やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

RHYMESTER『ライムスターイズインザハウス』atチッタ川崎 に行ってきました!感想

ライブはお客の声も構成要素


RHYMESTERの2年3ヶ月ぶりのワンマンライブ1発目、クラブチッタ川崎に行ってきました。


前回が2020年1月だもんなー。コロナが流行する直前にツアー終えられてよかった。
ese.hatenablog.com
今回はライブハウスですが指定席仕様。なので荷物やロッカーの心配はしなくてよいし時間前に並ばなくてもよい。ありがたい。


箭内さんは毎回律儀にお花を出していて偉いなー。


中に入る。

私は日頃の行いがよいので3列目の宇多丸さん側をいただきました!わーい。
イスがあるのはありがたいですが、みっちりと並んでいて狭い。結構密ですね。

そして今回はコロナ禍のライブであるということで、声が出せない。そこでこのバイブス棒ですよ。ライト&ボイス。14種類のカラーと6種類の音声。正直こんなに機能いるかな?と思いながらも、今回のツアーでこの棒は必須でしょうから買いました。


さて、開演!
「ザキング!ザキング!ザキングオブステージ!」のトラックとともにJINさんの雄叫び。カーテンが開くと、DJブースの後ろには今回のツアータイトル「ライムスターインザハウス」のロゴがあります。
JINさんがMC二人を呼び込み、いよいよスタート。
宇多丸「お待たせしました!声が出せない代わり、今回はバイブス棒とかも駆使して、どうなるか分かんないけどやってみましょう。何度でもやり直してやろうじゃないの、つまり『ONCE AGAIN』!」
この曲はどこに置いても成立するから強いなー。
うむむ、思った以上に声が出せないライブは辛い。コンサートなら素晴らしい歌声と演奏を聴き惚れればいいのですが、これはライブですから、そしてHIPHOPライブですから、韻の部分は被せたいじゃないですか。でもできない。もちろんコール&レスポンスもできない。その分Dさん&宇多丸さんが相手の韻を被せたり普段客席に振っている部分を相方が歌ったりしていて、上手く間を埋めていました。これ、ソロラッパーは厳しいね。
そして声を出せない分、ラップをしっかり聴くわけです。演者もそれは分かっているわけです。なので、二人ともラップキレキレ。「楽しむ・暴れる」ではなく聴いて「気持ちいいラップ」がありました。


『Future Is Born』『Back & Forth』と3曲ノンストップで演奏。引き続き声の出せないもどかしさもありつつ、熱はバイブス棒に託して振る!
このバイブス棒、振っているとまるでアイドルのライブのようですが、きれいなのは否めない。私は3列目で結構前の方でしたが、後ろから眺めたら壮観な眺めだったんじゃないでしょうか。


最初のMC。
宇「『ライムスターイズインザハウス』って新しいライブシリーズだけど、別に改まったもんじゃなくて、ウィズコロナ時代を踏まえた上で『ライブやりたい』ってだけなんです」
D「生きてる!って感じがするね」
宇「そう?変な棒買わされてますけど」
と、ここからバイブス棒の操作説明。宇多丸さんの声に合わせてコール&レスポンス。正直、音も音量もしょぼいので、成立はしないです…。この音声は過去のライブでの私たちの音声を収録したそうで、それはありがたいのですが、しょぼいです。
D「遠い…」
はるか遠くで叫んでいる声がかすかに聞こえる感じでした。


お次は『ライムスター・イズ・イン・ザ・ハウス』。このツアーのタイトルですからもちろんやるよね。今回も新しいルーティンで演奏してくれました。そう、RHYMESTERは(特にこの曲は)DJがトラックを演奏しているのです!
『Deejay Deejay』も新しいトラックで。この曲は音源のトラックが好きだったので「あれで聴きたかったなー」という思いも少しある。
これは風営法の曲ですが、「踏ん張ってくれその日まで」というリリックはコロナ渦でのDJやライブハウスに向けた意味でも通用しますね。そして、「手を叩け足を踏み鳴らせ」は現在の声を出せないライブにおいて数少ないお客のできること。私も懸命に叩いて踏みました!


再びMC。
宇「次は本当に久しぶりにやる曲です」という流れからロシアのウクライナ侵攻の話、そしてチェチェン、クリミア、シリア、ミャンマーなどの話も含めてシリアスなMCでした。さらに我が国の移民に対する仕打ちなども。
バイブス棒をウクライナカラーにしようということで、青か黄色の指定。
曲はもちろん911エブリディ』
今回のライブは声を出せないのでラップをじっくり聴くわけで、そうするとDさんはリズムとグルーヴの人、宇多丸さんは理屈と韻がしっかりしているリリシスト、という印象をより強く感じました。
この曲はアメリカの911イラク侵攻が元になっている曲ですが、戦争や戦争報道の本質を突いているので今回の事態でも強度は変わらず聴くことができます。つまりは耳が痛い。


この曲はとても重いため、次で空気を変えよう。
『POP LIFE』。そうだよな、ポップな日常がいいよな。


今回はイスがあるのでここで座らせてMC。
Dさんのインスタの話だったけど何も覚えてないな。
D「宇多さんはアウトプットがあるからいいよね」
宇「俺、ラジオがなければすぐYouTuberよ」


座ったまま『グラキャビ』
この時代にツアーをするってのは演者にとっては楽しいことばかりでなく、居酒屋にも行けず他人とも会えずとにかくストイックに過ごさなきゃならないしライブではお客は声も出せないし、気苦労の多さと見返りの少なさと、以前のツアーとは気持ちの収支勘定は違っているんだろうな、なんて余計なことを考えてしまいました。それでも今はツアーをできる喜びの方が上か。
そのまま続いて『ナイスミドル』
これは「ナイスミドル=中年の自分」「HIPHOPのミドルスクール=90年前後」「初恋=HIPHOP」と意味がいくつもかかった曲です。この曲のトラックも好き。


立ちましょうと促され、新曲をやりますと言い、バイブス棒は緑を推奨され、とある会社で歌った、とここまでくれば気づきますね。『西原商会社歌』のRHYMESTERバージョンです。タイトルは『西原商会の世界Part2~逆Feat.クレイジーケンバンド』と言っていた、はず。「逆フィーチャリング、誰もやらないから2回目はまた自分たちだった」と宇多丸さん言っていました。
www.youtube.com
トラックもこれだった。これにラップを足した感じ。
これは「自分たちの最後になるであろうフィジカルのシングルになる」そうです!えー、この曲でシングル?確かに明るくて楽しいけど、シングルになるほど強い曲じゃなかったよー。


さあ後半戦もクライマックス。
『B-BOYイズム』『ザ・グレート・アマチュアリズム』『K.U.F.U.』のアゲアゲ3連発!
『アマチャ』はJINさんパートのみ。『アマチャ』はDさんパートが肝なのになー。
『K.U.F.U.』は確かにこのツアーには必須ですね。バイブス棒もKUFUの賜物。そしてラストのDさんアカペラパートで爆発!


本編最後のMC。
ここだったか忘れましたが、今回は声が出せない分、途中から宇多丸さんより拍手の要求が強くありました。「拍手なら、手がちぎれようとも、俺の耳をつんざくばかりに、いくらでも」。うん、こういうSな宇多丸さん好き。
本編ラストは『ラストヴァース』


アンコール。MCで物販のTシャツいじり。「ライムスターイズインザハウス」のロゴが家の形だからそれを矢印に見立てて「顔に目がいくTシャツ」と言っていました。それ、あまり販促になっていないと思いますよ。
宇「こっちのTシャツはポケットが付いているから、大事なへその緒とかおじいちゃんの遺骨なども収納できます」。テキトーでいいなー。
宇「引き続きバイブス棒、よろしくお願いします」D「バイブス棒、いい棒です(太田胃散の言い方で)」宇「いい棒って何だよ」テキトーでいいなー。
『2000なんちゃら宇宙の旅』『待ってろ今から本気出す』でおしまい。


全部終わったと思ったら、サプライズでDさんハッピーバースデー!BGMもマリリン・モンロースティービー・ワンダーではなく、私の知らないカッコいい曲でした。ケーキはなく、花束のみ。
「こういうツアーなので今回は短めに」と途中で言っていたのに結局アンコール入れて2時間。結局いっぱいしゃべっていっぱいサービスしちゃうおじさん3人。大好きです。


感想まとめ。
これまでコロナ渦のライブには何度か参加しましたが、それはコンサートだったので聴くだけでよかったけど、今回はライブなので、私たちの声も必須要素なわけです。その分楽しさはだいぶ減ってしまっているのですが、このご時世だから仕方ない。今できることで楽しむしかない。
というわけで、バイブス棒は必須アイテムです。レキシのライブの稲穂くらい必須アイテムです。これから行く人、必ず購入しましょう。
そして、私たちが声を出せない分演者の皆さんがその間を埋めてくれたし(JINさんも大活躍していた!)、ラップに集中すると「やっぱラップ上手いな」と今さらですが再確認することもできました。
実際、カラオケでラップを歌うと、歌えてもグルーヴを出すことって難しいですよね。早口でなくラップであることはやはりスキルの壁があるってこと。


あとね、私の2列後ろにおっさん二人組がいて、そいつらは途中でも顎マスクでずーっとしゃべっていてとても不快でした。マスクしろよ!しゃべるなよ!演者側がどれだけ準備してこのツアーやっていると思っているんだよ。RHYMESTERのファンは民度が高いのが自慢だったのにとてもがっかりしました。あいつら、この2年寝てたの?今の世界を知らないの?
スタッフも、見つけたら注意してほしいし退場させてほしいです。このご時世にライブをやるなら厳格なルールは必要で、それをお客にもお願いしている以上、それに違反している人にはきちんとダメ出しをしてほしいです。コロナに関するルールを守らないというのは、周りのお客・演者・スタッフを危険にさらす行為です。その点はもっと厳しく対処してほしかったです。次回以降、よろしくお願いします。


本日もいろいろ匂わせがあったので、今後楽しい発表がいくつもあるんでしょう。楽しみ!


本日のセトリ
1.ONCE AGAIN
2.Future Is Born
3.Back & Forth
4.ライムスター・イズ・イン・ザ・ハウス
5.Deejay Deejay
6.911エブリディ
7.POP LIFE
8.グラキャビ
9.ナイスミドル
10.西原商会社歌
11.B-BOYイズム
12.ザ・グレート・アマチュアリズム
13.K.U.F.U.
14.ラストヴァース
(アンコール)
15.2000なんちゃら宇宙の旅
16.待ってろ今から本気出す