やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

最近読んだ本一言感想(2018年12月)

記録として


本はちょいちょい読んでいるのですが、読書感想としてブログを書くのは難しい。引用で本文を書き写すのは面倒だしテーマについてそこそこの分量で書くのは難しい。
でも、書かないとすべて忘れるので、記憶のあるうちに一言でも書いておこう。


読み始めて何だか古いなーと思って奥付を見たら昭和63年の作品でした。なのでまだバブルの匂いはするしケータイは出てこないし。
東野圭吾さんはミステリの「犯人は誰か」という本筋に何かをプラスして書くからベストセラー作家なんだろうなーと思っているのですが、この作品はまだそういうプラスアルファのノウハウはなく、ストレートなミステリ小説でした。密室殺人のトリックは苦しい気がする。


おっさんによる「最近の若いもんは」本でした。がっかり。
若者のあれこれを嘆いていますが、そういう若者になるように育てたのは社会であり大人ですよ。なので、嘆く相手は大人であり自分です。若者は被害者。原因は大人、若者は結果。
でもこれを読むおっさんは「そうだよなー、最近の若いもんは恋愛もしないし車も買わないしサービス残業もしないし」と思うんだろうなー。恋愛至上主義を広めたのは誰だ、車も買えない給料しか払わないのは誰だ、ブラック企業で非正規雇用を採用しているのは誰だ。
元気がないとか体力がないとかいうけど、公園でボール遊びも禁止して少しでも元気に声出したら眉をひそめて何でも規制してきたのは誰だ。
全部大人です。


ナナメの夕暮れ

ナナメの夕暮れ

前作『社会人大学人見知り学部』も刺さったけど、こちらも刺さった!前作のぼやきや愚痴が、本作ではもう一歩前に進んでいる。
前作も後半は文学になっていたけど、本作ではもう完全に純文学私小説
響いたし刺さったけど、ちゃんと大人になり成長している若林さんに比べて何も変わっていない私ときたら…と少しへこんでしまう作品でもある。


天才はあきらめた (朝日文庫)

天才はあきらめた (朝日文庫)

若林さんの盟友、山里亮太の作品。もう、文体が完全に山ちゃんのしゃべり。
山里さんが努力の人だということは知っていましたが、思った以上に努力の人なのね。自らを自己啓発で縛っていて息苦しそう。
努力努力努力。それは素晴らしいけど、そのガソリンは嫉妬。それはあまり素晴らしくないぞ。
あとがきは若林さん。ふたりの心の余裕の差が文体の違いに表れている。


私、進化論はあまり信じていないのですが、学者が書くのだからやっぱり進化ってあるのか。「高いところの食べ物が食べられたらいいなー」であれほどキリンの首伸びる?そんなこと他の生物も思っているけど、伸びないぞ。
そして、学者はすごい。化石をあらゆるところから調べ尽くし、頭蓋骨の背骨が通る穴がここにあるからこの生物は二足歩行だったに違いない、足の指の骨がこういう形だから足で木の枝を掴んでいたに違いない、土踏まず(そんなの、化石から分かるの?)がこうだから歩き方はこうだったに違いない、歯のすり減り具合からこういう食べ物を食べていたに違いない、ということはこういう環境で暮らしていたに違いない。学者はすごい。
そもそも、二足歩行ってデメリットが多い。草原の中、立ち上がったら周りから見えちゃう。そして人類は足が遅いので猛獣から逃げるのは困難。それでも人類は手に食べ物を持ち、家族に分け与えた。そしてその種が生き残った。
そして何より、「何でも食べる」と「子供を多く産む」種が生き残るという身も蓋もない現実に「人類は頭がよいから」という幻想を打ち砕かれた。結局、食とセックスかよ!


不機嫌は罪である (角川新書)

不機嫌は罪である (角川新書)

これはもう、このタイトルと帯の「上機嫌は今や『職務』です!」で終了。完全にその通りなのになぜ職場や社会がそうなっていないかというと、不機嫌な奴はこの本を読まない奴だからだ。ジレンマ。
自分の機嫌をコントロールできないのは赤ちゃんと一緒です。自分の不機嫌で周りをコントロールしようとするのは赤ちゃんと一緒です。


舞台 (講談社文庫)

舞台 (講談社文庫)

私も無駄な自意識の塊で本当に情けないのですが、本作の主人公はさらに何倍も面倒くさい。『東京大学物語』を思いながら読みました。
西さんの本はこれが初めてなのですが、次は何を読めばいいですか?『サラバ!』読んでみたいけど文庫だと上中下だからなー。


チャド・マレーンがこんなインテリだとは知らなかった。
「日本のお笑いは世界で通用するか」とか「日本のお笑いが世界一」とかはよく言われることですが、お笑いって文化を共有していないと笑えないものなので、どこの笑いが世界一とか決められないよなー。「欧米では」っていわれても、欧米じゃないしなー。
とこんなことを書きつつ、本の内容はもう全然覚えていない。


そうだよなー。その通りだよなー。高校生の頃から、いや20代の頃からこういうことを意識して女性と接していれば私の人生は違っていただろうなー。
やっぱり、「女性には共感」ですよ。


街場の憂国論 (犀の教室)

街場の憂国論 (犀の教室)

内田センセの本(というか考え方)は合うもの合わないものがあるのですが、本書はよかった。2012年頃のブログをまとめたもので、加筆修正があるのでしれっと今に合わせて直してある部分もあるでしょうが、現代に通じる内容で、答え合わせとして使える。で、今でも通じるということは、日本はその頃から(もしくはもっと以前から)何も進歩も変化もしてないのでは、とも思ってしまいました。


こんなところかな。たぶんもっと読んでいると思いますが、タイトルすら出てこない本は内容なんて全然覚えてないから書く必要ないや。
値段と読みやすさを考えるとどうしても新書が多くなりますが、最近小説を全然読んでいないので、読みたい。フィクションとか物語って大事。