やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「スイートラブシャワー2023」に行ってきました!感想

自然には勝てない


スイートラブシャワー2023に行ってきました。もう何回も行っているつもりでしたが、過去ブログを見ると2012、2013、2015で今回が4回目でした。
今回はメンツ云々よりも、奥さんが音楽フェスに行ったことがないのでどこか行こうということで、「大きいけれど大きすぎない」このフェスにしました。フジロックは広すぎる。ロッキンは千葉になったのでアテンドできない。というわけでラブシャを選びました。


今年の夏フェスはどこも「暑くて大変問題」があり、数年ぶりのフェス参加のおっさんと初のフェス参加の女性(おばさんとは書けない)なので、どうやって暑さの中生き残るかを検討し、グッズをいろいろ買い込みました。首のリング(凍らせるとひんやりするやつ)、スカーフ(濡らすとひんやりするやつ)、腕カバー(日焼け防止)、塩飴、リポビタンDの高いやつ、アミノバイタルのドリンク(ゼリー状のやつ)などなど。既に持っている帽子やタオルやフードタオルや簡易イスやレジャーシートももちろん用意。
しかし天気予報を見ると気温は高くなく雨が降る予報。つーことで雨対策も必要。雨でも大丈夫な靴、ウインドブレーカーの上下、リュック部分も覆えるレインジャケット、さらにポンチョ。
これで万全だ。ということでリュックに詰めると、パンパン。重い。でも心配性なので仕方ない。
www.youtube.com


朝、例年のように新宿からバスに乗る。周りを見ると、皆さん軽装。私たちのような大荷物の人はいないな…。

タイムテーブルを見ると朝イチで見たいアクトがいなかったので、いつもより少し遅めの出発。
7時半前くらいかな?出発。
しかし、渋滞によりなかなか進みません。結局着いたのは11時過ぎ。例年だと2時間くらいで着くのに。少し遅くなるだけで渋滞の規模が変わるんだな。次回以降は頑張って早起きしよう。


着いたときにはDISH//が聞こえていました。



晴れているけど気温は高くない。これは、いいフェスになるのでは??午後から雨予報だけど。


既に昼食の時間ですな。

カレーとビール。
入場時にもらったのはリストバンドだけで、エリアマップやタイムテーブルなどの胸から下げるアレはもらえませんでした。今の時代、アレくれないのか。
なので自力で調べるわけですが、ネットが繋がらないよー。


ライブを見よう。Kroi。

Kroi。King Gnuの次は彼らだと思っているのですが、なかなかブレイクしないな。
ライブを見るのは初めてです。ほとんどの曲でメンバーのソロ回しをするという、歌(メロディ)よりも演奏(グルーヴ)で聴かせるライブでした。で、その中でもベースが超絶上手くて感動しちゃった。メロディアスなフレーズもスラップ奏法もどちらも素晴らしい!次いでキーボード。軽々と飄々と弾いているのにリズムの肝は外さない。ギターとドラムはそこまで感動しなかったな…。
Kroiは「Balmy Life」で初めて知り、今でもこれが世間に向けていちばん開かれている(ポップな)曲だと思っているのですが、この日のライブでは結構あっさり終わった感じがしました。メンバーは歌よりも演奏重視なのかなー。
MCもあまりしゃべらず。もっとベタに熱くコール&レスポンスも要求していいんだぞ。スカしている間に旬は終わっちゃうぞ。


ちなみにセトリはこちらで見れます。
report-newage.com


お次はCreepy Nuts

彼らがここまで売れると誰が予想したでしょうか。私は2019年の人間交差点フェスと同年の夜の本気ダンスとのツーマン以来。それが今やいちばん大きなレイクサイドステージだもんな。すげーよ。
ステージがでかいので、客いじりや聖徳太子ラップはなし。客にマイクを向けることはあっても、それはサビのコーラスを歌ってもらうためで、コール&レスポンスって感じではない。何となくポップスのステージングのようでした。これがビッグになるということかと思いましたが、KREVAのステージングってどんなだったっけ?どこまでビッグになっても圧倒的にHIPHOPなイメージなんだけど。何が違うんだろ。
ラストは「のびしろ」。今の日本語ラップでいちばんのヒット曲がこれかー、というのはちょっと由々しき事態ですよね。
R-指定の喉の調子がイマイチっぽくてかわいそうでした。


続いて水曜日のカンパネラ
Creepy NutsのMCの最中に稲光&雷ドーン!!というのがあり、空を見上げると黒い雲が接近中。そろそろ雨降ってくるかな?
詩羽さんになってからは初めて。コムアイさんのときのようなトリッキーな演出はなく、詩羽さんの可愛さとスキルで勝負するシンプルなスタイル。狼や海の化身?のコスプレをしたダンサーが出るくらい。そういやDJもいないけど、コムアイ時代もそうだったっけ?

ライブが始まったと同時くらいに雨が降り出しました。すぐさまウインドブレーカーを羽織りますが、雨はどんどん強くなっていく!風もすごい。こりゃヤバいといったん抜け出て離れたところでズボンを穿き、ポンチョも羽織る。
とそこで音が止められ「雷雲が接近しているのでいったん止めます」というアナウンス。マジか。10分前までは爽やかな夏だったのに。


しばらく待っていてもなかなか雨は止みません。私は完全防備なのでほぼノーダメージですが、Tシャツサンダルで頭にタオルだけという人も結構いる。あのー、ここまでの雷雨・豪雨は想定外だとしても、今日は雨が降るって天気予報でいっていたよ。知らなかった?何も用意してこなかった?ノー天気すぎるだろ。
この人たち、この後どうするんだろ。全身ずぶ濡れで風邪引いちゃうよ。
途中何度か「雷雲は過ぎたので、ただいま復旧作業中です」「もうすぐ再開します」とアナウンスがあってありがたかった。目安が分かるって大事。


ようやく再開。待ち時間は30分~1時間くらいだったかな。


一瞬で田んぼフェスになってしまいました。
詩羽さん再登場。「エジソン」他を歌い、おしまい。流れが切れちゃってかわいそうだったなー。
歌はCDと同じで、ちゃんと生でできるじゃんと感心しました。


お次はDragon Ashを見たいのですが、タイムテーブルだと水曜日のカンパネラと被っているのでポルノグラフィティへ。

フォレストステージからレイクサイドステージへ向かう途中の川。さっきまで水はまったくなかったのに、今は濁流が流れています。雨ってすごい。自然ってすごい。

レイクサイドステージで待っているが、何も起こらない。何も始まらない。アナウンスもないのであと何分で始まるのか、当初のタイムテーブルから何分押しになっているのか、何も分からない。スマホを見ても通信環境が悪くTwitterも公式サイトも見れない。
いつ始まるか分からないので待っているしかないのですが、そうこうしていると遠くからDragon Ashの音が聞こえてきました。え?今から開始?見に行こうかな。でもこっちもいつ始まるか分からないから動きにくいな。
そう思いながらも待っていると遠くで「FANTASISTA」が聞こえてきて、そして終了のようでした。何だよ!最初から最後まで見ることできたじゃん!アナウンスしてくれよー。


待って待ってようやく始まったポルノグラフィティ。生で見るのは初めてです。
晴一さん、ギター上手い!リフもソロもどちらも素晴らしかったです。
岡野さん、歌が上手い!ポルノって歌詞をはっきりと滑舌よく歌うのが特徴ですが、ロングトーンも声が伸びる伸びる!また、長年大きな会場でライブしてきたキャリアがあるのでステージングも堂々としたもの。動きや煽りは往年のロックスターのようでした。思ったよりストロングスタイル。
MCも、大会場だからゆっくりはっきりしゃべる。こういう会場でのライブの仕方、分かっているなー。
そして何より、誰もが知っているヒット曲をいくつも持っている強み、これがでかい。フェスという一見さんたちの前でお客を一体化させたりシンガロングさせたりするためには「みんなが知っている」がいちばん強い。私もテレビからお声がかかったら素直に出ようっと。


レイクサイドステージは、2台のクレーンカメラに加えてドローンのカメラもあり、360度あらゆる角度からの撮影ができるので、遠くからビジョン(スクリーン)を見ているだけでとても楽しめました。


再びご飯を食べよう。
ちょうど夕方で皆さん同時に飲食の列に並ぶので、どのお店も結構な列になっていました。考えることは一緒。


夕方なので汁物がほしいなと思い、山梨なのでほうとうにしました。
しかし!ちょうど私が注文しているときに再び豪雨!!うわー、こんな雨ならビール頼んだのにどんどん薄まるじゃん。と思っていたらお店の人がほうとうにもビールにもラップかけてくれました。ありがとうー。
しかし、食べるときはラップを外さなければならない。なので、自分の体で雨を防ぎつつ、一瞬で食べた。そしてビールもほぼ一気した。温かい汁物でよかった。


さてどうする。この時点で1時間押し。佐藤千亜妃さんを見たかったのですが、だいぶ遅くなるのでここで帰ろう。
アジカンを背中で聞きながらシャトルバス乗り場へ。

ここでも「まだ受付やってないんで」としばらく待たされ(「何時から受付開始します」とか言ってくれればいいのに)、ようやくバスに乗る。まさかこのときはこの後トリが中止になるなんて思ってもいませんでした。
mdpr.jp
帰りは2時間弱で着きました。本当に朝の渋滞はエグかったんだなー。
小腹が空いたのでコンビニでビールと軽食を買い、ホテルの部屋で飲みました。


というわけで、今年のラブシャ終了。フェスなのに4アクトしか見れなかった。ラブシャならではの熱気球やカヌー体験もなし。あまり動かないフェスでした。
朝がもっと早く着いていればもう少し食べたり動いたりしたんだけどな。もう30分早いだけで渋滞の規模も違っただろうに。


全体感想。
●会場内は電波状況が悪く、公式サイトもアプリもTwitterもなかなか動かなかったです。会場外に各ケータイ会社の車はあったのに、それでも弱かった。飲食店でクレジットや電子マネー決済ができるのに、電波状況が悪くて結局現金で購入していました。意味ない。来年度はさらなる改善をお願いします。
●野外フェスなので、ゲリラ豪雨などは仕方ない。それによりタイムテーブルが崩れるのも仕方ない。しかし、それをアナウンスしてほしいのです。公式サイトなどで何か情報があったとしても、電波状況が悪くて確認できないので、やはりその場で「今こういう状況です」「今後はこうなります」とその都度アナウンスしてください。状況が分からないと私たちも動きようがない。
●各アクトの持ち時間が30分程度だったのは短いなー。せめてあと10分。そうでないと5曲くらいしかできません。あと1~2曲できるようなタイムスケジュールだとうれしいなー。
●会場内には大きなテントがあり、イスとテーブルがある。しかしどの場所も荷物が置かれていて使えない。シートエリアも同様。最初に場所取りをした人が一日中使える場所と化している。この辺、運営側で何とかしてもらえませんかね。


日本の夏は今後もどんどん暑くなっていき、私の体力はどんどん減退していく。ラブシャは暑さの面ではあまり問題ないんだけどね。いつまで夏フェスに参加できるか分かりませんが、時間と体力と健康の許す限り、また参加したいです。


ポルノグラフィティ

ポルノグラフィティ

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RHYMESTER「KING OF STAGE Vol.15」@新潟ゴールデンピッグスに行ってきました!感想

宇多丸さんに感動!!


RHYMESTERのツアーが地元新潟に来たので、行ってきました!

会場まで徒歩で30分弱。バスの時間など分からないので、歩いて行こう。



着いた!が、既に汗まみれです…。


新潟でのライブは2019年以来。つーことは4年ぶりです。
ese.hatenablog.com
ついこの前って気がするのに。これが加齢効果か。


入場。下手(Dさん側)に行きたかったのですが柱が邪魔だったのでセンターへ。しかし目の前は大きな男性ばかり。うーむ、視界が狭い。あたしゃもう少し背が欲しい。
あとは開演までひたすら待つわけですが、私の立っている場所がエアコン直撃でとても寒い。ついさっきまであんなに汗ダラダラかいていたのに。


と冷える腕をさすりながら待っていると、まさかのオンタイムでライブスタート!
今回はチッタでやっていたスモークで演者が見えないという演出はなし。まあ、さすがに近すぎるもんな。JINさんの雄叫びでMC2人を呼び込み、スタート!


本日のライブハウスは狭いので、チッタにあったスクリーン付きの窓のセットではなく、単なる窓のセットのみでした。スクリーンでの演出はないのかー。残念。


今回のセトリは、チッタとまったく同じでした。なので、前回との違いやMCで覚えていることなどを書きますね。
「My Runway」でのステップは、二人とも上手くなっていた!足下見えなかったけど。
最初のMC。
宇多丸「新潟ゴールデンピッグス。ここはライブハウスっぽいライブハウスだよね。お客さん近くて、空気が圧縮されてエネルギーが逃げない感じ」
宇多丸「HIPHOP50周年ライブあったでしょ。いろいろ思うところありまして、第一は『俺たち頑張ってね?』ってこと。いろんなベテランアーティストが出てるけど、俺たちの方がもっとやれんじゃねーのって。だから、現役でやり続けてることの偉大さってことを自分で噛みしめたわけですね」
その後、おなじみの声出しタイム。これはチッタではなかったのでうれしかった。宇多丸さんのスパルタ教室大好き。


「予定は未定で。」「マクガフィン」後のMC。
宇多丸「新潟は雨が降らなくて大変なんだよ。ダムの貯水率0%だって!」
宇多丸「夏のフェスはダメなんだよ。サマソニが証明したでしょ。俺は20年から言ってるのに。11月とかにやれよ。客もツラけりゃ演者もツラい」
宇多丸「これからサマーソングやるけど、夏の歌ってのはイメージの中の美しい夏っていうか、ステキな夏は歌の中にしかないっていう時代だよ」


季節の3種盛り後のMC。この3曲の宇多丸さんが動いて盛り上げて熱くて激しくてカッコよかった!
Dさんは「暑くない?水飲んでね」とお客をいたわる。宇多丸さんも「えーっと…。あー、ダメだ。頭が回んない」と珍しく言葉が出てこない。私はエアコン直撃場所なので快適に熱狂していましたが、会場全体はとっても暑いんだろうな。そう思えば、この場所でよかった。演者の3人はもっと暑いんだもんな。お身体に気をつけて盛り上げてください!


ソイルとの2曲後、ここでJINさんタイム。
新潟に仲良くしているDJがいて、今日新潟でライブだからゲストパス用意しておくよと言ったら「いや、ちゃんとチケット買って行きますよ」と言ってくれた。何ていい奴なんだ。
翻って、東京でGAGLEのライブがあるからメンバーに直電して「ライブ行きたいからゲストパス取ってくれる?」「あ、奥さんも行くから2枚ね」って言っちゃった。
という話でした。ネタとしては面白いのに、イマイチウケなかった。話術って大事。


西原商会」ではバイブス棒が活躍するのですが、ライブハウスだと荷物を増やしたくないので私は持ってきてない。武道館には持っていくね!
そして、この曲では西原商会のカラーとしてバイブス棒を緑色に光らせるのですが、ここで宇多丸さんは新潟ということでNegiccoのライト(これも緑色に光るのです)を持参してくれました。新潟リスペクト!Negiccoリスペクト!ありがたいです。
「2000なんちゃら」では、ついにDさんが数字まみれの2ヴァース目をちゃんと覚えてラップしてた!(ちょっと怪しかったけど)


hy4_4yh(ハイパーヨーヨ)ちゃんコーナー。チッタと変わらずラップは上手く、腰は低い。
ハイパヨちゃんの二人は女の子なので背が低く、私の位置からはなかなかお顔が見えず残念でした。そう、開始前は私の前には大きな男性が左右にいてその間から見ていたのですが、片方の男性が徐々に移動して私の視界を塞いでしまい、途中からはスキマからチラ見する程度しか見えなくなりました。おかげで下手のDさんはほぼ見えずになってしまいました。くそう。


お次は「Open The Window」なので、シリアスなMC。
宇多丸「インターネットが広まって、素晴らしい世の中の進歩もあるけど、同時に嘘っぱちもいっぱい流れるようになって、その嘘っぱちを信じる人が出てきてとか、思ったように世の中が前に進まないような実感もあって」
宇多丸さん、それ、Kダブにも言ってやってくださいね。


(先日、Kダブに絡まれました…)


チッタではこの後すぐに「Forever Young」(しかもザキヤマバージョン)になって、「いくら何でも振り幅でかすぎるだろ」と思っていたのですが、この日は「Rで始まりRで終わる」のアカペラ(JINさんスクラッチのみ)が入り、そこから「Forever Young」につながっていったので、とてもよかった!
そしてトラックもオリジナル(ザキヤマでない)だと、「からの~」の部分を私たちが歌えるので、ライブではこちらが正解でした。
いやー、ゲネプロって意味あるんですね。ちゃんとブラッシュアップしている!
しかし、Dさんのアニヴァースは本日もぐだぐだでした。2ヴァース目は後ろを向いてラップをしていたので、たぶんメモを見ながらラップしていたな。それでもぐだぐだだったけど。


本編ラストの前に、最後の宇多丸ブートキャンプ(声出し強要)。
宇多丸「既に200は出ているが、今日の新潟は400出る!」「400いや、500の勢いでさ・わ・げ~!!!」
この、心地よい疲れの中で最後の力を振り絞って出す大きな声、気持ちいい。
で、「待ってろ今から本気出す」で本編終了。


アンコール待ちはみんな真面目に手拍子。そういえばライブでのお客、コロナを経ておとなしくなったな。ライブ中のコール&レスポンスは元気だけど、ライブ中のヤジ、開演前・アンコール待ちでの声出しなどは全然ありません。何となく、「許可されているとき以外は声を出さない」みたいな感覚がこの3年の間に擦り込まれちゃったのかな。新潟がおとなしかっただけ?


宇多丸「やっぱすごい。最後のエネルギーの凝縮というか爆発がすごかったよ。やっぱライブハウス好きなんだよな」
宇多丸「アンコールの曲なんだけど、本当はアゲ曲を用意していたんだけど、この環境だから、もう少しまったりできる曲に変更しました」
そうかー、やっぱり会場内暑かったんだな。私のエアコン直撃場所は結果オーライだったんだな。
ということで、曲は「POP LIFE」。あら、チッタと一緒じゃないか。アゲ曲も聴きたかったな。他の会場のセトリを調べたら「肉体関係」だったそうで、あーそっちも聴きたかったなー。


「ONCE AGAIN」で終わり。この会場は立地的に出待ちができないので、会場内で写真撮影。


エセを探せ!


全体感想。
ライブ時間はチッタとまったく同じ(本編終了でちょうど2時間)だったのですが、体感はとってもタイトに感じました。チッタのときは「あっさり」なんて感想を書いたのに。何が違うんだ。
そして、宇多丸さんの動きがとてもよくて感動しました。普段からライブでは宇多丸さんが煽りDさんがスキルで魅せる、みたいな何となくの役割分担がありますが、本日はいつも以上に宇多丸さんが動いて跳んで煽って盛り上げて獅子奮迅の大活躍でした。宇多丸さんがグルーヴしてた。会場をロックしてた。いやー、感動しちゃった。
セトリはもっと旧曲やってほしいという気持ちは変わらずありますが、ライブ自体は大満足だったので本日はあまり思いませんでした。


さあ、次回は12月の大阪。やっとReiさんゲスト回を見ることができます。楽しみ!!


RHYMESTER「KING OF STAGE Vol.15」@チッタ川崎 に行ってきました!感想

あっさり


RHYMESTERの6年ぶりのNEWアルバムのリリースツアー、KING OF STAGE Vol.15の初日にして公開ゲネプロのチッタ川崎公演に行ってきました。



途中「インザハウス」というライブ企画もありましたが、声出しも含めコロナ前と同じ規模でライブできるのは47都道府県ツアー最終日の2020年1月以来なので、何と3年半ぶりのライブ!
ese.hatenablog.com
このときはまさかコロナで世界がこんなことになるなんて思ってもいなかった。
ese.hatenablog.com
「インザハウス」も初日はチッタ川崎でした。


今回私は200番台後半の整理番号をいただきまして、5列目下手Dさん側の位置をゲット。あとはひたすら待つ。ライブハウスは入場に時間がかかるけど立って待っているしかないので、長い。Twitterしかすることがない。


とはいえ、待っていれば楽しい時間は始まります。
客電が落ち、開演のブザーが鳴ると「Open The Window」のトラックとともにレーザー光線がびゅんびゅんと回ります。すげーカッコいい!そしてスモークが焚かれステージが真っ白になり、私たちのボルテージも盛り上がります!
スモークが消えると、ステージ上に3人が立っている!!カッコいい!
このオープニングはカッコよかった!!


そして「After6」!ラジオ版のリリックバージョンなので、すぐに終わります。
宇多丸「ツアー初日、というか公開ゲネプロですよ!今日の出来如何でツアーが決まるんですよ!」
と煽り、もう一度「After6」の音源バージョン。


続いて「My Runway」。この曲はいい曲だ。4つ打ちはいつの時代も強い。
先日のタワレコのインストアイベント(記事書いていません。すみません)でもこの曲は披露されたのですが、さすがにあのときはリリース直後だったためお客さんはリリックを覚えておらずReiさんパートを歌えなかったため、Dさんから「ツアーまでに覚えておくように」というお達しをいただいておりました。そしてライムス側はステップの練習をしておくという約束をいただいておりました。
なので、覚えてきたよ!そしてライムスの皆さんも、ステキなステップ披露してくれましたよ!


MC、覚えてないな。
宇多丸ゲネプロってのは、通しリハで本番同様にやってみて手直しをするってやつなんですが、『これを見せた方が面白いんじゃね?』ってので始めたら、ここが最初にソールドアウトするという。ヤな客ですね!」
褒めてます。
オープニングのスモークの見え方を気にしていましたが、私は気付きませんでした。でも最前列では見えてしまった人もいたそうです。うん、ゲネプロっぽい。


今回は「Open The Windowツアー」なので、DJブースの上には窓のオブジェがセットとして組んであります。
www.rhymester.jp
これね。
宇多丸「今回のアルバムはフィーチャリングが多いので、サビが歌なのが多い。なので、分かるね」
と言うと、スクリーンに「お察しください」の表示が。つまり、歌部分は私たちが歌えってことね。了解!


「予定は未定で。」に続いてはマクガフィン
ラヴァーズロックのレゲエチューンからキレキレエディットの特濃シンセファンク!振り幅すごいな!今回のアルバムを表している。
マクガフィン」のDさんヴァース前に宇多丸さんは「こいつはヤバいヴァースだぜ!」と前振りしてくれた通り、Dさんヴァースはスキル特盛りのヴァースで私は大好きなのです。少ーし怪しかったけど、カッコよかった!!私カラオケで歌詞見ながらでも歌えないもん。
サビ部分は頑張って歌いました!ライブだと「罠だもん」を強めに言うといいみたいです。


ここのMCは何も覚えていない…。
そうだ。アルバム曲以外の曲もやるよ、という流れで「季節の3種盛り」の紹介でした。スクリーンに縦書きでタイトルを表示し、それぞれ生産者の顔が見えると安心ということで、トラック提供者の顔と名前も表示するという流れ。
今回は「フラッシュバック、夏。」「into the Night」「サマーアンセムという夏っぽい3曲でした。宇多丸さんDさん1ヴァースずつメドレー形式でお届け。
これ、季節ごとに変化するのはもちろんでしょうが、会場ごとにも変えてくるのかな。RHYMESTERならやってくれそう。楽しみ!


ここでのMCも何も覚えていませんが、ソイルとのコラボ2曲の紹介でした。
「ジャズィ・カンヴァセイション」「初恋の悪魔」。これは2曲ともカッコいい。生で聴くともっとカッコいい。生演奏で聴いたらさらにもっとカッコいいんだろうな。2月武道館、期待していますよ!やってくれるよね?ソイル活動再開してるよね?


西原商会」と「2000なんちゃら宇宙の旅」。やっぱり「西原商会」やるのかー。スポンサー様には逆らえないもんな。
西原商会」ではライムスの2人がバイブス棒を取り出していましたが、私は持ってくるの忘れてた。つーか、棒の存在自体忘れてた。
宇「この曲は掛け合いがすごいんだよね」
D「掛け合いが増えたのは、僕たち仲がいいからですよ。だって、リリックを分けたり分担したりとか、仲悪かったらできないもん」
いいこと言う!


「2000なんちゃら」の2番Dさんヴァースは面倒な数字がたくさん出るので、スクリーンに歌詞を表示させてDさんは完全に後ろを向いて歌詞を読むというなりふり構わぬラップを披露していました。
ラストの「なん~ちゃら~ら~」で宇多丸さんの美声を聴きたかったのですが、お客にマイクを向けられたので美声を聴くことはできませんでした。宇多丸さんも歌っていたけど。
「2000なんちゃら」は、ライブだと楽しかったな。


ここでhy4_4yh(ハイパーヨーヨ)登場。そして「なめんなよ1989」
2018年の人間交差点フェスで見たことはありますが、記憶は何もない。
ese.hatenablog.com
今回初めてちゃんと見たら、二人ともラップ上手いな!特にyukarin!ステージパフォーマンスもよかったですよ!平場だと挙動不審なのもよい。
お次はハイパヨちゃんだけで「Wannabe RHYMESTER。トラックはRHYMESTERの曲をサンプリングしているのね。
www.youtube.com
そしてそのまま「B-BOYイズム」のハイパヨ合体バージョンへ!これ、宇多丸さん・Dさんのヴァースをハイパヨの二人も歌うという、ハイパヨちゃんにしてみればたまらん体験ですよねー。いいなー。
ハイパヨちゃんのラップを3曲聴いたわけですが、やっぱりちゃんとラップ上手い。
ハイパヨちゃん退場。よかったよ!


D「俺、こないだひとりでステージ立ったんだけど、ひとりって大変だね!」
宇「武道館でもやればいいじゃん」
D「でも、武道館終わってからソロ本格化すると、解散とか言われちゃうじゃん」
宇「それくらい匂わせてもいいんじゃね?まだチケットあるみたいだし。そうだ、RHYMESTERが武道館やるんだから、お前たちチケット買えよ!17年ぶりだぞ、その辺の奴らと重みが違うんだぞ!お前の武道館は、軽い」

D「最近だと、誰が軽かったですか?」
宇「いや、みんな重いよ」
D「ずりーなー」
宇「まあまあ、クリーピーは早えーなーと思いましたけど。軽いか重いかで言えば、軽い」
D「あいつらは人間に重みがないもんね」
と、くだらない話をしつつ、次曲「Open The Window」の話へ。
「Open The Window」はJQパートがスクリーンに映し出されるので私たちも歌いやすい。でもゴシック体なので、ダサい。今後のツアーではもっとオシャレなフォントにしてほしいなー。


このシリアスな曲が終わって聞こえてきたトラックは「Forever Young」!しかもザキヤマRemix!振り幅デカすぎない?
今回のツアーはアルバムリリースツアーですからNEWアルバムの曲をメインにやることは分かっていましたが、この曲はスチャダラパーがいないと成立しないので、武道館までは温存されるものだと思っていました。
で、ライムスだけでどうやるかというと、BOSEのヴァースを宇多丸さんが、アニのヴァースをDさんがラップするという手法。しかし、Dさんはアニのパートを全然覚えておらず、とってもぐだぐたでした。いくらアニのリリックがくだらないとはいえ、やるならしっかり覚えてください。


本編ラストは「待ってろ今から本気出す」
この曲はライブで強い!ヘイヘイヘイ~!リーリーリーリー!


アンコール待ちは律儀に手拍子手拍子。ここで手拍子しない人はアンコール参加させません!
本編終了でちょうど2時間。曲数少ない割りに結構時間かかったな。MCが多いからだ!


アンコールではもちろんグッズの紹介。
曲はまず「POP LIFE」。そして「次がラスト」と言われて、何が来るかなーと予想するわけです。「ラストヴァース」はエモすぎるしラストってわけでもない。「カミングスーン」も今回のツアーには合わない。初日だし。と想像しているときに宇多丸さんの「俺たちにとっての再出発でもあるし」という発言で分かった!
「ONCE AGAIN」!!!


終わってしまいました。けっこうあっさりだったな、というのが第一印象。こうやって書き出すとアンコール入れて19曲ある。でも、季節の3種盛りはメドレーだしソイルとの曲は2曲でセットのようなもんだしハイパヨちゃんの曲は別ものだしと考えると、やっぱりNEWアルバム以外の曲が少ない。
季節の3種盛り以外にもあと3~5曲は以前の曲をやってほしいなー。
あと、2曲やってMC、みたいな構成が多く、盛り上がりきらず完全燃焼感がない。それもまた「あっさり」という印象をもたらす。


今回のツアーはハイパヨちゃんとReiさんがゲストで参加してくれて、ハイパヨちゃんはB-BOYイズムをやったので、Reiさんのときは「ザ・グレート・アマチュアリズム」をやってくれるのではないかという私の勝手な予想。


感想まとめ
●オープニングの演出はカッコよかった!!ライブハウスによっては距離が近くて演者が見えちゃうかもしれませんが、気にせず継続してほしい。
●MC少なめ、もしくは3~5曲くらい連続でやってほしい。トータル時間は同じでよいので、以前の曲をもっと増やしてほしい。
●「Open The Window」のスクリーンに表示するフォントはオシャレに。
●せっかくスクリーンがあるのだから、歌詞やアニメの表示だけでなく、もっと演出として映像などを使ってほしい。


本日のセトリ。
1.After6
2.My Runway
3.予定は未定で。
4.マクガフィン
5.フラッシュバック、夏。
6.into the Night
7.サマーアンセム
8.ジャズィ・カンヴァセイション
9.初恋の悪魔
10.西原商会
11.2000なんちゃら宇宙の旅
12.なめんなよ1989
13.Wannabe RHYMESTER
14.B-BOYイズム
15.Open The Window
16.Forever Young
17.待ってろ今から本気出す
アンコール
18.POP LIFE
19.ONCE AGAIN


RHYMESTERのNEWアルバム、良いよ。

出し方


先日、RHYMESTERのNEWアルバムの感想を書きました。
ese.hatenablog.com
ここでは結構辛口に書いてしまったのですが、あれから数日、日々聴いていたら「やっぱいいんじゃない?」と思うようになったので、前回の記事のフォローを含め、今回の記事を書きます。


そもそも今回のアルバムが酷評されるのは「既発曲が多く新鮮味がないこと」がいちばんの要因だと思っているのですが、もしこのアルバムが全曲新曲で発表されたら、どう?たぶん絶賛の嵐ですよ。
「知っている曲ばかり」だからダメ。そういう評価軸もあっていいけど、もう少しフラットに評価してあげれば、このアルバム、悪くないよね?


もうひとつ。「西原商会」と「2000なんちゃら」問題。
タイアップが悪いわけではないけど、アルバムに入れるべきか?というのはやはり考えなくてはならない。アルバムのカラーと合致するかという問題もあるけど、本作はあまりトータルカラーがないので、そこはあまり問題にならない。
それよりも、曲のクオリティです。アルバムに入れるべきクオリティとなっているか?
そう思うと、ここは厳しい判断をしてもよかったと思うのです。将来の「ベストバウト3」に入れるまで寝かせる。サザンの「ネオ・ブラボー!」なんていまだにシングル以外ないんだよ?それくらい厳しいジャッジをしてもよいのです。(「ネオ・ブラボー!」はそんなに悪い曲ではないのになー)
とはいえ、「2000なんちゃら」は、何度も聴いていたらサビは楽しいし、ラストの「なん~ちゃら~ら~~」という宇多丸コーラスをライブで聴けるのであれば、ライブでも聴きたい。


そして新曲たち。
何度聴いても「My Runway」が図抜けていますが、「Open The Window」「なめんなよ1989」もいい曲ですよ。
そして何度聴いても「My Runway」はもとReiさんの歌とギターを聴きたい。合いの手入れずに
「Open The Window」は、Dさんの熱いフローがよい。曲全体も、最初の印象よりもどんどんよくなっています。「Stop the war」については前回と同じ気持ちですが。
「なめんなよ1989」は、やはりハイパヨちゃんのリリックが熱くてよい。
ザキヤマRemix」も、何度も聴いていたら「そういうもん」と馴染んできちゃった。


というわけで、
●もし全曲新曲だったら大絶賛だったでしょう。
●駄曲を捨てる勇気があれば…。
●その分、新曲があれば…。
というのが私の今の感想。数年後、曲の新鮮味とかなくなった頃に聴いたらいいアルバムだと思うよ、たぶん。


それにしても、リリースは本来ここじゃなかったんだろうなー。
アルバムが出る直前にDさんのソロ曲が出て、ツアーが始まる直前にサンリオのイベントがある。変なスケジュールだな!
それもこれも、私の勝手なですが、宇多丸さんが忙しすぎるから。これは前回の記事にも書いたので繰り返しませんが、ラジオ、もう少し減らしてもいいんでない?


さて、一応フォローの記事は書いたので、これで堂々とツアーを楽しむことができるぞ。ゲストがいないと成立しない曲もありますが、どんなセトリになるのか、楽しみです!


RHYMESTER「Open The Window」感想

惚れた弱み


RHYMESTERのNEWアルバム「Open The Window」を聴きました。仕事が忙しくて平日は聴く時間がなかく土曜日にようやく聴きまして、感想は以下に書きますが、ネットでは評判悪いですな。
そういう情報を目にしちゃうとつい引きずられちゃうので嫌だなーと思っていたのですが、25日(日)にインストアライブに行ってきまして、そこで新曲を生で聴いたら「やっぱいいな!」と思ってしまいました。私はチョロい男です。


そもそも、6年ぶりのアルバムで途中散発的に新曲を発表してきたものをまとめれば、そりゃとっ散らかったものになる。楽曲のテイストも音像も歌詞のテーマも。
※そう思うと、椎名林檎は毎回すごいなー。シングル単体でいい曲&違う曲を出しつつ、アルバムにまとめるとトータルカラーが統一されている。さらに楽曲タイトルも実はアルバムコンセプトに合致している(文字数までも!)。すごいなー。
それだったら、過去の楽曲はコラボが多いんだから思い切って「ベストバウト2的なもの」として別のアウトプットで出し、オリジナルアルバムはRHYMESTER単独(もしくは厳選コラボ)でやるべきだったのではないかなー、と思うのです。
まあ、「アルバム」とは「記録」のことなので、そのときの記録をまとめたものでも間違いはないのですが、それでいいものができていると本気で思ってる?ってことです。


これまで、RHYMESTERは「アルバム」としての意味を持った作品を出してきました。
「ウワサの真相」はメジャー1発目なのであまり独自の色はありませんが、「グレイゾーン」は「ウワサの伴奏」のカウンターとして「3人のみでやる!」という縛り、そして「俺たちのやっているHIPHOPアメリカの翻訳じゃない」というテーマがありました。
「HEAT ISLAND」はこれまた前作の反動で「ごった煮パーティー地獄!」な印象のアルバムでした。
活動再開後の「マニフェスト」は、活動再開にあたり「より強くなった俺たちを見ろ」「やっぱりHIPHOPはカッコいい」という宣言でもありました。
「POP LIFE」は「既にラップは日常生活の一つ」であり、大上段に構えた楽曲は控えめでした。
「ダーティーサイエンス」はきったない音像と荒々しいトラックで、まさにダーティーなサイエンスにより出来上がった作品でした。
「Bitter, Sweet & Beautiful」は、「美しく生きること、それが世界のおかしな流れに抗うことだ」というテーマで、アゲ曲は少なく説教臭いアルバムになりました。
前作「ダンサブル」はタイトル通り「踊る」「リズム」に焦点を当てたアルバムでした。


このように、RHYMESTERのアルバムは基本前作からの反動で逆ベクトルに振り切ったものになり、振り切った先で極端な表現をすることで、新しくエッジの効いた作品を生み出してきました。
それが、6年という年月とコロナ禍により「前作からの反動」が利かなくなっていました。その結果、ただまとめただけというアルバムカラーもコンセプトも何もない、ぼんやりとした「作品集」が世に放たれました。ちーがーうだろー。


まあ、既発曲を全部入れて新曲3曲だけ、って時点でフレッシュさもワクワク感もないのは目に見えていましたが、実際聴いてみるとやっぱりフレッシュさもワクワク感も感じにくいよねえ。
以下、全曲感想。


1.After6
この曲は好きですが、2018年の曲なのでフレッシュさはないよねー。
都会っぽいオシャレなシンセサウンドはよい。


2.My Runway
新曲3曲の中でいちばんよい!4つ打ちビートのリズムが気持ちいいし、Reiさんの声もギターもよい。サビの「スーパースター」のメロディ、Dさんじゃ書けなかったメロディだな。サビはRHYMESTERもっと引っ込んでReiさんにもっと歌ってほしかった。あと、アウトロもっと長くしてReiさんのギターソロをたくさん聴かせてほしかったなー。
でも、いい曲。ライブで盛り上がる。やっぱり4つ打ちは強い。


3.Open The Window
ナルバリッチは毎回同じ曲、同じメロディだな。
いい曲なんだけど、何だかピンとこないんだよなー。「Hands」のような説教臭さがあるからかな?「911エブリディ」や「いのちのねだん」などでRHYMESTERは何度も戦争の曲を歌ってきたのにな。
リリックは、JQの部分がいちばんいいですね。「頬をかすめてったPain」「それでも世界は進めのサイン」。こういう抽象的だからこそ広く意味を持つ言葉は、やはりメロディがあると強いですね。倍音のように意味とイメージが広がっていく。
この曲でいちばん好きでないフレーズは「Stop the war」「No more war」の部分。
「戦争反対」なんて、誰でも言う手垢のつきまくった言葉。そんなのプーチンだって言うよ。「戦争を止めるべきだ。だからウクライナは早く降伏しろ」って。なので、「戦争反対」なんて言葉は今や何の意味も効力もない。「どうやったら戦争に至らないか」を考えるのが政治であり外交です。50を過ぎたおっさんが中学生みたいなスローガンを叫んでいて、めっちゃ冷めました。


4.初恋の悪魔 -Dance With The Devil-
この曲はカッコいい。ジャズはカッコいい。
ソイルのメンバーが大麻で捕まっちゃいましたが、2月の武道館には出てくれますよね?少量の大麻で初犯なら、不起訴もしくは執行猶予ですよね?


5.世界、西原商会の世界! Part 2
こんなノベルティソング、西原商会の社員にCD-R配って終わりにしとけ。
どう考えても駄曲。アルバムに入れない勇気を持て。クオリティを保つ矜持を持て。
ライブでも全然聞きたくないのですが、西原商会がツアーのスポンサーになっているので毎回やるんだろうな。武道館でもやるんだろうな。記念すべき武道館ライブをこんな曲で時間を使うな。鹿児島だけにしとけ。
アートがカネに負けた証として記憶しておく。
(とはいえ、スタープレイヤーズの貴重なサポート主ですから、無下にするわけにもいかないですよね。大人の事情)


6.2000なんちゃら宇宙の旅
こんなの入れて、アルバムのカラー保てると思っているの?入れない勇気を持て。
個人的にはこれもライブでやらなくていいと思っているのですが、このアニメをきっかけにRHYMESTERファンになったり初めてライブに来たりする子がいるなら、やった方がいいか。
大人の優しさを見せよう。


7.予定は未定で。
私はレゲエが苦手なので「大好き!」とは言えませんが、いい曲ですよね。
ライブだと「ちょうどいい」「グラキャビ」のようないい緩衝材になると思われます。宇多丸さんのフローも好きよ。


8.マクガフィン
この曲はラップのスキル出しまくりのDさんヴァースが大好きなので、好き。でも、岡村ちゃん要素がもっとあってもいいのになーとも思っています。ReiやJQの曲と同じく、サビは歌手にもっと歌わせてほしいです。
キックの「住所」も岡村ちゃん不足。ラップと歌もののコラボだと、久保田利伸KREVAの「M☆A☆G☆I☆C」がちょうどいい塩梅だと思っています。


9.なめんなよ1989
hy4_4yhのイメージとタイトルから激しい曲を予想していたのですが、オシャレなピアノからスタート。トラックもファンキーでちょいジャジーでカッコいい。
この曲はRHYMESTER側は1989年の世界・社会情勢、グループ結成の頃を歌い、hy4_4yhは1989年生まれなので自分の半生を歌うという構成。これだと、「なめんなよ」というタイトルはあまり正しい気がしないのですが…。
この曲は「負けても負けねえ 死んでも死なねえ」がいちばんのパンチラインですね。次点は「土曜の夜のウイスキー瓶から誕生」「愛と気付かず愛され育った」。ライムスよりハイパヨちゃんの方がリリック強い!


10.Forever Young(ザキヤマ Remix)
この曲は好きなのですが、ザキヤマRemixになっているので、アルバムの中の正規の1曲として聴くのはちょっとツラい。1回2回はいいけど、5年後もずっとこれ聴いているのはツラい。スチャダラパー版を聴けばいいのか。シングルのカップリングでよかったのに。
発表時は2020年でしたが、今回のアルバム収録に合わせて、Boseの最初のリリックが「2023」に変わっているのがよい。芸が細かい。その分、韻踏まなくなっちゃったけど。


11.待ってろ今から本気出す
この曲も2019年1月ですから、だいぶ古い。2019年のツアーでも何度も聴きました。
それでも、やっぱりこの曲はライブで強い。オープニングでもラストでもどっちでも使える。


個人的には、「西原商会」と「2000なんちゃら」はカットしてほしかったなー。んで、「After6」「初恋の悪魔」「マクガフィン」という「大人のアーバンなHIPHOP」というアルバムカラーでほかの楽曲も作ればよかったのに。なんて素人の無い物ねだり。
本人たちもいろいろ考え、大人の事情も折り込み、収録になったんですよね。


今回のアルバムは、RHYMESTERパンチラインがないんですよね。ラップは言葉の音楽。これまで何度も「うまいこと言う」「その通りだな、自分も頑張ろう」「核心を突く」「RHYMESTERだから説得力がある」と感動してきたのに、本作ではまだそういうリリックに出会っていません。そこがちょっと残念。


もうひとつ。コロナの扱いについて。
コロナ禍は先の見えない状況だったのでなかなか言葉を紡ぎにくく、それを作品に落とし込むことは難しかったと思います。そのとき思ったことと作品を出すときに思っていることは違っていたかもしれないから。だから間が空いたんだ、と思っていました。
なのに、結局コロナのことは触れないままなのか。何のための6年だったのか。


なぜ6年も空いたのか。なぜRHYMESTERのアルバムとMummy-Dのソロアルバムが同じ年に出るのか。私の勝手な思い込みですが、宇多丸さんが忙しすぎるからではないかと思うのです。そのため作業が遅れ、DさんのソロとRHYMESTERのツアーがかぶってしまうようなことになったのでは。
毎日3時間の生放送を週に5日。もちろん放送のための打ち合わせや仕込みや取材もあるわけで、それだけで本業に相当影響ありますよね。
仕事、減らせませんかね。せめて金曜日はお休みするとか、できませんかね。
こういうことを言うと宇多丸さん本人は「全然大丈夫。自分が好きでやっているから」とか言ってくれると思うのですが、影響がないわけない。本業はラッパーですよ。本籍はRHYMESTERですよ。


そろそろまとめに入ろう。
今回のアルバムが残念な感じになったのは
・既発曲ばかりで新鮮さがない
・新曲のパワー不足
・ダメな楽曲を切れない弱さ
が主な要因だと思っています。なので、「西原商会」と「2000なんちゃら」を切ってRHYMESTERのみの強い楽曲が2曲でもあったら、だいぶ印象は違ったと思います。既発曲とのバランスも半々になるし。


とはいえ。
実はこの原稿は6/24(土)に書いてあって、校正やアップする時間がなかったため本日まで寝かせていました。そして6/25(日)にインストアライブに行って生で新曲を聴いたらやっぱり良くて、だいぶ書き直しをしてこの原稿になっています。
気持ちが少し離れかけていたのに、セックスしたらやっぱり好きで離れられない女子のよう。知らんけど。


つーわけで、ライブが楽しみになりました!川崎、新潟、大阪、武道館に行く予定です。初日の川崎はまさかの落選で「RHYMESTERのくせに落選とは」と愕然としていたのですが、運良くリセールをゲットできました。
7月から来年2月まで長いけど、その分楽しみも長くなる。数年ぶりに声出しもできるライブ、楽しみです!