やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

悪いことをする奴が悪いに決まっているが、商売ってそういうもんじゃない?という気持ちもある

悪質事業者についての個人的見解


世の中には様々な悪質商法があります。その内容も日々進化しており、警察と犯罪者のいたちごっこが続いています。
このような悪質商法に対しては「消費者基本法」「消費者契約法」「特定商取引法」「割賦販売法」などの法律があり、消費者を(個人的には)過剰なほど保護してくれています。
個人的な感覚ですが、これらの法律は消費者に甘いです。なぜこんなに甘い(と感じる)のかというと、消費者と事業者においては「情報・交渉力・構造的」に大きな格差があるからです。
その商品について知っているのは消費者よりも事業者ですよね。その仕事に関しては事業者がプロですから、交渉力(言い合い・口喧嘩)でも事業者が優位だし、消費者一人の声なんてたかがしれているから、構造的にも悪質業者にダメージを与えにくいのです。
だから消費者を守ってあげましょう、というのがこれらの法律の趣旨です。


市役所などに行くとこのような悪質業者に関する啓発冊子が置いてあります。中を見ると事例と対策が書いてあるのですが、個人的には「それって消費者の責任じゃない?つーかそもそも商売ってそういうもんじゃない?」と思う事例がいくつもありました。
そこで、その冊子の中身から事例紹介と個人的な見解を書きます。


※以下の文章ですが、「悪いことをするやつ(悪意を持って接するやつ)が悪いに決まっている」が前提としてありますので、悪質業者を認めているわけではないことをご理解ください。


■押し買い

「貴金属などを無料で査定する」と言って安値で買い叩く手口。

1,000円で買い取ると言って100円で買い取ったわけじゃないんでしょ?売買の成立というのは「売りたい価格」「買いたい価格」が一致するから成立するのであって、そこに了承してしまったら後から文句言ってももう遅い。その価格でOKしたのはあなたでしょ。
お店で買った後に「この機能でこの価格は高かった」と思うこともあるでしょうが、それと一緒。
ただ、この場合は「怖くて断れなかった」「OKしないと帰ってくれなかった」という脅迫めいた一面があるので、そこはダメ。正々堂々と商売しましょう。


利殖商法

未公開株などを購入させられて、儲からない。

この場合は未公開株といって予定時期を過ぎても上場しないとか、契約後に業者と連絡が取れないなどは確かに問題ですが、それ以外は何もおかしなことないんじゃない?必ず上がる株なんてないよ。それが株です。


■サクラ商法

出会い系サイトなどで出会えない、出会っても進展しない。

世の中ってそんなもんでしょ。キャバクラなんかも一緒。


オレオレ詐欺(母さん助けて詐欺)
これはいろんなパターンがありますが、この犯罪の許せないところは相手の「善意」「親心」につけ込むところ。上記のような「欲」ではないですからね。
お前に親はいなかったのか!お前ひとりで大きくなったんじゃないぞ!と言いたい。


還付金詐欺

「還付金があるので手続きを」と言ってATMで操作させるといつの間にか振込み操作をしていた。

これ、よく分からない。どんな言い方で操作させるのか分かりませんが、振込み手続きをやっていると気づかないもんなのでしょうか?


架空請求詐欺

アダルトサイトの料金未納などの督促状が届き、払ってしまう。

後ろめたいもんね。怖いもんね。金額も数万円なら、事が大きくなる前に払っちゃいたいもんね。気持ちは分かります。私もこれは引っかかる可能性がある。


■送り付け商法(ネガティブオプション)

代引きで商品が届き、身に覚えがなかったが払った。

これも危ない。一人暮らしならともかく、家族がいたら「自分は身に覚えがないけど、家族の誰かなのかな?」と思ってしまう。
これは、お金は支払わず商品だけ受け取って、開けずに14日間保管しておけばいいのですが、気づくのは多分開けてからですもんね。これもやられたら危ない。


点検商法

「無料で床下点検します」と言って「これはひどい。すぐに補修しないと危ない」と高額な契約を結ぶ。

こういう金額って相場が分からないですからね。まずは見積もりだけもらって帰ってもらい、別の業者にも見てもらいましょう。その場で契約しないこと。


マルチ商法

商品を売って会員を紹介すると手数料が入る。

ネットワークビジネスです。悪く言うと「ネズミ講」です。
ずっと昔から何度も問題・事件になっているのに、まだなくならないんですね。学校でネズミ算を教える際にはこの商法もセットで教えてあげましょう。
営業と一緒。モノを売るのは難しいのです。誰でも簡単にできるのは「友達を売ること」くらい。なので、やめましょう。


サイドビジネス商法

在宅ワークで高収入」などと謳って高価な教材を購入させる。

資格試験に合格すること自体が難しい場合もありますし、合格してもその後の仕事の斡旋がない場合もあります。
仕事ってそんなもん。簡単に稼ぐことなんてできません。資格が取れてよかったと思いましょう。


デート商法

ナンパ(逆ナン)され、ジュエリーや絵画を売りつけられる。

どこに問題があるのか分かりません。嫌われたくないから断れなかった?自業自得でしょう。


■無料商法

「エステ無料」などにつられてお店に行くと、無料部分はほんのちょっと。結局高額な契約を結んだ。

これも何が問題なのか分かりません。商売ってそういうもんでしょう。マックのコーヒー無料券と一緒。


催眠商法SF商法

景品プレゼントに誘われて特売会場に行くと、会場内は熱気に満ちていた。「今日だけ半額!」などの勢いに負けて買ってしまった。

商売ってそういうもんでしょう。


■モデル商法

モデルにスカウトされ、養成スクール契約を結ばされたが、レッスンもないし仕事の斡旋もない。

悪質だから悪いですが、正規の養成所だって大差ないのでは。それがモデルや芸能界という世界です。
(芸能界が悪い世界ということではなく、才能がある人しかいない世界なんだから、一般人がそんな気持ちで入っても成功するわけない、という意味です)


二次被害

過去に騙された人を救済するという名目でさらに金をむしり取る。

可哀そうすぎる。


人の善意などにつけ込むやり方は本当に腹立ちますが、販売に関する商法は、程度の差こそあれ「商売ってそういうもんですけど」としか思えないものが多いです。
悪意・悪質な業者は取り締まってほしいですが、この「消費者救済」が逆ブレすると、「お客様は神様です」「モンスタークレーマー」にもなってしまうので考えてしまう。
お店としては「お得感」「キャッチセールス」でその気にさせてモノを売ろうとするのは当たり前です。それが「売りつけられた」と思われてお店が悪者になるのは納得いかない。
手足を縛って財布を奪ったわけでもはんこを押させたわけでもないのに、「やっぱりいらなかった」って後から言わないで!


繰り返しますが、悪意でやっている悪質業者は全滅しろ。そして、被害に遭った人もだいぶ大甘で救済されますから、お近くの消費生活センターなどに連絡をしてください。でも、被害に遭う人はこういう知識や情報を知らないことがないことが多いんですよね。だから騙されちゃうんですが。
そして、一般のお店は「真っ当にその気にさせて」売っているんだから、消費者は自己判断と自己責任でお願いします!後出しで店を悪者にしないで。


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