やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

ぼくとマボロシ

先日の『人間交差点フェス2017』で8年ぶりの復活を遂げたMummy-Dとセクシー(竹内朋康)のユニット、マボロシ。彼らが活動していたときに私はブログをやっていなかったので、この機会に書いておく。


私は、RHYMESTERは『ウワサの伴奏』が最初の出会いで、それ以降のアルバムはリアルタイムで聴いていました。そしてセクシーが在籍していたSUPER BUTTER DOGも並行して聴いていました。
そんな二人が組んで一緒に音楽を作る。ロックもファンクもヒップホップも好きな私にとっては「私のために!」と思うようなドンピシャのユニットです。


そして届いた1stアルバム『ワルダクミ』。当初は『マボロシのアルバム』というタイトルにする案もあったそうですが、ややこしくなるのでボツになったそうです。面白いけど、確かにややこしくなるな。
『SLOW DOWN』『THEワルダクミ』というシングルはもちろん素晴らしいし、コラボ・フィーチャリング満載でとても豪華な出来。しかし、『マボロシの間~其の壱~』『抜き足差し足』『おっとマボロシ』『マボロシの間~其の弐~』『泥棒~GO!SEXY~』など、インタールードや中途半端な曲(まだ1曲として完成してないよ!という段階に聞こえる)が多く、15曲も入っているとは思えない、実は豪華さをあまり感じられない1stでした。
まあ、これも今になって冷静に振り返って思うことなので、当時は「私の望む音楽はこれだ!」と思っていました。
www.youtube.com
www.nicovideo.jp


その後、RHYMESTER日本武道館のライブをもって一時活動休止。あー、なぜこのライブに私は行かなかったのだ!アホ!バカ!
で、2007年に2nd『ラブシック』発売。
前作に引き続き「モテたい」「モテてる」という曲が多い。『ダンジョン』なんてキャバクラの歌だし『WORK 2 DO』はオンナイトラブの翌朝の歌だし。
このアルバムはどの曲も完成度が高く、名盤です。ジャケットの二人の頭には天使の輪があるのでこのアルバムで終わりかーと思っていました。
www.youtube.com
www.youtube.com


しかし1年半後の2009年、3rdアルバム『マボロシのシ』発売。新しいアルバムが出てうれしい!
前作も名盤でしたが、今作は過去2作を大きく引き離すド名盤!フィーチャリングミュージシャンに椎名林檎さかいゆうクリスタルケイといったヒップホップ畑ではない人を起用したのも上手くはまりました。このユニットの武器「ヒップホップビートの上にファンクギターが乗ってそのうえでラップする」というロック・ファンク・ヒップホップの融合に、ポップスまで加わりました。大正解!


前作から今作の間にふたりとも結婚したのもあり、これまでの「モテたいぜソング」から『記念日』『なんとかなんのさ』『今宵の晩ごはん』といった結婚・新婚をイメージさせる曲が増えたのも今作の特徴です。
そして、前述のとおりポップス畑のフィーチャリングのおかげもあるのか、Dさんも歌っている!もちろんポップスのようなメロディを朗々と歌う歌唱ではなくメロディアスなラップという範疇ですが、それでもここまでの踏み込みは大きい。今作の最終曲『ヒーロー』はラップとメロディが上手く融合された曲です。Dragon Ashの『ビバラレボリューション』とかRIP SLYMEの『ONE』みたいなイメージ。
いやー、名盤だ。1stの頃からずっと「これが私の求めてきた音楽だ!」が更新されていきます。
(このアルバムの動画、全然なくて貼れない)


で、マボロシの活動はこのアルバムで終わりだと。そして、ツアーがあると。ほうほう。行ったことないけど行ってみようかな。
行ったのは最終公演の赤坂BLITZ。最終日ということでこれまでのアルバムに参加してくれたミュージシャンがほぼ総登場!めっちゃ豪華!


アンコールでメンバーはナース服で登場。ナースということは当然あの人のことを期待するわけです。しかしDさんは「みんなも期待していると思うけど、残念ながらあの人は来れなくて、だから俺たちが代わりにこんな格好しているんだ。大阪公演のときもそうだったけど、この曲では女子が頑張って歌ってくれよな」と言うわけです。こんな言い方だと本当に来ない(実際大阪公演は来なかった)と思うじゃないですか。
www.nicovideo.jp
しかし、来たのです!私はほぼ中央でライブを見ていたのですが、下手から林檎さんが登場した瞬間、民族大移動が起きましたね。私たちは液体状になって下手に雪崩れ込みましたね。
このフリは上手いなあー。来ると期待させておいて、ああ来ないのか、仕方ないなと思わせて、来る!
曲終わりでDさんは「俺、このライブ2時間以上頑張ってきたのに、誰も俺を見てないんだもんなー」と拗ねておりました。それほどのカリスマ性がありましたよ、林檎嬢は。
その後椎名林檎さんのアルバムにもDさんは参加。しかも2曲も。しかもアルバム1曲目の冒頭、主役の林檎さんよりも先にDさんの声が聞こえるという大抜擢振り!林檎さん、ありがとう!
www.youtube.com
そしてライブの本当のラストの曲の前に「これやったら終わっちゃうんだよなー。やりたくねーなー、終わりたくねーなー」とごねるDさん。同じ気持ちです!というわけで『HARDCORE HIPHOPS TAR』で大団円。最高のライブでした。


このときのライブの熱さ楽しさと、RHYMESTER復活一発目の『マニフェスト』の良さで、それ以降毎回RHYMESTERのライブに行くようになりました。そういう意味でもあの日のマボロシのライブは私にとって重要でした。


で、こんなに絶賛したマボロシのアルバムですが、今聴いてみてももちろんどれも名盤ですが、それでも「Dさん今の方がラップ上手くなってる!」ということにも気づくのです。過去作が駄作ということではなく、名作を経て今の方がいいなんて最高のキャリアの築き方じゃないですか。しかもラップというフィジカルな表現形態において今なおスキルが進化。いい話だ。


以上で私のマボロシ遍歴のお話はおしまい。『人間交差点フェス』でも「またどこかで」とDさんは言っていたので復活の可能性もありますが、当面は予定なし。残念だけどそろそろRHYMESTER本体のアルバムも形になりそうなので、そちらを待つことにしましょう。こちらも楽しみ!


ワルダクミ

ワルダクミ

ラブシック

ラブシック

マボロシのシ

マボロシのシ