『人間交差点フェス2019』に行ってきました!感想(その2)
リリックとスキル。ラップはシビア。
前回のお話↓
ese.hatenablog.com
お次はCreepy Nuts。私は彼らが日本のヒップホップ、日本語ラップの救世主になってくれると思っているのですが、なかなか救ってくれない。それどころか、私自身少し熱が冷めている。ちょっと、歌ものに寄りすぎてない?
しかし、久々にライブを見たら「やっぱこいつらはスゲえ」「ラップは実力がシビアに分かりすぎて残酷だな」と思っちゃう素晴らしいラップスキルに圧倒されました。
まずはふらりと登場して1から10までの数え歌をラップで読み込む曲。初めて聴きましたが、未発表曲ですか?
実はここはサウンドチェック(リハーサル)でした。贅沢!
というわけで改めて前説。宇多丸さんと玉ちゃん。さっきスナック玉ちゃんに行ったのにいなかったのはここにいたからか!
玉「無事退院してよかったよ。本家歌丸師匠の後を追うんじゃないかって心配してたよ」
宇「退院するときに『何か気をつけた方がいいことありますか?』って訊いたの。そしたら『まあ、暴飲暴食は控えた方が』『お酒はどうですか?』『飲み過ぎは控えた方が』って一般論しか言わねえの」
玉「それ、病院の手口。うちのじいさんも退院するときに同じこと言われて、安心してたらすぐ死んじゃった」
宇「今年はスナック玉ちゃんが出店してくれて」
玉「カラオケ設置してあるんだけど、さっきどっかのバカが真心ブラザーズの『サマーヌード』歌ってたよ」
完全に漫才じゃねーか!その他書けない話もいくつか。
さあ、本編スタート。1曲目は『阿婆擦れ』。
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女性に対する曲かと思いますが、HIPHOPに対する愛憎入り交じるラブソング。ちゃんとリリックを聞き取れるスキル。そして「きちんと韻を踏む」というレベルではなく「いくつも意味が掛かっている上でさらにきちんと韻を踏む」というリリック。
2曲目は『トレンチコートマフィア』。
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この、『桐島、部活やめるってよ』の映像と合わせたMV(オフィシャルではないです)、見るたびにリビドーとルサンチマンが溢れて泣きそうになる。
次、知らない曲をちょっとやった(誰か教えて!)後に、『モンスタービジョン』のR-指定ヴァース。
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R-指定はこの番組で般若の後を継いで二代目ラスボスに就任することが決まっているので、このまま「般若さんのこのヴァースも引き継がせていただきます!」と続いて般若ヴァースも歌ってくれました。
さらに『マジでハイ』のR-指定ヴァースとフック(サビ)。
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Creepy Nuts以外の曲が多いけど、皆さん付いてきてるかな?ここに来る皆さんだからそんな心配無用か。あと、知らない曲でもリリック聞き取れるからやはり心配無用か。
ここでお客さんからお題をもらってフリースタイルをかますおなじみ聖徳太子フリースタイルのコーナー。集まったお題は「今年はいい天気」「ラジオ」「ラスボス」「ロン毛」「ゆりかもめ」「ヘルメット」「RHYMESTER」。
私が指名されたら「岡村ちゃん」を入れてもらったのに!
実際のフリースタイルはもう何も覚えていませんが、やっぱすげえ!全部入れ込んで韻を踏んでリズムキープしてラップする。これ、毎回やっているので「今回もお上手!」くらいに思えちゃいますが、マジですごいよ。
そのまま『メジャーデビュー指南』(サビだけだったかな?)→『助演男優賞』→『合法的トビ方ノススメ』という黄金の方程式。
ラストは『生業』。
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ラップは「ペンとマイク」「リリックとスキル」なんてことをみんなよく言うし、手垢にまみれた常套句みたいな言葉ですが、真実だと思うのです。
ラップはメロディ要素の少ない音楽なので、歌詞(リリック)が重要。そしてこのメロディ要素の少ない音楽が他のジャンルに勝っているのは「リズム」「グルーヴ」で、それを具現化しているのがラッパーのスキル。その両方を持っていなきゃ勝てないし、その両方を持っていれば勝てるのです。
TARO SOULを見ながら感じたモヤモヤは、Creepy Nutsを見てより確信に変わりました。もちろんラップは「己を歌う音楽」なので、「誰が言っているか」も大事。その人のリアルがリリックに反映していないと説得力がない。ラップのリリックはJ-POPの歌詞ではない。漫才もそうですが、ネタとニン(人)が一致することが重要。
そういった意味で、Creepy Nutsは素晴らしかった。あとは曲か。どうやったら日本語ラップが一般化するんだ!誰か教えてくれ。
ライブ終わりで休憩。そんなにおなか減ってないけど食べよう。
「汁ヲ抜クベキ 汁なしタンタン麺」とビール。今年は細麺だけど、太麺の方がよかったな。
抱擁家族は全然聴いていませんでした。ごめんなさい。
お次はPUSHIM。生で見るのは初めてです。
過去作はちょっとだけ予習してきました。私はレゲエのリズムが苦手なのですが、新作『immature』はリズムが新しい!打ち込みビートということもあり、オーセンティックなレゲエビートではない、最新型のサウンドになっていました。
ライブでもこのアルバムから何曲かやってくれたのですが、バンド演奏だと音源の緻密さやシャープさは減っちゃいますね。その分ダイナミズムが大きくなりますが。
ライブはものすごくよかったです。PUSHIM姉さん(姐さんではないよね?)、歌が上手い!喉なのか腰なのか体幹なのか、何か強い!と思いながら見ていました。
あと、「顔で歌う感」もすごい。デーモン閣下や大友康平レベル。
PUSHIMはこれまでRHYMESTERと何曲もコラボしているので当然何かしらやってくれると思っていたのに、残念ながら何もなし。あーん、残念。
そうか、このフェスはこれまで様々なジャンルのミュージシャンたちが登場して、その「ハブ」としてRHYMESTERがいて、その交わるところでコラボをするというのが「人間交差点フェス」だと思っていたのですが、今年はそういうコンセプトではないのですね。
そもそも今年の出演者はRHYMESTERとコラボしていない人たちばかりだもんな。あと、出ずっぱりだとRHYMESTERのオジサンたち疲れちゃうもんな。
(でも、何もなくて残念…)
FNCYをちょっと見ながら休憩。自由で楽しそうでいいな。でも、ちゃんと見ていなかったせいもあるけど私にはそこまで刺さらなかった。おじさんは去るべし。はい。
この辺でちょっと外に出てみよう。出入り自由がこのフェスの特長のひとつ。
出たら、すぐそこにセクシー(竹内朋康)がいた!
「セクシー!お疲れ様です!またマボロシやってください!」
「ういー、ういー」
だいぶ酔っ払っており、会話になりませんでした。握手はしてもらったけど。
会場横のスペースでしばしチル。天気はいいけど暑すぎないのでとても気持ちがいい。NORIKIYO、ごめんよ。
会場に戻ってきて、ラストスパートに向けてガソリン補給。
悪あがきカクテル。美味しくはなかった。
WONKスタート。私は後ろで座って酒飲みながら聴いていたのでパフォーマンスは見えず。
私の勝手な決めつけで「ドラムセットをセンター以外に配置するバンドはいいバンド説」があるのですが、それをまたひとつ立証してくれるいい演奏でした。
しかし細かい記憶は何もない。
もうちょいいっとく?
私はもうおっさんなので普段カルアミルクなんて飲みませんが、今日は特別!高校生の頃を思い出して飲む。相変わらずお酒の味はしない。
このあとはKREVA→岡村靖幸→RHYMESTERという出番順。どっちを取るべきか。
今年は岡村ちゃんのツアーに参加しないので、岡村ちゃん、君に決めた!KREVAとRHYMESTERを捨てて岡村ちゃんのステージへ。WONK終わりで前へずんずん進んでいきまして、何とか3列目あたりを確保。
このまま横ぎりぎりの視界からKREVA待機。
さすがに長くなってきたのでここで切ります。次回KREVAと岡村ちゃん、その次にRHYMESTERと全体感想、くらいのバランスかな。なるたけ頑張って、記憶のあるうちに書きます。
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