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映画『新感染半島 ファイナル・ステージ』感想

続編ではなかった


映画『新感染半島 ファイナル・ステージ』を見てきました。公式サイト↓
gaga.ne.jp
前作の感想はこちら↓
ese.hatenablog.com


前作がとても面白かったので今作も期待!しかし、全然違う作品になっていました…。
(以下、ネタバレあります)


前作から4年、崩壊した韓国に戻って大金の入ったトラックを奪ってくるミッション。参加するのは「自分が生き残るために他人を見捨てた自暴自棄な主人公」「その姉の夫」「元タクシー運転手のおばさん」「素性分からずすぐ死ぬ男」の4人。なぜこの4人なのかは一切説明がなく、何となく修羅の国へ出発(ゴムボートで漕ぎ出す感じが『北斗の拳』に見えた)。


上陸した崩壊韓国は『バイオハザード』の世界。ゾンビはゲーム中のザコ敵キャラでしかなく、簡単に倒していく。
とはいえピンチにならないと盛り上がらないのでピンチになると、『ワイルドスピード』が始まりました。セットとCGの中でCGの車がCGのゾンビをなぎ倒していく。どれだけゾンビを轢き殺そうとどれだけ体当たりを食らわせようと、なぜか車は超頑丈でまったく壊れません。バンパーもシャーシも無傷のまま。
後半の車での追いかけっこは『マッドマックス』ですね。崩壊した韓国でどうやってあんな改造車を作ったのか。もうこの辺になるとそういうリアリティラインは何も感じなくなっています。


途中、631部隊という荒くれ集団が出てくるのですが、こいつら4年間崩壊した韓国でどうやって生き延びているの?略奪だけでは生きていけないでしょ。どうやって組織を成立させているの?
ゾンビと捕虜の「追いかけっこ」で楽しんでいるけど、ゾンビなんて毎日見ているんだから楽しくなんかないでしょ。『カイジ』かよ。
賭けをしているようですが、この世界にカネなど何の意味もないでしょう。
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後半、①主人公と途中出会った家族②ソ大尉③631部隊の追いかけっこになるのですが、631部隊はトラックに大金が積んであることを知らないので、追いかける動機が分かりません。単に「俺たちの邪魔をする奴は皆殺しだー」ということかもしれませんが、ノレない。631部隊もこの大金の話を知って、半島を脱出できるチャンスとして動くのであれば動機としては強いものになるし物語のベクトルとして1本にまとまって推進力も増すのに。


631部隊を全員退治したぜー、からのソ大尉突然横から登場!はよかったです。その後船で「完全に撃ち殺されてからの復讐」はさすがに無理があるだろ。あれだけ何発も撃たれていたら即死だって。どうしてもトラックを動かしたいなら「死んだはずみでアクセルに足が」「ブレーキが故障」などだったらまだ許せるけど。


国連が助けに来てからのラストのお涙頂戴タイムが長い!
自殺をしようとしてから引き金を引くまでが長い。足を撃たれている女性があんなに戦えるかよ。あんなに走れるかよ。助け出すところにももうひとつロジックがほしかったなー。そしてスローモーションはいらない。余計冷める。『踊る大捜査線』かよ。


ゾンビ映画ではありませんでした。アクション娯楽作でした。残念。続編関係ないので単品だと思えばまた違う感想なのかなー。それでもB級ホラーアクションの域を出ないよなー。
あと、オープニングの「日本が寄港を許可しなかったので香港に行き先変更」は入れる必要全然ないし、631部隊は旧日本軍の731部隊が元ネタなんだろうけど、こういう無意味な嫌日本要素、いる?ノイズにしかならないよ。残念。
●主演:アンジャッシュ渡部
●敵役:エハラマサヒロ
●車の運転が上手い少女:平野美宇(卓球の人)
●ソ大尉:DJ松永
でお送りしました。