やりやすいことから少しずつ

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映画『エイリアン コヴェナント』 感想

登場人物全員バカ


映画『エイリアン コヴェナント』を見てきました。公式サイト↓
www.foxmovies-jp.com
この作品は『エイリアン』シリーズの前日譚で、『プロメテウス』の続編にあたります。私は『プロメテウス』はまったくはまらなかったのですが、本作はどうか。
ese.hatenablog.com


感想。ダメでした。
小見出しにも書きましたが、登場人物が全員バカなのです。宇宙飛行士ってエリート中のエリートしかなれないんじゃないの?どんなときだって理知的で理性的な判断・行動をするものではないの?
もともと宇宙飛行士にはそういうイメージがあり、さらに『オデッセイ』を見てからよりその意識を強めていたのに何だこれは。
ese.hatenablog.com
と思ったら、『オデッセイ』もリドリー・スコット監督作品じゃねーか!リドリー、どうしちまったんだよ。お前、そんな奴じゃなかっただろ。もっとまともな奴だったじゃねーか。


ホラー映画ではバカな登場人物が勝手な行動をすることで事態が悪化するのは定番で、お約束みたいなテンプレ行動です。なので本作もそれに従っているのだと思うのですが、でも宇宙飛行士はそんなにバカじゃないし自分勝手な行動しないよ!
●何か、良さげな星があるよ。行ってみよう。→行くな!
●トイレに行ってくる→死亡フラグ
●病人を隔離→でも開けちゃう→エイリアン拡散
●エイリアンを撃ち殺すぞ→船内で銃を乱射→宇宙船爆発
●嵐がひどいので星に近づけない→でも行く→行くなってば!2,000人の命を預かっているんだろ!


もうひとつ。宇宙についての描写がテキトーすぎ。謎の星に到着したら空気も重力も地球とほぼ同じでした。そんなわけねーだろ!百歩譲ってそうだとしても、どんな大気組成になっているか分からないから宇宙服着て行動するだろ!登場人物もバカだし映画の作り手もバカかよ。
宇宙で科学の常識を無視していいのはスターウォーズだけだよ。


さらにもうひとつ。アンドロイドの立ち位置が中途半端。この世界のアンドロイドはどれくらい意思や感情を持つ設定になっているのか分かりませんが、無意味なところで人間に寄せすぎ。役者が年をとったからアンドロイドも老化させるな。驚いたときに驚いた顔をするな。アンドロイド同士の闘いで喧嘩アクションをするな。肉体的に痛めつけるのとアンドロイドの機能停止を狙うのはまったく別ものだぞ。


最後に。主人公が魅力ゼロ。
このシリーズはリプリーから始まり毎回強い女性が主人公なのですが、本作のダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)はその魅力がまったくありません。終始マイナス思考でうじうじして何度も泣くしラストでは「レディに手を貸して」なんて言う。お前はこのシリーズ失格だ!いくらタンクトップ着ていてもダメ。私は認めない。
見た目もウーマンラッシュアワー中川パラダイスみたいだし。


そして何より、本作はエイリアンの話ではなかった!アンドロイドのデヴィッドとウォルター(マイケル・ファスベンダーの二役)の話でした。エイリアンは添え物。


この作品についてはいろいろ周辺情報があり、深読みもできます。
miyearnzzlabo.com
blog.imalive7799.com
でもね、作品中では何も語られていないしその深さにたどり着く面白さもない。作品に消化されていないのです。見ている私たちがそこまで作り手側の意図を忖度する必要はない。


このシリーズはまだ続く(しかも2本予定!)そうですが、やめようぜ。もしくはリドリー・スコットから権利を奪おうぜ。