やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

スキマスイッチ×ライムスター対バンライブに行ってきました! 感想(その1)

先攻RHYMESTER編(攻撃的な低姿勢)


スキマスイッチツアー2017『re:Action』の新潟公演に行ってきました。会場は新潟LOTS。
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スキマスイッチのNEWアルバム『re:Action』は、スキマスイッチの過去曲をいろいろなミュージシャンがリプロデュース・リアレンジしたアルバムで、このツアーはこのアルバムに参加したミュージシャンが対バンとして参加しています。RHYMESTERは仙台に続いて2回目の共演。それが新潟だったら、そりゃ行くよね。


このツイートにあるダーティーサイエンスツアーは、ここLOTSではなく、キャパ300のライブハウスでした。しかも売り切れなかったという…。ライブは最高だったのに!
今回の新潟LOTSはキャパ600。見事完売です!わーい。


と思って会場に着くと、ライムスTシャツやタオルの人などまったくいない…。アウェイだとは思っていましたが、まさかこれほどとは。当たり前ですが、売り切れって、スキマスイッチの力なんですね。
開場真際でようやく何人かライムスファンをお見かけし、「アウェイですが頑張りましょう」とエールを送る。気分は『七人の侍』もしくは『300(スリーハンドレッド)』。


入場。下手Dさん側4列目をキープ。周りは女性が多いので見やすくてよい。
キャパ600のライブハウスなので、ステージは狭い。バンドセットとDJブースがあるとそれだけでもういっぱい。こんな場所でスキマスイッチ×ライムスターが勢ぞろいしたら動くスペースないんじゃない?
そして、ステージ向かって左の壁にはスクリーンがありました。あれ、ここってこんなスクリーンあったっけ?このツアーのために持ち込んだのかな?


と思いながら待っていると、定刻通りに照明が落ちます。まずは横の映像からスタート。
このアルバムの制作・レコーディング風景がダイジェストで映し出され、その後スキマスイッチRHYMESTERの5人が登場。あれ、ここLOTSの楽屋の映像じゃん。ついさっき撮ったのかな?
このツアータイトルをキャンバスに描くというのがこのツアーの恒例だそうです。描くのはDさん。ライムスのMC2人はどちらも絵心あるもんな。
とここでJINさんが準備のために映像から退出。え?これ、生放送なの?すごーい。面白い。この日この会場のみのお楽しみ。素晴らしい演出。
で、Dさんの描いたツアータイトルは『re:Action』のAが浜崎あゆみのAになっていました。面白い!
f:id:ese19731107:20170623211631g:plain(参考画像)



さて、ライブ開始。1曲目は『ONCE AGAIN』宇多丸さんは「俺たちの代表曲」と言っていましたが、そもそもRHYMESTERに世間が知っている代表曲などあったかしら。
それでも、この曲はいい。トラックはエモいしリリックは聞き取りやすいし内容も分かりやすいしフック(サビ)も分かりやすい。
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正直、とても不安でした。HIPHOPはリリックが重要で、曲を知らないと韻も内容も分からない。ただ早口で何かしゃべっているだけに聞こえてしまいます。その点歌は「メロディ」「歌唱力」があるので、曲や歌詞を知らなくてもすぐに乗ることができます。


こんなアウェイの状況でどうやって闘うんだ。いくら百戦錬磨で泥水すすってきたRHYMESTERでも、この状況は厳しいだろうなーと思っていたのですが、思ったよりお客さんは乗ってくれている。手も上げてくれている。コール&レスポンスも返してくれる。
スキマスイッチファン、いい人!


2曲目は『Still Changing』。これもいい曲だぞ。宇多さんのリリック、聞き取れましたか?
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曲終わりでMC。
「このツアー、様々な豪華アーティストが対バンで登場する中で『あー、今日はライムスターかー』っていう日で」お決まりの自虐から入る宇多丸さん。
「でも、ライムスターは日本のHIPHOPグループの中で一番多くのバンドや多ジャンルと他流試合してきたので、我々を通じてちょっとでも『日本のHIPHOP面白いな』と思ってもらえればうれしい」と殊勝なことも言う宇多さん。
「でも、ちゃんと盛り上がらないと、恥をかくのはスキマスイッチです。我々を指名した彼らのセンスを否定することになるからね」と脅しをかける宇多さん。


ここで、「HIPHOPのライブとは何ぞや」という初歩の説明。他流試合だといつもやるRHYMESTERは偉い。ターンテーブルにはレコードプレイヤーが2台あって、ラップしやすい部分だけを再生して、それを2台で繰り返すというのが「HIPHOPの演奏」だと。
こんなアナログな手法を使っているのは現在世界でも10組もないぞと「失われた伝統芸」を説明する宇多さん。優しい。真面目。丁寧。


この流れで演奏するのはやっぱりこれ。『ライムスターインザハウス』
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この曲の「見れば分かる」は強い。宇多さんのリリックは何を言っているか分からないと思いますが、DさんとJINさんの「前後、前後前後」「とうせんぼ、かくれんぼ」のあたりは「人力でトラックを演奏しているDJとそのトラックを乗りこなすラッパー」のすごさが一見さんにも伝わると思うのです。
この曲で宇多さんは下半身をシゴくのですが、ここ盛り上がったかな。ちょっと長かったけど引かなかったかな。不安。


続いてはスキマスイッチの『僕と傘と日曜日』のトラックに使ってで『And You Don't Stop』!ここでエニュ丼!
これこそ対バンライブの醍醐味、そしてHIPHOPの自由度と楽しさ。
でも、この曲のリリックって、一見さん向けじゃないと思うんだけどなー。宇多さんの「あのアイドルがとうとう見せたヘアヌード(略)水着の下の乳首も見えたのに嬉しくない別に」なんて歌詞、スキマファンにはどう聞こえたのかしら。


この流れで『POP LIFE』。おお、これはいいぞ。テンポもミディアムだし歌詞もポップライフだし。
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「何かいい感じだね」と今日のライブの空気を褒めてくれるDさん。「でもライムスターの曲でいい曲っぽいのはこれで終わりです」とちゃぶ台をひっくり返す宇多さん。
ここからラストに向けてギアチェンジ!『BACK&FORTH』
この曲は次のアルバムに入る予定の新曲でまだ音源化されていない曲なのですが、ライブではもう何回もやっていて私も数回聴いています。BPMが速くてリリックの内容はまだ把握していませんが、2MCのマイクリレーが超楽しい。
普段RHYMESTERはそれぞれのリリックがそれぞれ素晴らしいのであまり掛け合いをしません。それがこの曲では掛け合いまくり。キックザカンクルーの『マルシェ』みたいなイメージです。楽しい!


そのまま『B-BOYイズム』!これもRHYMESTERのクラシックで代表曲ですが、スキマファンは知っているのでしょうか。知らないか。
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(このMVには若き日のキックやリップのメンバーがいますよ。なぜかというと、RHYMESTERは彼らのパイセンだからです!)
この曲では途中宇多さんがサングラスを外す場面があり、盛り上がるのですが、どうもこの日は「盛り上がるキャー」と「悲鳴のキャー」が同居していたような気がしました。


宇「僕らのライブはあと1曲で終わります」会場「ええー!」宇「大人だ!アルタの教育がよくできている」「まあ、あとからまた出てくるから。いや、出ないかも。『やらない勇気』!」D「仙台では残念ながら出てしまいました」宇「対バンだから最後にセッションとかそういう予定調和には負けたくない」
そんなこと言って、どうせ出るしセッションもするんでしょ。優しいおじさん。
本編ラストは『マイクの細道』。シングルですが地味な曲なので、お客さんにはどう聞こえたかなー。
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ライブはちょうど1時間。どうだったかしら。
スキマスイッチのファンでHIPHOPも聴く人なんてまあほとんどいないでしょう。「ラップって怖い・ダサい・恥ずかしい」が正直なところでしょう。今日の対バンがRHYMESTERと知ってどう思ったのでしょうか。「ライムスター?知らないな。あたしラップ好きだけど『フリースタイルダンジョン』にも出てないから多分マイナーな人なんだろうな」という私の被害妄想。
個人的にはよかったと思います。丁寧な説明と初心者向けのセトリ。宇多さんのトークスキルとDさんの笑顔でファンは増えたはず。ファンまではいかなくても「HIPHOP、悪くないじゃん」と思ってくれた人は何人もいるはず。
それは、宇多さんの丁寧な説明もそうですが、それ以上にRHYMESTERの曲のおかげです。聞き取れるリリックとライブでそれを再現できるスキル。こういう対バンに合わせてファンサービスの仕込みも欠かさない律義さ。
私の贔屓目もありますが、いい対バンライブでした。


続いて後攻スキマスイッチ。しかし長くなったのでここで一旦終了。続きは次回。


セトリ
1.ONCE AGAIN
2.Still Changing
3.ライムスターインザハウス
4.And You Don't Stop(トラックはスキマスイッチ『僕と傘と日曜日』)
5.POP LIFE
6.BACK&FORTH
7.B-BOYイズム
8.マイクの細道


マイクの細道

マイクの細道

私ドラマは見ていないのですが、映画は傑作です。号泣メーン!