やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

ぼくのかんがえたさいきょうの「クリード3」

ハリウッドからのオファー待ってます


映画「クリード3 過去の逆襲」を見ました。

過去作レビュー↓
ese.hatenablog.com
ese.hatenablog.com
過去記事からも分かるように、どうも私はこの作品と相性が悪い。本作もイマイチ乗れませんでした。


「勝つこと」にロジックがほしいのです。そして、戦った後には戦う前からの変化がほしいのです。それが、何となく勝つし何となく水に流そうみたいに終わる。だからカタルシスがない。


と「あそこがもっとこうだったらいいのになー」と考えていたらムクムクと二次創作意欲が湧いてきた。
そこで、「ぼくのかんがえたさいきょうの『クリード3』」を公開します。本作の流れはそのままに、もっとこうだったら面白くなるのでは、という独りよがりの展開を考えました。
これをライアン・クーグラーが撮ればもっと面白い作品になったぞ。


●オープニング(過去パート)
・幼少期から一緒にボクシングを学ぶアドニスとデイム。そこで指導者より「ボクシングは暴力ではない」「ボクシングは技術と集中と制御」「ワンツーのジャブが基本」等、いい言葉を与えられる。
…物語全体のフリ
・当初はデイムもその教えを守っていたが、ある試合で劣勢に立ったとき、偶然のバッティングで勝利をつかむ。それ以降、勝利優先の考えになっていく。
アドニスはデイムに対して憧れを持っているが、クリーンなファイトを望んでいる。でも言えない。
…二人の関係性と気持ちを描く


●引退時~現在
アドニスはインタビューや講演などで、「ボクシングは暴力ではない」「ボクシングは技術と集中と制御」の発言を度々する。
アドニスのボクシングに対する基本姿勢を示す
・デイム登場。最初は腰が低い。なのでアドニスは邪険にできない。最初は仲がいい。


●昔の指導者との再会(私の勝手な追加要素)
アドニスとデイムが街に繰り出しているとき、少年時代の指導者に偶然再会する。
・彼は過去に誰かに騙され、現在は貧しい暮らしをしている。しかし彼は清く正しく生きているので今の生活に満足している。
・「なぜそのときにそいつをぶちのめさなかったのか」と問うデイム。「ボクシングは暴力ではないから」と答える彼。
・彼と別れて、考えるアドニス。「負けたら意味ない。やり返さなきゃ」と言うデイム。それには答えないアドニス
…勝つこと、正しいこと、どちらが大切なのか?


●関係性の悪化
・デイムデビュー。毎回ラフプレーはあるが偶然かもしれないため注意するほどではない。アドニスはもやもやが募るが言い出せない。周りにいろいろ言われるがデイムをかばうアドニス
…徐々に取り込まれるアドニス
・数回勝ち、マスコミにも取り上げられる選手になる。このときは「アドニスと幼馴染」といういい評判。
・しかし、ラフプレーが目立つようになり「デイムは本物か?」「アドニスはなぜ注意しない」「アドニスとの過去に何が」等憶測めいた報道が出る。
アドニスは注意するがデイムは聞き入れない。このときに過去の思いをぶつけるが、「お前のせいで刑務所に入ることになった」「お前は恵まれている。俺には勝つしか道はない」と言われ反論できないアドニス。結果、ジムを出るデイム。
…亀裂その1
・荒っぽい言動だが、支持も集めるデイム。アドニスとの関係性もあり、対決を煽るマスコミ。
・タイトルマッチ。アドニスのジムからはクリーンが売りの選手。それに対しラフプレーで勝利するデイム。
…やはりクリーンなだけでは勝てないのか?
・デイムのインタビューで「勝てば官軍」「アドニスは甘っちょろい」「ジャブよりフックの方が盛り上がるだろ」等の発言が出て、アドニスは腹を固める。
…亀裂その2(決定的)


●娘との関係(並行して描く)
・娘はゲームなどでズルして勝負に勝つことがある。諭してもあまり響かない。
・友達にからかわれ、つい手を出してしまい学校から連絡が来る。注意しても「私は悪くない」と聞かない娘。「ボクシングは暴力ではない」と伝えても、素直に受け入れられない娘。
・父と娘の関係性は少し悪くなる。父のタイトルマッチに対しても「頑張って」と素直に言えない娘。「負けたら意味ないんじゃない?」「いや、正しいことをして、勝つんだ」
…娘との関係性を通じて、物語全体のテーマをここでも念押ししておく


●最終決戦
・デイム対策として、こちらもある程度のラフプレーは仕方ないのではという周囲の意見に「ノー」と反対するアドニス。「ボクシングは暴力ではない。ボクシングは技術と集中と制御だ」と自分のポリシーを貫くアドニス
・トレーニングのシーンでも、基本に忠実な動きやワンツーを繰り返す姿を何度か入れる。
・序盤、デイムのラフプレーに劣勢を強いられるアドニス
…勝つためのロジックとしてのフリ
・負けそうになり、とどめのラフプレーを寸でのところで躱すアドニス。驚くデイムに対し「ボクシングは技術と集中と制御だ」と言うアドニス
・それ以降、ラフプレーをしても躱され、基本のワンツーを的確に決められ逆に劣勢になるデイム。
…勝つロジックが効いてくる
・終盤で過去を思い出し、デイムも基本のプレーに立ち戻る。その結果、両者互角の戦いになる。
…敵の改心
・一人で戦ってきたデイム。ボクシング界を代表するアドニス。「あいつのせいで。自分は悪くない」と思っているデイムだが、刑務所内で騒ぎを起こし刑期が延びたのは自分のせい。対するアドニスは、娘に対し「自分は正しく生きる」ことを貫く姿勢を見せる決意。
…お互いの勝つための理由。しかしアドニス側に理がある。
・クロスカウンターで倒れる両者。娘の「パパ立って」の声で立ち上がるアドニスアドニスの勝利。
…ロジックを超えた感情の部分
・リング上で抱き合うアドニスとデイム。「○○(昔の指導者)の声がしたよ」とアドニスに伝えるデイム。


●エンディング
・学校で友人にからかわれてもさりげなく言い返すだけで相手にしない娘。思わず手を出す相手に対し、かわしてワンツーを寸止めする娘。「正しくやろうぜ」。
・娘とともにテレビを見るアドニス。テレビには再びチャンピオンになったデイムが映っている。このとき、デイムは改心しクリーンファイトで名声を得ている。
・インタビューに応じるデイム。「ボクシングは暴力ではない」「過去の自分は間違っていた」「でもやり直すことはできる」。それを見ながら、娘とともに幸せそうな笑顔を浮かべるアドニス


いかがでしょうか。勝手に考えるのは簡単。形にするのは大変。でも、考えるのは自由だ。