと10,000円のチケットが混在するとチケットの平均価格が上がるのでJASRACに支払うお金も増えるんだって。だから格闘技や演劇やクラシックではその問題は起きにくいのです。
知らんがな。
確かにそうかもしれませんが、CDが売れなくてライブで稼がなければいけない現在、まだそんなところでつっかえているの?早急に決まりを変えましょう。現代に合った仕組みにしましょう。
もしくは、ライブハウスのドリンク代と同じように、いい席はチケット代と別の名目で料金を徴収すればいいのではないでしょうか。既にそういう取り組みをしているライブもありますよね。お土産やウェルカムドリンクがついているとか終演後にバックステージ招待の特典がついているとか。
現在外タレミュージシャンだとこのシステム多いです。それが高いギャラを支払える(海外から呼べる)仕組みになっているのです。プリンスでこれやってくれればいくらでも払ったのに!


思いつくままに書いてきましたが、少し見えてきました。

●定価以上での販売は規制。法律の解釈としては難しいと思いますが、何とかしてください。全く線引きできない軽減税率ですらやればできるのだから、政治家が「やれ」と言ってくれればできるはず。
●定価以上で売ることが難しくなれば転売ヤーも少なくなります。旨みのない商売になるから。
●個人の売買はネット内の相互監視で攻撃するしかない。興行側に報告し、興行側は毅然と対応する。あとは「買わない勇気強い意志」も重要ですが、これは難しいでしょうね。
●チケットの価格差問題は、十分対応できる。やるかやらないかだ。

特にチケットの価格差問題は、対応した方が興行側も儲かるし最前列の人は優越感出るしでいいことづくめだと思うのですが、いかがでしょうか。


しかし、これは私の少ない知恵と知識で考えたことなので、見落としや盲点があると思います。また、私の意見に反対の人もいると思います。
皆さんから意見をいただきたい。どうすれば解決できるのか。興行側もミュージシャンもファンである私たちも、みんなが納得する着地点はあると思うのです。
よきライブの未来へ!


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