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TSUTAYAのアホー「Tカード情報、令状なく提供 会員規約に明記せず」

下手か!


TカードのTSUTAYA(CCC=カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が、Tカードに関する情報(氏名・住所の他、購入・レンタル履歴まで)を裁判所の令状なしに捜査当局へ提供していることが発覚しました。
www.tokyo-np.co.jp
news.nicovideo.jp
私は個人情報については「どうせもう何でもバレているんだからどうでもいいじゃん」「収入・病歴とかでなければ困ることないじゃん」というスタンスなのですが、これはマズい。


昔から、TSUTAYAは個人情報ビジネスを行ってきました。しかしそれは「50代男性でファッションに興味のある人」「20代女子でK-POPが好きな人」といった「属性」を提供しているだけで、個人それぞれの情報は提供していませんでした。

(イメージ)
A社「こういうターゲットに向けた販促を打ちたい」→TSUTAYAに依頼
TSUTAYA「こういう人たちがいます」
A社「では、10万名にDMを送る。内容はこれ」
TSUTAYA「了解しました。発送します」
(実際の発送処理はCCCの子会社が行う)

外部に個人情報を出しているのではなく、求められる属性に応じた販促を請け負うという立場。もちろんこれは会員規約に明記されています。


そして、これまでも「令状があれば」個人情報の提供を行ってきたわけですが、今回明らかになったのはそういった手続きを踏まずに個人情報を警察に渡していたということ。


ダメ。いろいろダメ。


まず、正規の手続きでないこと、会員規約に明記していなかったこと。基本がダメです。
そして、これが明らかになった後の言い訳もダメ。「社会的情報インフラの価値も高まってきたことから」って、それだったらより厳格にするべきだろ。価値が高まったからこそ厳格に運用するのが普通じゃない?
さらに「今後につきましては(略)会員規約に明記するようにいたします」としれっと書いているところ。今まで黙って個人情報提供していてごめんなさい、はないんかい。


上にも書いたように(あと、下に貼った過去記事にも書いたように)、私は個人情報なんて既にダダ漏れなので「私の個人情報がー」と思うことはありません。それでも、個人情報をビジネスで扱っている企業がこんな杜撰な仕事しちゃダメ。しかも扱っているのは氏名住所だけでなく趣味嗜好に関すること。そういうセンシティブな情報はより取り扱い注意。
私が個人情報どうでもいいと思っていても、世間はそう思っていません。上記のDMなどでも「TSUTAYAから個人情報が漏れている!」と勘違いする人も多いでしょう。だからこそ、個人情報の取り扱いとその広報のやり方は重要かつ注意が必要なのに、このザマ。


さらに、こんなこともやっていました。これは2016年の記事。
www.huffingtonpost.jp
なぜ個人情報の取り扱いについて後退するんだ。


警察からの照会が必要な人という時点で実際の私たちの生活にほとんど支障はないわけですが、印象は違う。「TSUTAYAは個人情報をばらまいている」というイメージを持たれてしまいます。
イメージ、大事。世の中はイメージでできています。事実なんてどうでもいい。なので真摯な謝罪をすべきだったのになあ。どうせ事実はみんなすぐ忘れる。イメージは残る。
TSUTAYAの今回のやり方は、下手だった。


個人情報についての過去記事。
ese.hatenablog.com
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