やりやすいことから少しずつ

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映画『ランペイジ 巨獣大乱闘』 感想

ロック様、範馬勇次郎江田島平八


ランペイジ 巨獣大乱闘』を見てきました。公式サイト↓
wwws.warnerbros.co.jp
キングコング 髑髏島の巨神』とユニバース化していると思ったのですが、してないのね。残念。


事件は現場で起きているのかもしれませんが、映画は会議室で生まれます。
「何か面白そうな企画ないかな」
「動物たちが巨大化して街を破壊するのはどうすか」
「いいねえ。どうやって巨大化させる?」
「悪い企業が新薬製造の名のもとに実験をしていて、失敗します」
「いいねえ。どの動物を巨大化させようか」
「やっぱりゴリラは外せないっすよね。あと、オオカミとワニはどうすか」
「いいねえ。でもさ、それだと棲んでいる場所バラバラじゃん。どうしよ」
「宇宙から変身物質を落としましょうか」
「いいねえ。でもさ、バラバラの動物をどうやって一か所に集めるの?」
「電波でも出しとけばいいんじゃないすか」
「いいねえ。あとはいろんな動物の特長をDNAに配合したとか言っとけばいいよね」
「そうっすね」
完全に妄想ですが、たぶんこんな感じで決まったんだと思っています。それくらいこの映画はテキトー。ハリウッド超大作だからCGバッチリで画はすごいけど、お話は私が子供の頃に見ていたウルトラマンレベルのずさんさ。
しかし、これを「アリ」にしているのがロック様です。彼がいればどんな無理も無茶も不条理も通ります。この世界観をアリにしているのは完全にロック様のフィクション感。
悪徳企業のコントのような理屈もいいんです。この映画はそういうところに注文を付ける作品ではありません。巨獣が大乱闘してすげー!と思うための映画です。考えるな、笑え。


●結束バンドで捕まったロック様→えいっと簡単に引きちぎる
●乗っている飛行機が墜落したロック様→パラシュートを着けて簡単に脱出
●銃で腹を撃たれたロック様→「急所を外したから大丈夫だ」でノーダメージ
●壊れたヘリコプター+ビル崩壊→「危なかった」でノーダメージ
●軍隊も太刀打ちできなかった3体の巨獣と格闘→互角の勝負
いいんです。だって、ロック様だから。既にロック様はセガールを超え、範馬勇次郎江田島平八レベルの超人に達しているのです。


ちょっとだけ注文をつけさせてもらうと、今回ゴリラとオオカミとワニが巨大化して、いろいろな動物のDNAの作用により変態していきます。オオカミはハリネズミのDNAから針飛ばし攻撃を、そしてコウモリのDNAから滑空までできるようになります。ワニはもう何だか分からんほど変態して強く悪そうな外見になります。
しかし、ゴリラのジョージはただ巨大化するだけなのです。この映画は途中から「正気に戻ったジョージがロック様と共闘して2体の巨獣をやっつける」というお話になるので、狂暴時代(悪ジョージ)と善良時代(善ジョージ)の見た目が分かるといいのになー。毛が赤くなるとか何でもいいので、何か目印があった方がいい。そうしないと事態解決後、ジョージは殺処分しないでおこうと世論は思ってくれないでしょう。ついでに、ラストでジョージがビルに残った人を手のひらに乗せて助けるという描写がありますが、あんな大暴れしたゴリラの手の上に乗る人いねーよ!一般人はジョージが善ゴリラになったこと知らないから。
おっといけない。この作品にツッコミは無用だった。


何も考えずにゲラゲラ笑いながら見る分にはとても面白い映画でした。金曜ロードショーとかで放送すればいい。ただ、やはり『キングコング 髑髏島の巨神』に比べると何段も落ちる。それは、怪獣映画に対する愛が足りないから。オタク濃度といってもいい。この机上の空論作品を「アリ」にしているのはロック様のおかげで、作り手の腕ではない。だから笑えるけど熱狂はしない。
やはり愛だろ、愛。


キングコング 髑髏島の巨神』エントリ↓
ese.hatenablog.com