やりやすいことから少しずつ

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映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』 感想

物語だけでなく、映画も大団円を…


映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を見てきました。
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やっと、やっと公開!私は特別『007』ファンというわけではありませんが、それでも待ちに待った超大作。めちゃめちゃお金を掛けた映画を大画面で見る愉悦、たまりませんね。


前作でダニエル・クレイグ卒業っぽかったけど、続投。さて、この延長戦、どう決着させる?
感想。「いろいろ思うところはあるが、面白かったよ!ダニエル・クレイグ、お疲れさま!」


(以下、ネタバレあります)


予告編で散々見てきた「アストン・マーチンぐるぐるファイヤー」と「バイクで下からびよーん」は、オープニングアクションだったのね!アがるぜ!まきびし、スモーク、ライトから銃のクラシカルな武器もよい!
キューバのパーティー会場でのガンアクションは、パロマ役のアナ・デ・アルマスに釘付け。アナちゃん可愛いよー。
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あのドレスってどういう構造になってるの?胸の部分は両面テープで留めているの?
ese.hatenablog.com
彼女のことはここでもべた褒めしております。可愛い。アクション自体は、ああいう場面だと主人公に弾は当たらないし敵には当たるので特にいうことはない。


本作のメインボンドガールであるマドレーヌを演じているレア・セドゥも可愛い。ちょっとムチムチな感じがよい。たまに3時のヒロイン福田さんに見える瞬間もありましたが。
ボンドとマドレーヌが列車で別れる際、マドレーヌがさりげなくお腹を触る仕草で「もしや…?」と思わせる演出もよかったです。


ランクルvsレンジローバーの戦いは、子供が車内にいるので安心してハラハラできなかった。ボンドも敵ももっと激しくやり合ってもいいのに、ちょっと抑えめ。
クライマックスの階段でのワンカット長回し(風なのかもしれんが)はいい!階段の狭さと立体感は画面映えするしアクション映えもする。
ラストのボンドの表情や「自分が犠牲になって世界を救った」が分かるベタな描き方もよかった。
そしてエンディングでのマドレーヌからの「ボンド、ジェームズ・ボンド」の決めぜりふもよかったよ!


と、全体としては褒めなのですが、むむむと思う部分も少なくない。
パロマのシーン、彼女の登場はあそこだけなら彼女いらないよね?新007のノーミとタッグで戦えばいい。
ブロフェルドが義眼で組織を操っていましたって、MI6はザルですか?電波も通すし身体検査もしないし。いくら狂人のふりとはいえ、それだけで組織に指示を出せないでしょ。


そして最大のむむむは、本作のヴィランサフィンです。
敵のアジトが日本風味なのはいい。サフィンの服装が上品な作務衣みたいなのもいい。しかしボンドの土下座はイマイチでした。まず、フォームが美しくない。プライドが折られてない。屈辱感が足りない。土下座の美学が足りない。
まあ、そこはいいや。クライマックスで船に乗り脱出したはずのサフィンがなぜか戻ってきて対決。なぜ戻ってきた。ボンドに「愛する人に二度と触れられない呪い」を振りかけるのはいいけど、それでサフィンは何か得た?サフィンにとっての「勝ち」とは何だったんだろ。
スペクターの組織の上にいる存在とか、ブロフェルドを引き継ぐとか、『007』全体とリンクする立ち位置だとよかったのになー。


ラストのボンドの死に様はとてもよかったのですが、そこに至る部分でむむむがあります。
ミサイルを防ぐための防御壁を開けるためにシステムを動かす。うーむ、そもそも防御壁なんだから、何で開く設計になってるの?その下にミサイル発射台とかあるから開閉装置が必要とか、何か理屈づけありました?
まあいい。やっと開けたボンド。しかしなぜか再び閉まる!戻ってもう一度開けるボンド。このシステム、そんなアナログなの?あのデカいレバーをぐいっとやるだけ?そもそも一度閉まりかけたのはなぜ?サフィンが閉めたの?


なーんか、脚本がちぐはぐなんだよなー。点と点、場面と場面は面白いのに、つながりがおかしい。と思ってネットを徘徊したら、制作に当たっていろいろトラブルがあったのね。こんなビッグバジェットなのにこの杜撰さ。逆にデカい話だから口を出す人数も多くなってこうなっちゃうのかな。
それでも、ラストのボンドの死に様からのエンディングで「きちんと終わった感」があり、満足できました。


クレイグボンド、お疲れさまでした。次のボンドは誰かなー。長く続けられるように若い人がいいなー。