やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

2023年、私の映画ベスト10

面白がれる才能不足


今年映画館で見た作品は34本。去年より10本くらい増えました。コロナのあれこれが明けたので、ようやく劇場も映画界も通常営業が戻ってきたようです。
でも、年末に見たい作品がない。「愛にイナズマ」はあっという間に公開期間が終わって見ることができず(ムビチケ買っていたのに!)、「市子」は私も最寄りの劇場では公開していない。選択肢の多い都会はいいなーと改めて思うぜ。


今年は例年以上に「評価は高いが自分はその良さを分からなかった」が多かった1年でした。理解力も感受性も年々衰えているんだろうなー。というわけで、「ベタでも面白かった!」が上位にくる順位になっています。
それでは、私の映画ベスト10です。


10位 春に散る

ボクシング映画に外れなし。物語としてはいろいろツッコミどころもあるのですが、横浜流星のギラギラ感と佐藤浩市の程よい枯れ感により面白く見ることができました。


9位 月

かわいそうとか自分に関係ない話とか、部外者として見ることを許さない作品。あなたはどう思う?あなただってそう思うだろ?建前はいいんだ、本音はどうなんだ?
うるさい。大人は建前で生きるのだ。それが社会で生きるということなのだ。子供の屁理屈に付き合う必要なんてないのだ。
でも、でもやっぱり重く突きつけられる作品でした。


8位 BAD LANDS

犯罪者が主人公なのでなかなか感情移入しにくい作りですが、安藤サクラ力(りょく)によりその辺のもやもやもアリにしてくれています。原田眞人監督作品の「クセ」によりリアリティ・ラインが絶妙に下がっているのもプラスに働いています。
そして、こういう作品なのにハッピーエンド(あくまで作品終わりの瞬間は)で終わったのもとてもよかった。無事逃げ切れ!


7位 怪物

怪物だーれだ。見る人により真実は変わる。確実な正解なんてないし純粋な悪い人なんていない。Twitterでは単純な善悪二元論で語る人が多いですが、世の中も人間もそんな単純ではない。是枝監督はずーとそういうことを描いてきたし、何が家族を家族たらしめているのかということを描いてきました。
安藤サクラの母親はいい人だけではないし、永山瑛太の先生は悪いだけでない。子供は純粋な善ではないしピュアだけではない。子供だって親に言えないことはあるし自分を守るためにウソをつくこともある。
そういう重層的で勧善懲悪ではない話を、「面白い映画」として描いてくれた是枝監督は素晴らしい。


6位 ミッション・インポッシブル:デッド・レコニングpart1

ハリウッドの底力。トム映画の極北。お話は何も進んでいないしストーリーが面白いわけではないけどアクションがずーっと面白いので面白いという極端な力業の作品です。それでも、面白かったのだから仕方ない。
それにしても、「トップガン・マーベリック」はあんなにヒットしたのに本作はイマイチだったのは何が違うんだろ。作品のブランド力はどちらもあるし、どちらもトム映画なのに。本作は世界でもまあまあヒットしたけど制作費がかかりすぎていてトータルでは赤字らしい。ハリウッド映画はやはりギャンブルだなー。ストがなくてトムがプロモーションに来日していたらもう少し上乗せできたのかな?
さらにpart2もストの影響でこれから撮影らしいです。ちょっと心配な雲行きですが、トムの力業により大ヒットになってほしいです。


5位 スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

前作は「誰でもヒーローになれる」という「スター・ウォーズ」などに代表される血筋の話を否定する現代らしいお話でした。そしてスパイダーマンなので「大いなる力には大いなる責任が伴う」ということも描いていました。
で、本作ではこの「運命を受け入れろ」というスパイダーマンの運命を、「自分の運命は自分で決める」というお話で描いていました。
めちゃめちゃいいところで「次回に続く」になってしまったので、続きが早く見たいよー。これもストの影響で公開日はまだ決まっていません。サブタイトルが「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」、つまりスパイダーバースを超えろ!ということ。楽しみです!


4位 BLUE GIANT
bluegiant-movie.jp
原作未読で何も情報のないまま見に行ったのですが、めちゃめちゃ面白かった!
お話はベタだしありえない展開もありますが、主人公の前向きさと熱さでアリにしてくれています。演奏シーンはモーションキャプチャーを使っているのでしょうが、技術的に上手くなく、作画崩壊に見える場面もありました。でも、演奏の熱さでその違和感を薄めてくれました(ゼロにはならない)。
後半の展開は、そりゃ泣くって。
本作はジャズバンドなので、一生同じメンツでやっていくぜというロックバンドの青春性ではなく、それぞれが今のバンドを踏み台にしてステップアップしていくというのが前提なので、その辺の儚さもいい。
いい作品を教えてくれて、Twitterのみんな、ありがとう!


3位 最後まで行く

エンタテイメントとしてとても面白かったです。完全にマンガ。それも「魁!!男塾」レベルのリアリティ・ライン。だからこそ、次々に起こるイベントを楽しむことができました。ラストは「トムとジェリー」ですもんね。
面白いは正義。


2位 ジョン・ウィック:コンセクエンス

「ミッション・インポッシブル」とは別のベクトルでのアクション映画の極北。過剰であることが面白さにつながっていくとは。どんだけ戦い続けるんだ、どんだけ車に撥ねられるんだ、どんだけ階段から落ちるんだ、どんだけ撃たれても大丈夫なあのスーツは何なんだ。
リアリティ・ラインは低いけど、絵面や世界観がきちんと作り込まれているのでとても面白く見ることができました。
個人的にはこれでおしまいでいいんだけど、ジョン・ウィックの世界はまだまだ広がるんだよねー。


1位 ゴジラ-1.0

これもエンタメ超大作としてとても面白かった。繰り返すけど、面白いは正義。
評論家は絶対にこの作品を1位に選ばないけど、私は面白かったのだからそれでいいのだ。だって私のランキングだもの。


というわけで、私のベスト10でした。
その他、「ザ・フラッシュ」「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3」「フェイブルマンズ」なども面白かったです。
合わなかったのは「リボルバー・リリー」「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」「アントマンアンドワスプ:クアントマニア」「クリード3」など。本当に面白くなかったのと、私が分からなかったのと、両方があります。


2024年も楽しみですが、作品がない。公開予定作品を見ても、見たい作品がない。皆さん、オススメの作品があったら教えてくださいね。年齢を重ねてどんどん興味の幅が狭くなっている私に、新たな刺激を与えてください。
それでは、来年もよいお年を。