「ジャンル映画だから」という最強の防御壁
映画『トレイン・ミッション』を見てきました。公式サイト↓
gaga.ne.jp
私はこれまでリーアム・ニーソンの作品を見たことないのですが、予告編を見たら面白そうなので前売り券購入。
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ほら、面白そうでしょ。
というわけで公開までに『96時間』と『フライト・ゲーム』を見ました。そうか、これらは「困り眉おじさんのセガール映画」なのか!真正面から「あそこおかしくね?」とか言っちゃいけない作品なのか。
で、本作。こちらもまごうことなき「リーアム・ニーソン映画」でした!そういうジャンル映画なんだから仕方ない。真っ当な批判は全て跳ね返されるのだ。これはリーアム・ニーソン映画としては正しいです、とな。
以下、ネタバレ含みます。
「同じ毎日だけど日々違っていて、その積み重ねが日常であり家族の歴史になる」を様々な服装や天候により表現するオープニング映像、素晴らしいです。
その後いきなり解雇!住宅ローンが、子供の学費が。ここで動機部分を描きます。ここはリーアム・ニーソンの困り眉が大活躍!
そしてパブで一杯ひっかける。そこには前職の同僚と現在の署長が。ここは伏線ですよー。
で、謎の依頼を受けて家族を人質に取られてみんなが怪しく見えていつの間にか人が死んでいくと。これ、『フライト・ゲーム』じゃねーか。いや、ジャンル映画なので基本路線を辿っているだけです。
今作は『フライト・ゲーム』よりはいろいろ改善されています。謎の吹き矢殺人や自分で殺しちゃうとかの「そりゃねーぜ」は減っています。まあ、それでも「お前はミュージシャンではない。なぜならお前のギターは左利き用だからだ」という謎解きは「なぜわざわざ入手しにくい左利き用を持ってきた?」とか「本当に左利きミュージシャンだから左手を庇っている可能性は?」とか思いましたが。
あと、手掛かりのひとつに「終点で下りる人」があって、それを判別するために自分の席の上に切符を立てておき、下りる駅の箇所にハサミを入れるという部分があるのですが、海外ではこんなことやってるの?自分がどこで下りるかなんて他人に知られたくなくない?
もちろんアクションシーンもありますが、今回は抑えめ。だって劇中60歳の設定だし、リーアム・ニーソンの実年齢は65歳だもの!枯れてきたなーと思いましたが、65歳と思えば若い。
いくら元警官とはいえ、60歳のおじさんがあんなに殴られ蹴られて平気なのか。耐久力ありすぎ。
途中、走行中の列車の下に下りて、そこから脇に転がり出るところは『ザ・ロック』のショーン・コネリーがぶんぶん回る巨大換気扇みたいなところから出てくる場面を思い出しました。
その他の列車の脱線を食い止めるためにいろいろ頑張るとか、でもやっぱり脱線しちゃって車両がめっちゃくちゃになるとか、走行中の列車に飛び移るとか、その辺のリアリティはいいんです。映画らしいサービス満点なご褒美なのです。
ものすごい列車事故でも彼らの乗っている車両だけは全員無傷。いてて、で済みました。わーい、ラッキー。
やっと警察が来てくれたと思ったのに、今度は人質を取って立て籠っている犯人に仕立て上げられるリーアム・ニーソン。映画の種類が変わってきたぞ。
ここからがちょっと長いんだよなー。もっとコンパクトに決着させてほしかった。
解決後、署長からねぎらいの言葉。伏線で俺が悪者だと思っただろ、それがミスリードさ(そんなことは言っていません)。そして再就職フラグとエンディングへ。
ちょっとバカにしたような書き方でしたが、見ている間は面白かったです。特にチャラい駅員はよかった。危機感も責任感もゼロ。
おかしな点があっても「だってリーアム・ニーソン映画だから」で自己弁護するので欠点が欠点にならない。何だこりゃ、最強じゃねーか。
次の「リーアム・ニーソン映画」は見るか分かりませんが、部屋でDVDで見るには面白い作品だと思いますし、「リーアム・ニーソン映画」としては過去最高(私は見た数が少ないので説得力ないけど)でしたよ。
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