やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画『THE FIRST SLAM DUNK』感想

パブロフの犬


映画『THE FIRST SLAM DUNK』を見ました。
slamdunk-movie.jp
私は、原作は読んでいるがアニメは見たことないという属性です。なので今回の声優変更の件はまったく問題なし。

さて。


(以下、ネタバレあります)


(ネタバレありますよ)


(まだ見に行ってない人は見てから読んでね)


と警告したのでネタバレありで書きます。


山王戦でした!!!
アバンタイトルで手描きのリョータが歩きだし、他のメンバーも加わっていく。そして現れる「神奈川県代表 湘北高校」の文字!つーことは!!
そして次に現れる山王工業のメンバー!!!!
公開直後ですから劇場は当然ほぼ満員でしたが、もしひとりだったら手を叩いて足を踏みならして叫んでいましたね。
その先、ラストまで120分間、ずーーーーーーっっっっと泣いていました。原作のあのシーンで泣き、あのセリフで号泣し、あの名場面で嗚咽していました。マスクぐちゃぐちゃ。


映画版として新たに追加された要素は、リョータが主人公だということ。これが必要だったのかは分かりません。ただ、もしこのエピソードが原作にあって(『ピアス』という番外編は読んでいないのでどれくらいリンクしているのか分かりません)、映画版で再生されていたら喜んでいたでしょう。なのでOK。


その分、他のメンバーのエピソードや個性は薄まっちゃいましたね。三井の「バスケがしたいです…」はなかったし、流川はもともと無口なのもあってプレイのみの存在でした。
魚住が赤木に対して「泥にまみれろよ」と言ったシーンはほしかったなー。ダメ先輩の悪魔の囁きではなく。ここがないと「河田に勝つのではなく湘北が勝つのだ」に意識が切り替わるのが分かりにくいもの。
晴子さんはモブ扱いになり、「好きです。今度はウソじゃないっす」のやり取りなし。リョータと彩子の関係性も含め、本作では恋愛要素は完全にカットしていましたね。これはよい。
同じく、ギャグ要素もほぼゼロですね。ストイックにバスケシーンのみ(プラスリョータ)。


原作をまったく知らない人が見たら、キャラの性格や関係性は理解できたでしょうか。ラストの桜木と流川のハイタッチの意味をどれだけ感動できたでしょうか。


もし私がプロデューサーだったら、もう少し分かりやすくするなー。
全国大会行きが決まって合宿へ。そこでキャラや関係性を描き、1回戦はダイジェストでいいのでさらっと描く。山王戦前に山王の選手のキャラやどれだけ強いかを紹介する。で、後半は山王戦に全振り。
ここまで前振りしておけば、一見さんにも分かりやすいし、ラストのカタルシスへの布石になる。


と、私がそんなことを言っても仕方ない。本作はこの世界の創造主が作ったお話なのだから。


さて、本作の評価ですが、難しい。
確かに私はずーっと泣いていたのですが、それは原作のあのシーンの数々が目の前で動いているからです。原作の感動的な名場面を知っているから、それを再現してもらって感動しているのです。
それって、映画そのものの評価とは別ものですよね。
そう思うと、新要素であるリョータ物語を良しとするかどうかというところに評価の軸が置かれるわけです。
となると、ちょっと評価は下がるかなー。その分他のキャラを描かなかったわけで、「皆さんご存じの」で登場させるのは少し不親切かなーと思うのです。


原作ファンは当然見に行くべきだし(アニメファンは分からん)、原作を知らない人も見に行ってほしい。そしてどう感じたか教えてほしい。
私は大感動しっぱなしだったけど、映画の評価としてはどう考えればよいのか分からない。今年の作品第何位に入れればよいのか分からない。
でも、ずーーーーーーっっっっと泣いていました。