やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

岡村靖幸 2017 SPRINGツアー『ROMANCE』金沢公演に行ってきました! 感想(その2)

エロス不足


前回のお話↓
ese.hatenablog.com
カーテンが引かれ第一部終了。続きがあることは分かっていますが手拍子は途切れさせないぜ。
で、この日はここで「アンコール!アンコール!」という発声があったのです。そもそもこのタイミングは第一部終了の「幕間」であって本編終了ではないので「アンコール」ではないのですが、そうでなくても「アンコール!」という発声にびっくりしました。もうこの掛け声って絶滅したと思っていたのに!


そんなことを考えている間に第二部開始。
聞こえてきた曲は、知らない曲だ!
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大江千里『MAN ON THE EARTH』でした!私はこの曲は知らなくて「ミスチル桜井さんっぽいメロディだな」と思いながら聴いていました。当たらずとも遠からじ、でいいですか?美メロですな。リズムもいい。
あとね、この曲ではアイドルみたいに左右にステップ踏みながら歌っていたのですが、それがかわいかった!聖子ちゃんか!


続いて『いじわる』。またイントロでは何の曲か分からない私。
エロス担当の曲ですが、今回のライブはこの曲に限らずエロス成分が少ない!というか皆無でした。カワイイ成分は多めでしたが、エロスも欲しいのだ!エロスを欲しているのだ、私は。


そして『ペンション』!おおお!これはレアだ。『カルアミルク』『イケナイコトカイ』『Lion Heart』は歌ってくれるし『友人のふり』は弾き語りで歌ってくれる(半分以上私たちに丸投げですが)。しかしこの曲は歌ってくれないのです。それが聴けた。うれしい!もちろん声もバッチリ。


ここでまた岡村ちゃんお休み。早くない?
2回目の白石さんタイムは最近おなじみのグッズの紹介。これ、大事なのは分かるけど、あからさま過ぎて冷めるんだよなー。昔みたいにオモシロトークだけでいいんだけど。
白石さん「あと1曲なんです」お客「やだー」白石さん「無慈悲な岡村さん、どうですか?」お客さん「カッコいい!」白石さん「横倉さん、困りました」よこりん「そこでカッコいいと言われるとこのくだりがグダグダになるんで空気読んでほしいんですけど」確かに!


で、白石さんタイムがあるということはこの次が本編ラストで、その曲は『SUPER GIRL』なわけです。ここも変わらないのね。
側転も華麗に披露。今回は私の見る位置が遠かったせいもあるのか、いつもの「どっせーい!」という感じ、もしくは森光子『放浪記』のでんぐり返し感がなく、スマートに回転してくれました。


さあ、ここは本当のアンコール待ち。ここでも「アンコール!」出た!なぜだ。
そして、ここでは毎回弾き語りは上手下手どっちかなーと予想するのが楽しいのです。今回はさすがに初日だから基本の上手側かなー、なんて思っていたらキーボードのセッティングもなくカーテンオープン。
ええ、弾き語りないの?と思っていたらセンターにアコギが。そう、今回はアコギでの弾き語りなのです。
岡村ちゃんはロングコート。背が高いっていいなーといつも思う。
弾き語りの内容は、



でした。自分で覚えていないので他力本願。正直、あまり面白くないぞ!他の公演に期待。
あとね、弾き語りはキーボードの方が自由度があるのでキーボードの方がいいと思うの。
そしてその後『家庭教師』をちょびっとだけ歌ってガーシュインの『サマータイム』へ。
www.youtube.com
この曲、知っているけど何となく聴いたことある程度で、オリジナルをちゃんと知らないなー。どの動画を貼ればいいのか分からない。もっとふさわしいバージョンがあったら教えてください。


このまま『ちぎれた夜』。おお、この曲地味ですが佳曲なので好き。「花の名前」「おじいさん」「同じ証」は何の比喩表現なんだろう。


アコギを置いて立ち上がる岡村ちゃん。さあ、本当にラストです。『Out of Blue』以外で何で締めるのかしら。ドキドキ。
聞こえてきたギターのカッティングは『愛はおしゃれじゃない』!!!おおお、これか!確かにラストの盛り上がりと終わってしまう寂しさの両方を兼ね備えた曲だ。正解だ!
と感動ウルウルしていたら、「緊急警報!」のアナウンスが。えー、さらに『ビバナミダ』まで!
これがオーラスでいいのかしら。個人的には『愛おしゃ』で終わっていいと思うけどなー。『ビバナミダ』は「終わり感」がない。また盛り上がっちゃう。あ、「再見」がキーワードなのかも!それだ!


終わってしまいました。20:45。3時間弱でしたが十分十分。楽しく、びっくりし、感動しました。
とにかく今回はセトリの大きな変更が大ニュースです。これについては前回のエントリにも書きましたが、手持ちのカード(持ち曲)が限られている中で飽きやマンネリを打破するためにはとても大事な変化でした。「変わらないために変わる」ってやつですね。


私は今回遠かったので岡村ちゃんの表情や細かい仕草まで見えず、その部分のレポができずに悔しい。近くから見ていた人、詳細報告お願いします!遠目からですが、今回はエロスゼロ、可愛さ多め、レスポンス要求少な目、という印象でした。
2011年の復活以降「歌えるかな」「踊れるかな」というおっかなびっくり、「笑ってくれた」「笑顔が増えた」という喜び、「声が出てる」「ステップすごい」という安心、などの「心配→できているからうれしい」という安堵感はもうないのです。もう完璧なパフォーマンスを見せてくれるミュージシャン、岡村靖幸なのです。
で、これがうれしいような寂しいような感情なのです。「人は欠損に恋をする」というのは高須克弥さんの言葉ですが、まさにその通りで、完璧にできてしまうことが逆に物足りないと感じてしまっていました。それが飽きやマンネリにつながっていきます。
それが、今回の大英断で大きく動き、また岡村ちゃんのライブが進化したと感じました。アルバム『幸福』で復活以降の一応の集大成が完了したので少し停滞気味でしたが、また動き出したぞ。


初日に行けてよかった。素晴らしいライブをありがとう、岡村ちゃん
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本日のセトリ
1.聖書
2.彼氏になって優しくなって
3.ぶーしゃかLOOP
4.昼下がり(クレイジーケンバンド)
5.うちあわせ
6.カルアミルク
7.できるだけ純情でいたい
バンドインスト
8.5‼モンキー
9.ヘアー
10.ラブメッセージ
11.どぉなっちゃってんだよ
12.イケナイコトカイ
13.Out of Blue
14.揺れるお年頃
15.あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
16.だいすき
第2部
17.MAN ON THE EARTH(大江千里)
18.いじわる
19.ペンション
20.SUPER GIRL
アンコール
21.弾き語り~金沢ベイベ
22.ちぎれた夜
23.愛はおしゃれじゃない
24.ビバナミダ


禁じられた生きがい

禁じられた生きがい

『青年14歳』の解禁はいつになるのだ…。

岡村靖幸 2017 SPRINGツアー『ROMANCE』金沢公演に行ってきました! 感想(その1)

初日、驚き、大英断


岡村靖幸ツアー『ROMANCE』の初回、金沢公演に行ってきました。岡村ちゃんのライブはいつも東京か新潟に行くのですが、今回新潟はなく、そしてこの金沢はツアー初日だったので、行ってきました。そしたら、初日に行けてよかった!という内容でした。


※セトリ等ネタバレ全開で書きますので、今回のツアー参加予定者はライブを見てから読みましょう。予習派の人も今回は何も知らずに臨みましょう!
岡村靖幸 live 2017 romance 初日セトリ ネタバレ - ラなウェイトレイン ~FX成績 ライブ観戦雑記~
セトリはこちらを参考にしています。それにしても、こんなに覚えていられるのかしら。メモしているのかな?


会場は金沢市文化ホール
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キャパは900弱なので、新潟でライブするときのりゅーとぴあとほぼ同じ規模。ホールなので足の疲れや開場時間を気にしなくていい。中年にはありがたい。
今回私は16列目で岡村ちゃんの表情はよく見えなかったので、その辺は他の人のレポを読んでください。


さて、開演時刻。定刻を3分ほど過ぎて客電落ちてスタート!
サンプリングを使ったヒップホップ風のオープニング。で、始まった曲は『聖書』!おおお!これが1曲目とは!曲後半のどんどん展開していくところもやってくれてうれしい。この曲、「岡村靖幸が音を司っている感じ」がしてとても好きなのです。
岡村ちゃん、声出ている!ステップの足さばきが素晴らしい!というか、もう「声が出ていてうれしい」「踊れていて安心」という時期は過ぎています。ここ数年は歌えて踊れるを前提として、それを上回るパフォーマンスと感動を与えてくれています。


2曲目は『彼氏になって優しくなって』。おおお、この曲が2曲目!
私、この曲大好きなんですけど、ジャジーな横ノリビートなのでライブではなかなか爆発しないんですよね。なので、ここに配置したのは大正解!
続いて『ぶーしゃかLOOP』。今回は以前のようなサイバー感がなかったのですが、アレンジ変わっていました?照明やメンバーの振り付けのせい?記憶が…!


ここで今回のカバー曲コーナー。今回はクレイジーケンバンド『昼下がり』でした。

CRAZY KEN BAND 昼下がり
(この映像は何…?)
私はこの曲は知らなかったのですが、「クレイジーケンバンドっぽいなあー」と思いながら聴いていたので当たってうれしい!
原曲とキーが違っているのか分かりませんが、岡村ちゃんの声にジャストフィットでした。中低音の倍音の魅力!


『うちあわせ』の後、『カルアミルク』。おおお、この曲がここに!
『カルアミルク』は毎回3曲目くらいに配置されるのが常だったので、今回はやらないのかなー、アップテンポの曲ばかりで疲れちゃうぞーと思っていたので、ここで歌ってくれてうれしかったです。アップテンポの曲だけでもこんなに歌い踊り続けられるということですから。
曲の後半で「ハーイハーイハーイハイハイ」と私たちがコーラスする部分があって、岡村ちゃんはアドリブでいろいろしゃべるのですが、私たちはコーラス役なので「ハイハイ」を続けなくてはならず、いいフレーズを言ってくれてもあまりはしゃがず「ハイハイ」を続けます。何だか「高度に訓練された岡村ベイベはどんなフレーズを言われてもコーラスを続ける」というフレーズを思いました。元ネタなんだっけ?


そしてお次は『できるだけ純情でいたい』。アルバム1曲目なので途中に挟まれるとまだ違和感があるな。この曲も後半盛り上がるので好き。
この曲のときだったかな?「金沢ベイベ、準備はできてるの?」と岡村ちゃんは訊いてくれるのですが、もう7曲目だよ!もちろんできてるよ!
あと、これもどの曲のときだったか忘れましたが、「準備はできてるの?」で私たちが「いえーい!」と応えると「何の準備ができてるの?」と追加質問。えーっと、何のと言われましても、岡村ちゃんのライブを楽しむ準備ですが…。
「マジで?」も何度か言っていたな。だから、準備できているってば!


ここで岡村ちゃん一旦退場。バンドメンバーのインスト&各メンバーのソロ回しです。
今回のインストではマイアミサウンドマシーンの『コンガ』を演奏していました。
www.youtube.com
(↑私は完全に忘れていたのですが、フォロワーさんに教えていただきました。Twitterって素晴らしい)
メンバーのソロ回しはどなたもカッコいいのですが、今回ギタリストが前回のツアーに引き続き田口さんという若い男性で、彼のギターソロがカッコよかった!1曲目の『聖書』でもソロ弾いていましたが、そのときのテレキャスよりこのときのストラトの方がいいな。


岡村ちゃん再登場。紺色のスーツ。ちょっとパツパツ感あり。
『5!!モンキー』の記憶は何もない…。『ヘアー』は何となく曲の衝撃が薄れている感じがしたのですが、単に私が慣れちゃっただけ?でもギターのフレーズが何か違ったような気がするんだよなー。何が違っていたのかは分からないけど、少し違和感があった。


『ラブメッセージ』は音源のベースぶいーんという始まりではなく、違う演奏があってこの曲が始まったので、「あれ、次の曲何だろ。あれ、まさか?もしや?」というドキドキワクワクでの始まりだったので多幸感あり!でした。


『どうなっちゃってんだよ』はライブでは毎回このアレンジ?何度ライブに通っても歌いだすまで何の曲か分からない私。
『イケナイコトカイ』は声出ていた!100点満点!後半の「ノウホウタイム」は以前ほどくどくなく(くどいけど)、笑っちゃうほど過剰でもなく(過剰だけど)、ちょうどいい塩梅でした。


そして、ここで事件が起こります。
また分からないイントロから、あれ、このフレーズってあの曲のイントロじゃないの?いやでも、あの曲はラストと決まっているし岡村ちゃんがアコギを弾いて1ヴァース歌うという不文律があるはずだが…。
と思っていたら音源通りのイントロが演奏されました!そう、『Out of Blue』なのです!!!
えーーーーー!!!!!私は呆然として手拍子したり手を上げたり一緒に歌ったりできませんでした。曲ラストの「マイガールマイガール、フォー!」もスルー。
デビュー曲であるこの曲をライブのラストに配置するというのはもう何年も変わらない「絶対の曲」だったわけです。それを変えるという大英断。岡村ちゃん、よく決断してくれました。
www.daily.co.jp
今回のセトリについてはいろいろな人に相談したようで、やはり迷ったり悩んだりしたんだろうな。この曲の置きどころを変えるというのは大きな決断ですから。
でもね、大成功ですよ!岡村ちゃんはキャリアは長いけどオリジナル曲は100曲に満たないくらいしかないので、それを年2回のツアーで20曲以上演奏するとなると、曲かぶり問題はどうしても発生してしまいます。その中でライブの構成やキラーチューンの配置が固定されていると、それは「マンネリ」「飽き」になります。
もちろん寅さんのように「偉大なるマンネリ」も必要ですが、私個人は正直「いっつも同じだな」と思っていました。だから前回のツアーは不参加だったのです。
それが、同じ曲であっても置きどころを変えるだけでこれだけ新鮮になるのですよ!手持ちのカードで楽しくやろう(©真心ブラザーズ『情熱と衝動』)。


興奮冷めやらぬ中、お次は『揺れるお年頃』。揺れているのは私の心だよ!
あ、でも、この曲やるのね。アルバム『幸福』の中でも地味なアルバム曲というイメージだったので、アルバムリリース直後は演奏するとしてもその後はやらないのかなーと思っていたのですが、前回のツアーでも演奏していたので岡村ちゃんお気に入りなのかしら。


ここで白石さんタイム。
会場の周りに用水路が流れていて、それをベースの横倉さん(よこりんはダイビングのライセンスを持っているそうです)に入れとムチャ振りした白石さん。よこりん「膝くらいしか水ないよ!」
あと何をしゃべったか忘れた!私の記憶力!海馬!前頭葉


で、ここは鉄板の『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』『だいすき』の流れ。ここは崩さないのね。崩してもいいんだぜ。でもやっぱり破顔一笑多幸感幸福感ドーパミンエンドルフィンドバドバ分泌なので抗えない。


第二部の前に一旦切ります。もう4000字に迫ってきたので。続きはまた次回!


映画『SING』 感想

歌の力


(ネタバレあります)


映画『SING』を見てきました。公式サイト↓
sing-movie.jp
字幕と吹き替えのどちらを見ようかなーと悩んでいたのですが、私の地元の映画館では吹き替えしか上映していなかったので選択の余地はなかった。


面白かったです。
脚本のアラはありますが、映像の華やかさ・楽しさ・明るさと、何よりも歌の力ですべてプラスに変えてくれました。
歌手の人が声優をしているのは前情報で何となく知っていましたが、見ている間は完全に忘れていて、歌になって「うわ、この人だったのか!」と思うことがありました。スキマ大橋さんとMISIAさん。


●ムーン(コアラ)内村光良
ウッチャンが主役なんて不安だなーと思っていましたが、上手かったです。明るくて前向きで人柄の良さまでウッチャンに合っている。オープニングの語りの部分では『金メダル男』みたいだなーと思いましたが杞憂に終わってよかった。
ムーンは、明るくて前向きでとてもいい人なのですが、優秀なのか無能なのか分からない。人脈も経験もないベンチャー経営者みたいなもんなのかな?あのまま金策が上手くいかなかったらどうするつもりだったんだろ。
あと、劇場が壊れて失意の状態から劇場を再建する決意を固めるまでの心の動きがよく分からなかったです。ミーナの歌を聴いたから?再びやる気になる描写が足りない気がしました。


●ミーナ(象)MISIA
彼女が歌うまでMISIAが声優だったのを忘れていました。ミーナは引っ込み思案だが歌は上手い。「実は脱いだらすごいんです」「生真面目な学級委員長が眼鏡を外して三つ編みをほどいたら美人だった」方式です。
そして、MISIAの歌が、当たり前ですが、めちゃ上手い!物語としてフリとタメが効いているので効果抜群!この作品はMISIAを起用できた時点で成功は確定しました。
ドラマパートは小声で自信なさげにしゃべるので、あまり技術が関係なく、これも上手く作用していました。
www.youtube.com


●アッシュ(ハリネズミ)長澤まさみ
長澤まさみさんは、声がいい。『君の名は。』もよかった。
歌も上手いです。彼女がラストに歌う『Set It All Free』はこの映画オリジナル曲ですが、個人的にはもっとエレキギターメインのロックな曲調の方がいいなーと思いました。彼女は自分をパンクロッカーだと思っているのに、歌う曲はポップロックじゃないか。メロディはそのままでアレンジでもっと何とかできたのでは。
つまんないツッコミをすると、途中でタッピング奏法をしていたのですが、それはハードロック・ヘビーメタルのギターの弾き方だ。パンクはそんな弾き方をしないぞ。
あと、この映画でギターを弾く描写ではきちんとそのコードを押さえる指使いをしていて感心しました。カラオケの映像で明らかに「お前ギター弾いたことねーだろ」という奴がギター押さえている場面がありますが、そういう変な感じがなくてとてもよかったです。


●ジョニー(ゴリラ)大橋卓弥
スキマスイッチの大橋さんです。ここも私は完全に忘れていた。ジョニーもミーナと同じく控えめな性格なので声の演技が気にならなく幸い。
ラストで歌う『I'm Still Standing』はエルトン・ジョンの曲ですが、まんまスキマスイッチでした!
www.youtube.com
劇中ではサム・スミスの『ステイ・ウィズ・ミー』を少しだけ歌う場面があるのですが、これを大橋ボーカルでフルで聴きたかった!


●グンター(ブタ)斎藤司
トレンディエンジェルの斎藤さんです。声優にお笑い芸人が起用されるのはよくあることですが、ほとんどがチョイ役なのに、今回はメインキャラ。でも上手かった!


●マイク(ネズミ)山寺宏一
山ちゃんだもん、何でもできる。今回もさすがの名人芸でした。プロの歌手が大勢いる中、名曲『マイウェイ』を堂々たる歌唱力で歌ってくれました。さすが。
個人的には『マイウェイ』でなく、別の曲がよかったなー。


ロジータ(ブタ)坂本真綾
おお、彼女は坂本さんだったのか。主婦は毎日フル回転で家事をこなしていてもそれは当たり前の毎日であって夫や子供には評価されない。ロジータの家庭って、まんま日本の家庭のテンプレのようですが、アメリカでもこんな日常なのかしら?
主婦だって外に出たいし非日常の経験をしたい。でも家族も大事。奥さん、ステキです!
途中ピタゴラスイッチを自作するシーンはとてもよかったのですが、夫がそれにすら気づかないのは泣けてきちゃった。奥さんこんなに頑張っているのに!
一応ラストで妻の輝きに気づいて熱いキスをするのですが、それもまた日常に戻ったら元の木阿弥なんだろうなー、なんてことまで考えてしまった。


●ミス・クローリー(イグアナ)田中真弓
田中真弓さんなのか!クリリンでルフィだぞ。声優ってすごいなー。
よぼよぼのお婆ちゃんなので、よぼよぼ感やフルフル感まで表現されていて素晴らしかったです。何となく志村けんのヒトミばあさんを思いながら見ていました。


その他チョイ役にも有名声優さんを使っていたりオーディションの数秒のために歌手やラッパーを起用したりと、人の使い方が上手い。あの人がどういう役で出ているんだろという興味も劇場へ足を運ぶ後押しになるでしょう。


物語として思うところはいくつかありましたが、
・ムーンの再起の心の動き(ここ重要なのできちんと描写してほしかった)
・ジョニーの父親の身勝手さ(テレビの前で涙を流して改心することを誓うだけでいいのでは)
・劇場と各演者のその後(簡単に後日談を見せてほしかった)
歌の力ですべてを上書きしてくれました。やはり音楽ってすごいなーと再認識しましたが、逆に「音楽にごまかされている」とも思いました。
でも、「細けえことはいいんだよ」と思わせる魅力がこの作品にありました。
『SING』も『ラ・ラ・ランド』も「細けえことはいいんだよ」と思ったのですが、『君の名は。』は細かいところが気になってしまいました。何が違うんだろ。日本のアニメに偏見があるのかな?新海誠監督の童貞っぽさが気に入らなかったのかな?


あと、今の3DCGアニメって、本当に何でもできるのですね。普通の映画と同じように撮ることもできるし、アニメならではのアングル・表現もできる。アニメ最強じゃないか!
途中劇場で水槽の水があふれて劇場が崩壊する場面なんて、水の表現も倒壊の表現も上手い。


面白かったです。『ズートピア』のように大人もうなる脚本ではないですが、誰でも間違いなく楽しめる良作。劇場で見るべし。字幕版も見たいなー。

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この曲、コードの展開は3コードのロックンロールのようなのに、実際のコードやメロディはソウル。スティーヴィー・ワンダーすごいなー(本人作曲なのか分かりませんが)。



↑どちらも見ていません。

映画『パッセンジャー』 感想

タンクトップという様式美


(ネタバレあります)


映画『パッセンジャー』を見ました。公式サイト↓
www.passenger-movie.jp
Wikipediaの方はストーリーのラストまで書いてあるので要注意。


この作品は、感想を書きにくい。
目的地まであと90年というところでたったひとり目覚めてしまった人は、どんな気持ちでどんな行動をするのだろう。
もうひとり目覚めた異性と恋に落ちるのは必然なのだろうか。


本作のキャッチコピーに「乗客5000人 目的地まで120年 90年も早く 2人だけが目覚めた 理由は1つ」とあるけど、ウソですね。目覚めた理由はふたつ。事故と故意。
そう、ジェニファー・ローレンスクリス・プラットにより「起こされた」のです。いくらひとりぼっちで寂しいとはいえ、絶対にやってはいけない倫理的アウトな行動。


それを知ってしまった後、人はどんな気持ちでどんな行動をするのだろう。
恋に落ちた相手と元に戻ることはできるのだろうか。


この辺が(当たり前ですが)全然想像できないので、ありえるのか、演技の必然性があるのかが分かりませんでした。


そして物語を動かす突然の3人目の登場。「何でもできるID」を託してすぐ死にました。物語を進めるためだけの都合よい脚本!
クライマックスではこういう映画でおなじみの「自分の命を危険にさらして人類を救う行動」ですが、そもそも彼らにその動機なんかないでしょ。助けたところでその人たちが目覚めるころには自分たちは死んでいるのだから、助けずにいたって構わないのに。まあ、あれをしないと自分たちが死んでしまうので頑張るのは分かるのですが、それだったら「乗客5000人がいる」とかは言わずに「君のために」だけに絞った方がいいと思うのです。
あと、船外に放り出されたクリス・プラットは耐熱シールドを放り投げて自分の軌道を変えていましたが、そんなことできないから!慣性の法則知らんのか。
最後の選択は「彼と一緒」を選ぶかな?「起こすなんて殺人と一緒」と言っていた彼女の気持ちを変えさせるような出来事だったかなあ。「ありがたく冬眠させてもらうわ」でいいと思うけど、エンタメ作品だからしょうがないのか。


この作品は「究極の孤独の中犯してしまった罪は許されるのか」というのがテーマのひとつなのだと思うのですが、これに対して明確な回答は出ていません。「許す」という結論ですが、そこに至る理由が弱い。


というわけで、「つかみはいい(だから私は映画館に足を運んだ)が、途中は単なる恋愛映画でクライマックスはよくあるアルマゲドン」でした。いや、わくわくもどきどきもしたのですが、上記の通りその心情や行動にリアリティがあるのかが分からないので応援も同情もしにくい感じで見ていました。


ついでに。邦題は『パッセンジャー』ですが、原題は『Passengers』です。乗客は5000人もいるし目覚める人も複数なのだから、原題通り『パッセンジャーズ』の方が正しいと思うのですが、なぜ単数形になったのでしょうか。

↑この作品があるから?


役者について
クリス・プラット
売れっ子ですなー。『オデッセイ』のような境遇ですが、彼と違って訓練されている宇宙飛行士ではないのですぐに「ポジティブ→行動」とはいきません。そりゃそうだ。でもクリスなのであまり悲壮感を感じませんね。天性の陽性っぽさが良くも悪くも危機感を感じさせない。
オーロラ(ジェニファー・ローレンス)を見つけるまでにいろんな女性の顔や履歴を見て彼女に決めたのかな。私だったら絶対そうする。そして起こしてしまうなら、複数の女性を起こしてハーレムを作るね。
一瞬びんぼっちゃまになります。
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ジェニファー・ローレンス
私、彼女の作品初めて見ました。そんなに美人!というわけではないですが、スタイルは抜群。途中何度か℃-uteの岡井さんみたいだな、と思ったのですが誰か賛同していただけますか?
途中ヌードシーンがあって乳首は出ないのですが脱いでいます。ハリウッド女優は偉いなー。他の作品でもヌードになっているのかな?と思って調べたらプライベートの写真流出でえらい目にあっていたのですね。かわいそう。
日本であんな写真出たら一発アウトだけどアメリカは懐が広い。というか、それで当たり前ですよね。香里奈なんて全然大したことないのにずっと表舞台に出られなくてかわいそう。
クライマックスではお約束のタンクトップ。SF・ホラー・アクション映画で活躍するヒロインはタンクトップを着るというのは何か決まりでもあるのでしょうか。いいことだ。


マイケル・シーン
アンドロイドのバーテンダー役。ロボ過ぎなくてよい。この時代でもアンドロイドは杓子定規にしか物事を判断できないのか。「忖度」って高度な真意の伝え方ですな。


ローレンス・フィッシュバーン
こんなに小さかったっけ?『マトリックス』のモーフィアスでしょ?
登場→クルーだから乗客が入れないところも入れる→用がなくなったので死亡→オールマイティIDは残していく(物語にとって)都合のいいキャラ。


アンディ・ガルシア
セリフなし、登場シーン1秒。これでギャラいくらなのかしら。
そして父になる』のピエール滝の役柄いいなーと思っていましたが、それを上回るコスパの良すぎるおいしい役があった!


最後にゲスいことをいくつか。
船内に二人だけだったらすぐにセックスしそうだけどなー。
そしてセックスした後はもう服着ているのも面倒じゃないのかなー。常に全裸でいいんじゃね?
隕石の衝突も避けられないような宇宙船、ダメだろ。
ラストの「船内に森ができている」は、そんなこと可能なのか?そういうプログラム施したのか?鳥なんてどうやって作りだしたんだ。そもそも、船内に森ができているのはうれしいことなのか?「余計なことをしやがって」ではないのかな?


まあ、そんな細かいツッコミは野暮。でも、単なる恋愛ものにするには条件のハードルはあまりに過酷だしそれに対する回答は弱い(というかないに等しい)。
SF映画としてはクライマックスのくだりはこれまで何百と作られてきた作品と何ら変わりがない。


というわけで、面白いのにツメが甘いぞー、でした。


2017年3月ツイートまとめ(その2)



↑何でもAmazonなのね。



↑大学生がひとり既に卒業済みと報告をくれた。残りのみんなもよろしく頼むぞ!