ぼくの受験大さくせん
受験のシーズンです。Twitterでも実生活でも、そういう話題が多くなってきました。
そこで、私の体験をもとに、こうしたら少しでも上手くいくんじゃないかな、上手くいったらいいなと思うことを書きます。
とはいえ、私の受験なんて30年近く前のことなので、今と全然違っているのでしょう。まあ、それでも少しでも役に立てるかも、ということで書きます。
今思えば、高校3年生の私は超頑張っていました。後にも先にも、あんなに頑張った時期はありません。当時この言葉はありませんでしたが、「やる気スイッチ」が入っていたのだと思います。大事なのはどうやったらそのスイッチが入るかってことでしょうが、それは分からないので教えることはできません。ごめんよ。
多分、勉強し始めると、分かってくる。分かってくると面白くなってくる。野球だってサッカーだって、「できるから面白い」のです。まったく打てなかったら、まったくドリブルができなかったら、楽しくならないと思います。このサイクルに入ることができれば、勉強も楽しくなると思います。
そもそも、勉強というか学ぶこと・知ることというのは本質的に「楽しいこと」だと思っています。この赤くて美味しい食べ物を「リンゴ」と知ること。リンゴが美味しいと親に伝え、それが伝わること。それは楽しい体験です。この積み重ねが「学び」です。いつしか強制的に「勉強させられる」になるからつまんないと思っちゃうけど、物事を知ることは、楽しいことです。
教科別勉強法
国語
現代文は、「日本語なんだから読めば分かるじゃん」と思い、ほぼ何もしませんでした。やったのは漢字の書き取りくらい。
よく「作者の気持ちを書きなさい」「そんなの書いた本人しか分からないよ」というテンプレネタを目にしますが、実際のテストでそんな問題は出ません。ちゃんと、書いてある文章から出ます。読めば分かる。
あと、本は読んでないけど教科書に載っていた『こころ』『山月記』『羅生門』『蜘蛛の糸』などは、教科書の文章なのにとても面白かった記憶があります。読み物・物語として面白いという利点がある上に日本語としても美しい。こういう美しい文章を面白く読めれば、それはそのまま日本語の理解にも繋がっていけると思います。
古文は、助詞と「けり」「かな」などの助動詞が分かれば、こちらも日本語ですから、何とかなります。今はもうほぼ忘れましたが、受験直前は「俺は古文を完全に理解した!」と思っていました。
全然勉強法になっていなくてすみません。
数学
私は文系を選択したので、代数幾何などは分かりません。数Ⅰ・数Ⅱ程度。
私は文系ですが、数学は楽しい。「できた感」「解いた感」が楽しい。単なる暗記ではなく、覚えた公式をどう使って解くのか。解けたときの「俺できてる感」が楽しい。証明問題とか好きでした。
公式を覚えて、それを駆使してひたすら問題を解いていく。普通の問題は解ける、ひとひねりしてある問題も解ける。俺に小細工なんて通用しないぜ!と思いながら数をこなしていきました。
そしてそのとき覚えた公式は、20年経った後でもまだ覚えていて試験で役立ちました。あのときの自分、ありがとう!
理科(地学)
私は、高校2年生の時に地学を選択しまして、これが楽しかったです。岩石の話は興味ないけど、天気や宇宙の話、地球の成り立ちなどはとても楽しかったです。
宇宙の圧倒的な広さを数学的に考えると、そのとてつもなさに感動するというか感心するというか放心するというか。地球に比べて太陽はとてつもなくデカいわけですが、もっともっとデカい恒星は無数にあって、距離も大きさも日常生活とはまったく違う単位でないと表せない世界。楽しい。
天候の理屈を知って天気図が分かるようになると、天気予報も楽しくなります。日常の解像度が上がる感じ。
ここも全然勉強法になっていなくてすみません。
社会(世界史)
社会は、世界史を専攻していました。国語は「日本語だから分かる」だったし地学は「内容が面白い」でしたが、世界史は「勉強法が楽しい」でした。
授業で書いたノートを元に、教科書やサブテキスト(山川出版社のアレ)を使って、もう一度イチから新しいノートに清書していきます。イメージは、自分だけの世界史完全ノートの作成です。その際、年号・人名・地名・出来事や政令の名称などを、5色くらいのペンを用意して、それぞれ自分で決めた色で書いていきます。
また、年号は語呂合わせで覚えますよね。私も語呂合わせの本を買ったことがありますが、イマイチなのです。年号と出来事と語呂合わせの言葉がリンクしていないので覚えられない。
そこで、自分で語呂合わせを作るのです。大事なのは上に書いたように、年号と出来事が、語呂合わせの言葉とリンクしていること。言葉の意味と出来事が掛かっているから、覚えられるのです。また、自分で作るから、より覚えやすいのです。
マジで、受験が終わった頃は「このノート、そのまま出版してほしいな」と思っていました。
やっと勉強法を紹介することができた!しかしその語呂合わせはもうひとつも覚えていない…。地学のことはまだ覚えているのに。やはり反芻しないと記憶は消えていくのですね…。
英語
私、英語がめちゃめちゃ苦手でした。中1の頃はbとdの区別もつかないレベルでした。なので高校に入ってもずっと苦手で、受験は大苦戦しました。
そこで私がやったのは「とにかく単語を覚えよう」でした。単語の意味さえ分かれば、あとは英語だって言葉ですから何とかなるだろうと。センター試験は選択式なので、文章を完全に理解できなくても明らかにおかしい解答は排除できるだろう。
全部理解できなくてもいいんです。文意が何となく分かればいいんです。テストで解答できればいいんです。しゃべれる英語を学ぶのとは違う場面なのです。
リスニングは、完全に投げました。聞き取れる単語と、問題用紙の文章で勝負していました。英語だって言葉なんだから何とかなる。
実際は、あまり何とかなりませんでした。
以上、書いてみたらあまり役に立つようなことを書けませんでした。
結局、「一生懸命やる」しかないし、そのためには「勉強するのが当たり前」の日常にしなければならないし、そのためには「勉強するのが楽しい」にしなければならない。で、そのためには、まず「始めること」です。やり出せば、結構楽しい。分かる・覚えるって楽しいことです。
そして、できている自分を褒めましょう。俺、やるじゃん。できてるじゃん。覚えてるじゃん。進んでるじゃん。「できる」という実績と自信が、次のモチベーションに繋がっていきます。そうなると、いいサイクルが回り始めます。
大学受験の場合、赤本を使いますよね。私、赤本の意味があまり分かりません。過去問解いても、同じ問題なんて出ないじゃん。傾向と対策なんて、受験生には分からないじゃん。じゃあ、何のためにやるの?
精神的な安心材料にはいいのかもしれませんが、実際の受験勉強としてどれだけ意味があるのか、私には分かりません。でも『ドラゴン桜』でも過去問推奨しているから、やっぱり効果あるのかなー。
受験直前~当日
さて、本番が近づいたらどうしましょうか。
何はともあれ「万全の体調」です。よく寝ること。記憶は睡眠で定着します。眠い頭で勉強しても頭に入りません。寝る→記憶の定着→万全の体調→勉強頑張れる、というサイクルを意識する。
倍率、不安ですか?
倍率は、気にしなくていいです。100人定員のところに200人来ようが500人来ようが、あなたが100位以内にいれば絶対に合格するのです。入試は「定員までの上位の数」ですから、宝くじの抽選倍率とはまったく違います。ザコが何人来ようと、あなたが上位にいれば合格するのです。自分は合格の範囲内にいて、あいつらはその下で蠢いているだけ。そう信じて頑張りましょう。
当日、不安ですか?
大丈夫です。なぜならあなたは合格範囲の上位にいて、周りの学生は当落ラインであがいている人たちだから。周りを見下すくらいの偉そうな態度で臨みましょう。
試験開始まで参考書などを眺めてもいいですが、個人的にはあまりおすすめしません。だって、今見たところがその日の試験に出る確率なんてほぼゼロでしょ?そして、もし出たとしても、既に覚えていれば見なくても解けるし、覚えていなければその日見た程度で解くのは難しいです。参考書を見る→自分の覚えていないことがあった→その瞬間に覚えた→それが試験に出た、なんて確率はゼロです、ゼロ。
ただし、安心のために眺めるなら意味はあります。ライナスの毛布としての効能。
私のおすすめは「みんな必死やのう。俺はこんなに余裕だぜ」という「偉そうごっこ」です。ここまできたらあとは全力を出すだけ。全力を出せるような状態に自分をもっていくことが大事です。なので、個人に合うやり方で自分を最高潮にもっていきましょう。
私は、国立大学の二次試験のときは前泊でした。
たぶん生まれて初めてのひとりホテル泊。部屋に入ってまずテレビに300円を入れ、エロチャンネルスタンバイ。しかし、なぜか映らない。いろいろ試したけど映らない。さすがにホテルの人に言うのは恥ずかしくてできなかったため、諦めて夕食を食べるために外へ向かうと、フロントに「本日は○○大学試験のため、有料チャンネルは休止しています」の張り紙を発見。
マジかよ!これが楽しみでホテル泊にしたのに!見る人は見るし、見ない人は見ないから!そんな気遣いやめてよ!仕方ないので夕食後、ゲーセンで時間潰したりしていました。
こんなでいいんです。翌日の持ち物確認とたっぷりの睡眠さえできればあとはいろいろ気にしなくていいんです。
さあ、試験が始まったら全力を出しましょう。分からない問題は飛ばしていいです。できるところからやっつけましょう。そして、もう一度もう二度もう三度確認しましょう。残り1分切るまで、しつこく見直しましょう。ここで1点取ることがあなたの人生を変えるかもしれない。試験前は余裕こいてもいいですが、必死になるのは、今です!今、全力を出し切りましょう!
試験は、「これが正解と分かる」でなくてもいいのです。「これは違う」を排除して残ったものを選択してもいいのです。試験は理解よりも正解を導くゲームなのです。全部が分からなくても、5つの選択肢が2つに絞れるだけでも正答確率は上がります。ぎりぎりまで粘って、しつこく食らいつきましょう。
頑張れ、やればできる、努力は裏切らない。こういう言葉はほとんどが気休めですが、試験の場合はしっかり当てはまります。運ではなく、自分の努力と実力が出る場。
大丈夫、あなたはしっかりやってきた。すべて答案用紙に書いてこい。