ライブでMCはしないがすべて背中で語っている
岡村靖幸のライブに行ってきました。
毎回感動と興奮のある岡村ちゃんライブですが、今回はそれに加えてしみじみとした感動がありました。
まず登場してきたとき、岡村ちゃん細くなってる!ということにびっくり。完全に若い頃に戻ったじゃん。以前は頑なにジャケットを脱ぐことはなかったのに、今回はシャツ1枚の時間が長かったですね。脱げる身体になっているという証。
それに加えて2時間半のライブ中、ずっと声が出ていてそれも感動しました。ダンスはおとなしめになっていましたが、還暦なのでそれは仕方ない。つーか、還暦であれだけ踊ってくるっとターンしてなんてできる方が異常。私はできないですもん。
という素晴らしいライブを見ながら、私はいろいろなことを思い出し、思い返す。
90年代半ば、活動が停滞していき、歌詞は未完成だったり悩みがにじむ内容になっていたりしました。ビジュアルの変化もこの頃から。
2000年代、度重なる逮捕で活動再開は完全に諦めていました。社会的にも許されないだろうし、曲もパフォーマンスも満足できるものはもう作れないだろうと。
2011年の復活時、私は初日のライブに駆けつけました。そこには確かに生の岡村靖幸がいました。「生きていてくれてありがとう」「また歌ってくれてありがとう」。
正直、ライブ時間は短いし声も動きも完璧という状態ではなく、重そうな身体をスーツに包み、必死に歌って踊るミュージシャンがそこにいました。でも、そのときはそれで十分満足で十分感動していました。
それから数年経ち、継続的なライブ活動と、ついに発表された新曲、そしてアルバム。この頃からライブでは笑顔も見えるようになり、お客である私も変な緊張感を持つことなく純粋に楽しめるようになりました。
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↑当時のことはこちらにも書いてあります。
そして現在。還暦になった岡村ちゃんは軽やかにステップを踏み、楽しそうにターンを決める。一生懸命にやっているのはずっと変わらないけど、必死さや悲壮感を感じることはなくなりました。
ああ、こんな未来があるとは。30代の岡村靖幸より60代の岡村靖幸の方がいいパフォーマンスをするなんて。各所から楽曲提供のオファーを受け、それにふさわしいクオリティの楽曲を生み出すなんて。そして何より、素晴らしいライブを重ね、現役として第一線の活躍をしているなんて。
声も体型も戻り、過去のあれこれは現在のパフォーマンスですべて打消し、塗り替えていきました。
人間は何歳からでも変われる。何歳からでも成長できる。周囲からの評価は実績の積み重ねで変えていける。こんな教訓めいたことを、岡村ちゃんは何も言わず楽曲とパフォーマンスで証明してくれました。
しかもそれは「頑張ったからすごい」のではなく、「素晴らしい楽曲と素晴らしいライブパフォーマンスだからすごい」のです。復活したとて、曲がよくない・声も出ないじゃファンは付いていきません。クオリティを伴って初めて説得力を持つのです。
ライブを見ている最中のほとんどの瞬間は岡村ちゃんに夢中ですが、途中ふとこんなことを思いながら見ていました。目の前の最高のパフォーマンスと、これまでの経緯と積み重ねを思い起こし、何度も涙腺が緩んで困っちゃった。
岡村ちゃん、あなたは本当に(E)na!




