やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

談合ってそんなに悪いことなのかしら

悪いけど、それのどこが悪いのか


リニア新幹線の工事に関して談合疑惑が取りざたされています。疑惑っていうか談合していたんでしょうけど、個人的には「談合ってそんなに悪いことなのかな?」と思うのです。


私、ほんの少しだけ設計に携わったことがあるのです。私みたいな素人がなぜーと思いましたが、これも仕事だから仕方ない。
コンクリは何センチにするのか、土はどの種類を使うのか、重機はどれを使うのか、それぞれの使う材料から機械からその量や時間やコストまで、全部決めて作らなければならない。
そんなのできねーよ!だって私素人ですもの。
でも、そんな私が設計に携わることが出来たのは、「全部決まっている」からなのです。こういう工事のときにはコンクリの厚さは何センチにしなければならない、土の種類はこれ、重機はこれ、全部基準や規格があるのです。だから私みたいな素人でも何とかできるのです。
もちろんその前段階やその最中や着工後の現場合わせなどではいろいろあるのですが、そこは省略します。


この仕事をする前は「こういう工事やりたいから見積もりよろしく」で見積もりを募り、集まった中から金額の安い業者に決定する、というのが流れだと思っていました。そこに談合やダンピングなどが発生するのだと。
しかし、それだと業者によって好き勝手な工法や材料を使うので、工事の内容にムラが出ることになり正確な「実施してほしい工事内容と適正価格」が導き出せません。なので、発注者が「こういう基準・内容で」とたたき台を作る必要があるのです。だから私のような素人が設計しなければならないのです(もちろん作るのは私ひとりではありませんが)。
で、そこには上に書いたようにすべて基準や規格があるので、好き勝手も無理無茶もできません。すべて基準や規格に則って設計しなければならないのです。


そうなると、見積もりを出す業者もこの基準や規格に則って作るので、金額に差なんて出ません。だって全部決まっているんだから。
違いはその重機を自分たちで持っている(借りる必要がない)とか必要な資格を持っている人が社内にいる(外注する必要がない)とか、そういった違いしかありません。


なので、皆さんが思っているような談合って、ほぼ起きない仕組みなのです。


で、今回の疑惑はゼネコン大手4社が仲間内で工事を融通し合っていたというものですが、別にいいんじゃない?上記のとおり設計はガチガチに決まりが多くて、金額の差はほぼ出ません。であれば、仲間内で工事を回していても「談合=不当利益」はほぼ出ていないと思うのです。
また、この「リニア新幹線建設工事」なんてデカいイベント、町の建設会社が手掛けることなんてもちろんできないわけで、そうなると大手ゼネコンしか出番はない。であれば、工事を均等に配分することは日本全体の利益になっていると思うのですが。ダメ?


もうひとつ、NHKの報道によると「4社は得意分野に応じて割り振っていた疑い」だそうですが、それだったらより「いい」じゃん。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171227/k10011273531000.html?utm_int=word_contents_list-items_001&word_result=リニア談合事件www3.nhk.or.jp
得意分野の工事ができるなら安全性もコストも期待できますね。ダメ?


コストだけに目を向けると、安全性に問題が生じます。それ、皆さん大嫌いでしょ?もし安全性に問題が発覚したら姉歯事件みたいに自殺者が出るまで叩くんでしょ?話は逸れますが、こんな記事見つけた。
matome.naver.jp
東日本大震災でも建物大丈夫だったそうですよ。もちろん補強工事したところもあるでしょうが。


コストだけに目を向けてどこかだけが勝ち続けるのは、社会全体で見たらよくないことも多くあります。工事を請け負えない会社は全部潰れてよいのでしょうか。上記のとおり金額にほぼ差はないのだから、他の会社が受注してもほぼ同じことです。全部潰れたらその会社の従業員は全員路頭に迷っていいのでしょうか。ほぼ同じ金額で多くの会社が請け負える方がいいという考え方は間違っているでしょうか。
社会全体で考えよう。


私が設計に携わったのはほんの短い期間で少ない件数しかないので私の理解が間違っている部分があるかもしれませんが、私は「全体功利」ということをよく考えるので、談合のマイナス(余計なコスト、不当な利益)よりプラス(多くの会社が受注できることによる社会全体のお金の回り)の方が大きいのではないかなーと思うのです。


こういう雑誌も使うのです↓

建築コスト情報 2018年 01 月号 [雑誌]

建築コスト情報 2018年 01 月号 [雑誌]

建築施工単価 2018年 01 月号 [雑誌]

建築施工単価 2018年 01 月号 [雑誌]