やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

投票所と開票所で思ったこと

2016年の参議院選挙が終わりました。結果についてはいろいろ思うことはありますが、民意の結果なので受け入れます。
今回は投票所と開票所で仕事をしまして、そこで思ったことを書きます。政治的な話というよりは、単なる感想というイメージで書きます。


投票開始は7時なので、6:30までに会場に集合。いろいろセッティングして投票スタート。
やはり、投票に来るのは年配の方が多い。若者は少ない。元々若者自体が少ないので投票率という割合で見ればそんなに差はないのかもしれませんが、体感としては「選挙は年寄りが動かしている。つまり政治・政策はお年寄りのために動いている」ということを思いました。


私は投票券を渡す役目で、間違いや勘違いが起こらないように簡潔にて分かりやすい説明を心掛けながら投票券を渡していました。
簡潔にて分かりやすい説明といっても、数秒はかかります。10秒に満たない時間です。それでも「ハイハイハイハイ」と全く聞かずにもぎ取る人、「時間ないから」と急がせる人が多くいました。全員おじさんorおじいさん。
こういう説明は紋切型でもう分かっていることかもしれませんが、その数秒を待てない人って立派な大人なのかしら。ほんの数秒待って受け取れば相手は不快な思いをしないのに、そこに思いが至らない人は立派な大人なのかしら。普段仕事では部下の報告をどんな風に聞いているのかしら。相手の気持ちを考えようというのは子供だけに向けられたことばなのかしら。そんなことを考えました。
逆に、若者ではこういう対応をする人はひとりもいませんでした。そもそも選挙に行く若者なので、社会的対応がきちんとできる人が多いのかもしれませんが、若者で「嫌な対応するなー」と思った人はひとりもいませんでした。ここでいう「若者」とは30代以下くらいを指します。
あと、いい人そうな顔をしている人はいい人で、悪そうな顔をしている人は無愛想でした。「人は見た目が9割」は真実です。


そして、お年寄りは思った以上にヨボヨボなお年寄りが多かったです。歳を取れば足腰が弱ったり耳が遠くなるのは仕方ないですが、それとは別に耄碌しているお年寄りがたくさんいました。こちらの説明をなかなか理解してくれない方、投票箱を間違えそうになる方、投票箱に入場券を入れそうになる方、記入に使った鉛筆を持って帰ろうとする方、「何書けばいいの?」「自民党って書いとけばいいんだよ」と大きな声で会話する老夫婦、などなど。
この方々はどれくらい候補者や政党の政策を理解して投票しているのかな、と不安になりました。
今回の選挙から18歳以上で投票できるようになりましたが、「子供に政治の何が分かる」という声もありました。確かにそうかもしれませんが、この耄碌老人だって何を分かって投票しているのかしら、と思いました。どっちもどっち。というかどちらも投票できる権利があってその理解度は人それぞれで年齢で分けられるものではないので、「子供に」という批判は違うよなーと思いながらお年寄りに何度目かの説明をしていました。
耄碌老人も矍鑠(かくしゃく)老人もいる。政治なんて考えたこともない若者も意識高い高校生もいる。世代の話ではなく、個人の違い。


夜は開票所へ。
開票作業は、大人数で行うし大事なところは機械と人の目の複数チェックが入るし各項目で確認作業が入るので、不正の余地はありません。不審がる人は、一般市民の見学もできますので、ぜひ見に来てください。
大まかな流れは、投票箱から投票用紙を出す→投票用紙をまとめる→機械で読み取り→人の目で再度チェック→機械で枚数数える→別の候補者名などが混じっていないか人の目でチェック→機械で得票数を集計→最終的な人の目チェック、という感じです。その中で判読不能な投票用紙は別にして、人の目で確認します。
この候補者の名前を読み取る機械、すごいんです。紙が上下裏表でも読み取るのです。なので、私たちは投票用紙の長辺と短辺を揃えるだけ。上下裏表は一切気にしなくてよいのです。機械、すごい。


今回は比例区もあるので、作業はとても大変でした。選挙区なら候補者の名前は数人、政党名だけでも数党。しかし比例区だと比例候補者の名前を書いてもいいわけです。そうなるととたんに作業が多い!ここに書いてある名前は本当に候補者の名前なのか?といちいち答え合わせしなければなりません。
そういうせいもあるのでしょうが、疑問票(何と書いてあるのか判別が難しいなど)と無効票(いたずら書きなど)がとても多かったです。
いや、なぜ「何と書いてあるか分からない票」や「いたずら書きの票」があるんだ。わざわざ投票所まで来てなぜ読んでもらえない字を書いたり無意味な字を書いたりするんだ。


私は最後までいませんでしたが、それでも0時過ぎまで作業をしていました。朝6時過ぎから夜0時過ぎまで。長いよねー。さすがに疲れました。そして最後まで残っていた人は家に帰ったのが夜中の4時くらいだったそうです。それはもう朝だ。そしてまた朝から仕事。眠いよねー。お疲れ様でした。


今回の選挙は期日前投票が15%、投票率全体では55%でした。ということは、有権者の40%が投票日に投票したという単純な計算でいいのかな?
もっと期日前投票増えていいと思うけどなー。だって投票日は決められた会場でしか投票できないし、当日に体調不良や大雨に見舞われるかもしれない。期間も長いので、平日休みの人も投票しやすい。個人的には期日前投票の方が多くなることを期待します。そのために「期日前投票・投票日」という言葉を「投票期間・投票最終日」に変えることを提案します。


それぞれの作業は楽しかったですが、両方やるのは疲れます。翌日開票でもよくない?即日開票でなきゃダメ?


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