やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

書籍

『KING OF STAGE ~ライムスターのライブ哲学~』 感想

なぜ東京ドーム満員にならないのか不思議だ RHYMESTERは2019年に結成30周年を迎え47都道府県ツアーを行い、そのときにぴあアプリでツアーやライブの心得を語る連載がありました。それをまとめ、さらに追加で新規のインタビューや対談を追加したのが本作。 連…

橘玲『上級国民/下級国民』 感想(その2)

男の嫉妬は醜い 前半の引用まとめ・感想はこちら↓ ese.hatenablog.com 後半は世界の話。 ④リベラル化する世界 紀元前1万年前に起きた「農業革命」は、人類にとって「人口爆発」という大きな変化をもたらし、18世紀の「産業革命」は「ゆたかさの爆発」を引き…

橘玲『上級国民/下級国民』 感想(その1)

結論。団塊の世代がいちばん悪い 橘玲さんといえば『言ってはいけない』が大ベストセラーで私も読んで衝撃を受けました。続編『もっと言ってはいけない』も読みましたが、こちらはまあまあ。どちらも『生まれた時点で既に人は違いがある』というDNA最強論で…

恩田陸『蜜蜂と遠雷』を読んで思ったあれこれ

論ではなく、ツイートまとめ 恩田陸『蜜蜂と遠雷』を読みました。 私は原作より先に映画を見まして、映画版は素晴らしかった! ese.hatenablog.com 原作も読んでみたいなと思いつつ、文庫版上下巻というボリュームに尻込み。しかし、これをどうやって2時間に…

伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』とその他の話

映画と原作と『ラブアクチュアリー』 映画『アイネクライネナハトムジーク』がとても素晴らしく、これは原作も読みたいと思い、昨日買ってきて今日読み終えて今ブログ書いている。普段ものぐさなくせにこういうときだけ行動が早い。 映画の感想はこちら。 es…

最近読んだ本一言感想(2018年12月)

記録として 本はちょいちょい読んでいるのですが、読書感想としてブログを書くのは難しい。引用で本文を書き写すのは面倒だしテーマについてそこそこの分量で書くのは難しい。 でも、書かないとすべて忘れるので、記憶のあるうちに一言でも書いておこう。 東…

瀧本哲史『ミライの授業』 感想

いつだってミライは新しい 『ミライの授業』を読みました。これは14歳を想定読者として書かれています。なので難しい漢字にはルビが振られており、文章はとても噛み砕かれ分かりやすい表現になっています。 そして肝心の内容は、子供にも大人にも刺さる超良…

スティーヴン・ウィット『誰が音楽をタダにした?』 感想

諸行無常の響きあり 『誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち』を読みました。 私は違法海賊サイトは使わないしそもそもネット経由で音楽を入手しない古い人間なのですが、現在の音楽産業がCDではなくネット経由(ダウンロードにしろストリーミ…

深水黎一郎「最後のトリック」 感想

それでも僕はやってない (ネタバレあります) 深水黎一郎著『最後のトリック』を読みました。 「読者が犯人」という不可能トリックに挑んだ本作。それも「読者の一部ではなく、読んだ人全員が『自分が犯人』となる」「発売当時だけでなく、いつでも成立する…

柴那典「ヒットの崩壊」 感想(その4)

これでおしまい 自分でもびっくりですが、4回にわたるエントリになってしまいました。これで本当に終わります。 過去エントリ↓ ese.hatenablog.com ese.hatenablog.com ese.hatenablog.com 最終章「第六章:音楽の未来、ヒットの未来」について。 「音楽は『…

柴那典「ヒットの崩壊」 感想(その3)

完結しなかった! 柴那典「ヒットの崩壊」の内容について私が考えていることを書くエントリ。 過去エントリ↓ ese.hatenablog.com ese.hatenablog.com 3回目は「第五章:J-POPの可能性-輸入から輸出へ」について。 本書で「洋楽コンプレックスがなくなった」…

柴那典「ヒットの崩壊」 感想(その2)

「種まき」と「手段と目的の変化」について 柴那典「ヒットの崩壊」の感想(というか本書に書いてあることについての私の意見)の続き。 前回のエントリ↓ ese.hatenablog.com 今回は「第三章:変わるテレビと音楽の関係」「第四章:ライブ市場は拡大を続ける…

柴那典「ヒットの崩壊」 感想(その1)

そして私の思うこと 柴那典さんの「ヒットの崩壊」を読みまして、とても面白かったので感想を書きます。しかし、この本が取り上げるテーマは普段私が考えていることでもあり、1回では収まらないので何回かに分けて書きます。今回は「第一章:ヒットなき時代…

最近読んだ本一言感想

ほぼ忘れているので「この本読んだぜ」という記録として 本は、ほとんど高速バスの移動中に読んでいます。家で読むとすぐ眠くなってしまうし家にいるなら予約したテレビ番組を消化しなければと思ってしまうので、結果読むのは移動中(パソコンやテレビのない…

藤井健太郎「悪意とこだわりの演出術」 感想

今、一番面白い番組は「水曜日のダウンタウン」です。これは間違いない。私の見ている番組の中で、頭一つ抜きんでている。面白い。 この番組を作っている藤井健太郎さんは、「クイズ☆タレント名鑑」「テベ・コンヒーロ」を作ってきた人です。特番・単発だと…

増井修「ロッキング・オン天国」 感想

ボンベイロール、シャークサンドウィッチ、パールネックレス 大学に入るまで洋楽はほとんど聴いてきませんでした。大学で音楽サークルに入り、ようやく自主的に洋楽を聴きだした遅咲き野郎です。 当時はハードロックブームの終わりころで、音楽雑誌といえば…

戸部田誠「1989年のテレビっ子」 感想

歴史書でありアベンジャーズ てれびのスキマさん、好きなんです。素人時代のブログからずっと読んでいました。プロのライターになってからもなるたけ記事や本は追っているのですが、量が多くて追い付かない!どれだけテレビ見て本読んで原稿書いているんだ。…

若林正恭「社会人大学人見知り学部卒業見込(完全版)」 感想

ぼくの本、きみの本 オードリー若林さんが雑誌「ダ・ヴィンチ」に連載しているエッセイをまとめた本。単行本未収録分を大幅に追加して「完全版」という形で文庫化されました。 本の感想を書く際は面白かったところや要点の部分を引用してそれについて思った…

みうらじゅん「正しい保健体育」 感想

本当の童貞は読んではいけない MJとは、誰の略称でしょう。一般的にはマイケル・ジャクソンですが、サブカル村ではみうらじゅんのことを指します。みうらじゅんさんはマンガ、小説、エッセイ、コラム、いやげもの、仏像、シンガーソングライター、エロ写真ス…

國分功一郎「来るべき民主主義」 感想

「国は官僚が動かしている」ということの意味 國分功一郎氏の著書は、以前「暇と退屈の倫理学」を読んだことがあります。哲学を、私たちにも分かるように噛み砕いて解説してくれる内容でしたが、それでもやはり哲学書なので、普段使わない頭の部分を使いなが…

中嶋聡「『心の傷』は言ったもん勝ち」 感想

印税不払い運動を起こそう 「傷ついた」が絶対の武器になり、反論を許さない。「鬱です」と言ってしまえば認めざるをえない。そんな「葵の御紋」に対して私は疑問を抱いていたのでこの本を買ったのですが、そういう内容もありつつ、それ以上にとってもひどい…

出雲充「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」 感想

マジで世界を救うよ ユーグレナという会社、ご存知ですか?ミドリムシを作っている会社です。ユーグレナとはミドリムシの学名です。 私はこの会社がマザーズに上場するあたりから注目し始め、この本もその頃買っていたのに(2012年の初版を持っている)今ま…

戸部田誠「コントに捧げた内村光良の怒り」 感想

RGが「リアルゲイ」の略称だということを忘れていた 戸部田誠さんの新刊「コントに捧げた内村光良の怒り」を読みました。 戸部田さんの本は「有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか」に続く2冊目。 感想エントリ↓「有吉弘行のツイッター…

岩月謙司「なぜ男は『女はバカ』と思ってしまうのか」 感想

いろいろ分かった。なぜモテないかも分かった。 男と女。世の中にはこの2種類しかいないのに、いつまでたってもお互いのことが分からない。だから彼氏彼女はできないし、付き合っても別れてしまう。 著者は大学教授なので、男性も女性も平等に扱います。どち…

「暇と退屈の倫理学」 國分功一郎 感想

哲学書です。かなりマイルドに噛み砕かれているとはいえ、哲学書です。ややこしいです。でも、猛烈に面白かった。普段使っていない頭の部分を使っているような感じがしました。 パスカルは言う。 人間の不幸などというものは、どれも人間が部屋にじっとして…

平田オリザ「わかりあえないことから」 感想

平田オリザさん。お名前は知っていますが、氏の演劇は見たことはありません。最近はももクロの映画「幕が上がる」の原作者としても世間に名前が出ていましたが、映画も見ていません。 コミュニケーションについて書かれた本書ですが、それだけではなく、演劇…

「誰がJ-POPを救えるか?」 麻生香太郎 感想

オジサンの愛ある叫びを聞いてくれ 麻生香太郎氏は、雑誌「日経エンタテイメント!」立ち上げに関わった人で、日本のエンタメ全般(音楽・芸能)に詳しいマスコミの人です。 そんな氏がこんな刺激的なタイトルの本を出す。これは彼なりの危機感を表明したも…

荒木飛呂彦「荒木飛呂彦の漫画術」 感想

あらゆるエンタメにつながる王道の道 漫画は読んではいますが、昔に比べればだいぶ本数は減りました。 荒木飛呂彦先生といえば「ジョジョの奇妙な冒険」ですが、私は第6部「ストーン・オーシャン」の途中で脱落。 でも、荒木先生のことは好きなんです。「魔…

「ニッポンの音楽」 佐々木敦 を読んで自分なりの「物語=歴史」を考えてみる

佐々木敦著「ニッポンの音楽」を読みました。帯には Jポップ誕生「以前」と「以後」の45年を通覧する 主人公の「物語=歴史」でディケイド(10年間)を解き明かす! とあります。4章に分かれていて、ぞれぞれ「70年代:はっぴいえんど」「80年代:YMO」「90…

森博嗣「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか」 感想

大喜利的思考法 森博嗣さんの「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか」を読みました。タイトル長いな。 森博嗣さんといえば「すべてはFになる」などで有名な作家ですが、私、森さんの著書を読んだことがありません。 本作は「物事を抽象的…