映画「レヴェナント: 蘇えりし者」 感想
「すごい」と「面白い」は別物
「レヴェナント」を見てきました。公式サイト↓
www.foxmovies-jp.com
4/22公開なのに、私の近くの映画館ではもう一日2回しか上映していなくて慌てて見に行きました。
156分というなかなかの長丁場ですが、その時間以上に見終わった後はぐったり。映画見ただけでこの疲労感は何なんだ。すごいもの見た。
見る前からディカプリオの演技がすごいぞという話は目にしていましたが、ここまでとは!
クマに襲われ瀕死の重傷、治療のために粗っぽく縫われる(もちろん麻酔なし)、喉に穴が空いていて水が飲めないので燃やした草(薬草なのかしら?)を喉に押し当てる荒療治、川で魚を見つけたら手づかみでそのまま生でガブリ、牛の肝を生のままガブリ、敵から逃げるために川に流され、挙句に濁流にのまれる、馬に乗っていてそのまま崖を落ちる、寒さをしのぐために馬の内臓を取り出しその馬の体内に裸で入る、等々…。
もちろんCGやスタントもあるのでしょうが、それでも過酷過ぎ!単純に水の中(周りは一面の雪景色!)に入るだけでどんだけ寒いんだ。これが2時間半のうちほとんどを占めます。
分かった、ディカプリオ、分かった、アカデミー賞あげるから、もう勘弁して!
「体当たり」なんて言葉が生易しい「命がけ」の演技でした。
しかし、肝心の物語は、うーむ…。
息子を殺された男に復讐する物語なのですが、お話はそれだけ?途中いろいろ嫁や息子やキリストが描かれた壁画などのイメージシーンが挿入されていましたが、それが何を意味するのか私には分かりませんでした。
ラストのカメラ目線も、どういう意味なのかしら。誰か教えてください。
監督はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥという覚えられないし呼びにくいお名前の方です。去年「バードマン」でアカデミー賞の監督賞を受賞しており、この作品で何と2年連続の受賞。すごーい。
はい、確かにすごいのですが、「どうすごいのか」を上手く説明できません。
私は「バードマン」は見ましたが(「21グラム」や「バベル」は見ていません)、「すごーい。でもよく分からん」という感想でした。なので、このブログにも書けませんでした。よく分からんから。
いや、確かに映像はすごいです。自然光にこだわって撮影されたので、一日1~2時間しか撮影できなかったそうです。なので時間もお金も当初の予定より大幅にオーバーしてしまい、キャスト・スタッフとの仲もだいぶぎくしゃくしていたそうです。
そりゃそうだ。しかもこの過酷なロケーションと過酷な演技。そりゃ仲も悪くなるわ。
ただし、映像は本当に素晴らしい。これは撮影監督のエマニュエル・ルベツキ氏のお手柄。何とルベツキ氏はこの作品でアカデミー賞3年連続受賞!「ゼロ・グラビティ」「バードマン」「レヴェナント」。なるほど、納得の受賞です。どれもどうやって撮っているのか全く分からない撮影技法でした。ついでにいうと、「トゥモロー・ワールド」もこの方なのか!これもどうやって撮っているのか全く分かりませんでした!
ずーっとワンカットで撮っているように見えるのですが、どうやってつないでいるのか。カメラに水滴や泥が飛んだり雪が落ちてきたりクマやレオ様の息でレンズが曇ったり。これってどういう効果があるのでしょうか。
もうルベツキワールドです。俺様の映像を見よ!
というわけで、ディカプリオの演技(もしくはいじめに耐える姿)とルベツキワールドのすごさは十二分に分かりましたが、お話そのものはよく分かりませんでした。
アカデミー賞で監督賞・主演男優賞・撮影賞を獲るのは納得だし、作品賞を逃したのも納得。
どなたか、このお話についての解説をお願いします!
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