やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

愛のレキシアター『ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ』 感想

舞台は役者の実力丸わかり


愛のレキシアター『ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ』を見てきました。公式サイト↓
www.rekitheater.jp
レキシの曲を使って舞台を作る。まあ、確かに歴史の曲なのでできそう。でも、時代バラバラですよ。どーすんの?
これが、とても楽しくて面白くてくだらなくて感動する出来でした!
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会場は赤坂ACTシアター。天気も良くて気持ちいい!
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お花撮るの好き。出演者とお花を贈る人それぞれの関係性が見えていいですな。


入場。トイレに行くと
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何とお一人様一稲穂!
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本当だ!


開演時間になると、ライブと同じくホラ貝が鳴り響きます。
まずは映像から。レキシ池田貴史が亡くなり、足軽先生がお焼香へ。そこにいた兄のペリーと姉のジャンヌ・ダルク、あといとこの何とか(名前忘れた。黒人でした)。「情報が渋滞していて池田君の死を悲しむことができません」と混乱する足軽先生。そこにやってきたたいらのまさピコ(河原雅彦)。「僕がミュージカルを作ります!」
そこに登場した「わちゃわちゃうるさメガネ俳優(霊界にいる池ちゃんのツッコミ)」八嶋智人さんに池ちゃんが乗り移る!
ここで舞台スタート!


この後はレキシの曲を歌いながらストーリーが展開していきます。主人公はニートなので『甘えん坊将軍』、舞台はレキシーランドなので、もちろん『そうだ、レキシーランド行こう』、ファストパスである印籠が紛失したら『僕の印籠知りませんか』。少々こじつけな部分(この曲を流すためにこの展開・このセリフ)もありましたが、とても上手く物語に溶け込んでいました。
何と合計25曲(私はパンフを買ったので正確に分かるのです。ふふふ)!本家レキシのライブは16曲で3時間とかなのに。やればできるんだな。


この作品は山本耕史さんが主役で、それ以外に松岡茉優藤井隆というテレビで有名な人、佐藤流司という仮面ライダー俳優、井上小百合という乃木坂人脈、高田聖子という舞台の軸を支える人、浦嶋りんこという歌のスペシャリストと全方位に配慮と集客と舞台の強度を高める布陣。完璧です。


印象としては、
山本耕史:優勝!
松岡茉優:そんなもんか?
藤井隆:遠慮してない?
佐藤流司:顔だけじゃなく声もイケメン!
井上小百合:ナレーションの声はよい、それ以外はそうでも。
●高田聖子:何でもできる!
浦嶋りんこ:歌の説得力!
●そして八嶋智人:わちゃわちゃうるさメガネ俳優だけど舞台の上ではさすが!足も上がる!
です。


山本さんは動けるし歌えるし踊れる。ニートなのに足さばきは細やかだし、家の柱に斜め懸垂(あれ、どう表現したらいいの?)して上るし、ラストにはギターソロも披露。すげー。さすが白マッチョ。
物語はニートの役なので、猫背で声もしゃべり方も変な男を続けていくのですが、せっかくの山本耕史、カッコいいところを見たいなー、もったいないなーと思っていたら、クライマックスで本来のイケメンに変身!物語的にも盛り上がるし、舞台としても盛り上がる。上手い!まさピコ、上手いよ!


曲を物語の一部に組み込んでお話を進めていくという手法なのに、ラストではきちんと決着して大団円になる。まさピコ、あなたはすげーよ!
と思ったら、河原雅彦さんは『いやおうなしに』の演出の人でもあった!あの作品も面影ラッキーホールの曲を使ってきちんと物語を展開・着地させていたな。まさピコ、あなたはすげーよ。
ese.hatenablog.com


レキシの曲は「いい曲」だけど、基本「楽しい曲」で、バラードであっても涙を誘うような曲ではありません。なのに、この舞台では『墾田永年私財法』や『最後の将軍』で泣かされた!『最後の将軍』はまだしも(MVもよい!)、「土地は僕のもの」で泣かされるとは!
曲は、その曲自体の内容もそうですが、シチュエーションに依る部分も大きいんだなー、レキシのライブは「楽しい」が基本の空気なので泣くようなことはないんだなー、なんてことを思いました。逆に、曲の力は大したことなくても、泣かせる演出で曲の力を増幅していることもあるんだろうなー。テレビドラマの主題歌とかはそういう「雰囲気ドーピング」の恩恵もあるんだろうなー、なんてことまで思いました。


面白かった。やっぱり舞台はよい。目の前で、すべて生身で人力で行っているのが舞台。水色の幕を黒子二人が持って、少し揺らせば川の流れになる。背景と照明が変われば時代も場所も変わる。CGは使えないけどそれ以上に何でもできちゃうのが舞台。
そして、舞台は生身なので、役者の実力がそのまま出ちゃう。イケメンであっても、実際の声や動きができなきゃ舞台ではイケメンでいられない。実力丸出しで丸わかり。山本耕史さんは上記の通り素晴らしかったですが、佐藤流司さんもよかったよ!アバターのイケメン役なので2.5次元的なキザ役なのですが、ちゃんと説得力がありました。声も動きもよかった。


当日券もありますので、行ける人はぜひ!