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やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「ポリティカル・コレクトス」でエンタメも変わる

それは私たちが変わってきているから


ポリティカル・コレクトス(以下PC)」とは、政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別・偏見が含まれていない言葉や用語のことで、職業・性別・文化・人種・民族・宗教・ハンディキャップ・年齢・婚姻状況などに基づく差別・偏見を防ぐ目的の表現のことです。(Wikipediaより)


最近のCMやテレビ番組は、昔に比べてだいぶおとなしい。「最近のテレビは批判を恐れてつまらない」「昔はもっと無茶していた」なんて声をよく目にします。
確かにそうですが、それは批判をする人がいるからです。しかも「こんな放送、世間から批判されますよ」という世間の声を代表する方からだったりするからタチが悪い。あなたは誰だ。あなたの意見はどうなんだ。「俺はいいけどヤザワはどうかな」みたいなもんか?


私も以前はそう思っていたのですが、最近考えが変わってきました。今、昔と同じ笑いをやられても、昔と同じようには笑えないだろうな。

ドリフターズ85 もしもシリーズ~銭湯02
リアルタイムで見た記憶はありませんが、ドリフらしい面白いネタ。しかし、今の私は誰かを叩いたり苦しませたりすることで笑わせる、という手法ではもう笑えなくなりました。かわいそうだな、痛そうだな、という気持ちが笑いを邪魔するのです。
もちろんお笑いとしてよくできているので面白いのですが、上記の気持ちがあるので100%楽しむことができません。

ごっつ 東野ドッキリ かたやきそば
ダウンタウンは私の思春期直撃で松本信者でもあったので冷静に批評できませんが、多分当時と同じ温度で笑うことはできません。

バカリズム 「女子と女子」
こういうあるあるネタも、女性をバカにしている感じがあるので素直に笑えません。


この辺、お笑いに関してはこのエントリにとても詳しく書いてあるので読んでください。長いけど納得の内容です。
ninicosachico.hatenablog.com
ninicosachico.hatenablog.com
お笑いについてはこれ以上私は言及できないしこんなに素晴らしい文章は書けない。


私はエンタメ全般について。
PCが厳しくなると、エンタメの幅は狭まるのでしょうか?私はそうは思いません。作品を作るにおいて、現代はそういう差別要素は不快に思われてエンタメの楽しさを減じる要素になるので、減らしていかなければならないのです。
ハリウッド映画は全世界がマーケットなので、人種問題や宗教問題については非常に慎重に扱われています。それでも、毎年傑作を生み出しています。「アナと雪の女王」や「マッドマックス怒りのデスロード」は、女性の解放や自立というテーマが織り込まれています。これは、現代はまだまだ女性が抑圧されているが、それはもう古くなりつつある価値観だから成立するテーマです。10年前だったら成立していない(かもしれない)世界観です。
「007」だって昔は単なるお色気要因だったボンドガールが物語のカギを握る立ち位置になっているし、「スター・ウォーズ」の最新作は女性が主人公で、そこにはお色気や女性の弱さという性的ファクターはありません。


少年マンガでも電柱の陰から見守る「耐え忍ぶ女性」という女性像は今はウケません。少女マンガでも白馬の王子様は古い理想像です。もちろんこれらをメタ的に扱うという方法もあるし、古典で王道だから現代に合う形でアレンジして使う方法もあります。
また、女性差別をするキャラクターが登場してもいいのです。ただし、それは「その人はずれている」とか「その女性の扱い方は間違っている」という描き方でないと今の時代にそぐわなくなる。作者自身が旧来的な価値観だと、今の時代は生き残れないと思います。


時代背景が変われば、扱うテーマも変わってくるし喜怒哀楽の理由も変わってきます。笑いのツボも変わるので、それに対応した新しい笑いが生まれてくるでしょう。
PCの浸透は、社会にとっては確実にプラスです。「批判を恐れすぎて自粛」とか「『昔は良かった』老害がうるさい」とかのマイナスもありますが、全体で見れば社会は確実にプラスの方向に進んでいます。エンタメだって、この流れでよりよい作品が生み出されています。
私は何も悲観していません。「昔はよかった」という面もありますが、「昔だったからよかった」のだと思っています。そして今は今の時代にふさわしいエンタメがたくさん登場するでしょう。