やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

卒業する君たちへ、少しだけ贈る言葉

ゴールはまだまだ先、勝敗はついてない


3月なので卒業の季節です。中学・高校・大学からの卒業、就職、またこのタイミングで転職する人もいるでしょう。みなさん、おめでとうございます。新年度からの新生活を楽しんでください。
卒業は、「仲間との別れ」と思う人と「呪縛からの解放」と思う人がいますが、どちらも正解です。友達との縁を続けるのも新しい環境でリセットするのも自分の自由。選択肢は無限、決めるのはあなた。
そんな皆さんに、おっさんからの言葉を贈ります。


受験は上手くいきましたか?就職は本命に入れましたか?たぶん希望が100%叶った人の方が少ないと思います。そこで「あいつに負けた」「あいつは勝ち組」「あいつは成功した」「それに引き換え自分は」と思ってしまうのは自然なことです。でも、負けてなんていません。それはあくまで現時点での話。勝負は死ぬ時まで決まらないのです。


人生100年時代。15歳のときはまだ100m走で15m地点ですよ。何も決まっていない。高校卒業でも大学卒業でもまだ序盤戦。何も勝ってないし負けてない。
有名人でも晩節を汚してしまった残念な人は何人もいます。政治家でもたった一言で政治生命が終わってしまう人もいます。そんな人はいくら若いときにモテたりお金を稼いでも、やっぱり寂しい晩年だと思います。


歳を取れば取るほど、「人生って長いなー!」を実感します。私は30代後半で転職したのですが、60歳まで勤めることを考えると、転職後の方が長いのです。あんなに頑張ったのに、あんなに毎日毎日仕事して何年も経ったのに、まだ半分経ってないの?そう思ってクラクラしたことを覚えています。
さらに今の時代は定年は65歳になり、今後70歳になるかもしれません。そんなに働かなきゃいけないのか…。で、そうなってもたぶん私たちは健康なので、その先の老後がまだまだ長くあります。その頃、年金はなし崩しに無くなってしまうでしょうから、そのエンドレス老後をどうやって過ごす(というか生き抜く)かを今から考えておかなければなりません。
若いうちに高い車を買ってぶいぶい言わせるのがいいのか、貯蓄して老後に備えた方がいいのか。アリとキリギリスのどちらが正解なのかは分かりません。
結婚して子供ができても、親子関係が上手くいかず絶縁なんてこともありえます。病気するかもしれないし事故に遭うかもしれません。未来はバラ色かもしれませんが、灰色かもしれません。一寸先は闇と諸行無常だけが世の理です。
お金を稼いでも家族に見放される人、お金がなくても家族に支えられる人、結婚しなくても友達関係が充実している人。どれがいちばんの幸せなのでしょう。


私は地方の大学と東京の大学に合格し、どちらでも選べたのですが、当時田舎童貞少年の私は東京にビビってしまい地方を選びました。そこでは今でも付き合いのある友達もできたし就職もできました。もし東京を選んでいたら全く違う大学生活だったし友達も違ったし就職先も違ったでしょう。どちらが正解だったのかは分かりません。
同じように希望通りの大学ではないとか就職先ではない人も多くいると思いますが、そこでしか出会えない人やそこでしか得られない経験もあるので、それが成功だったか失敗だったかは、後になってからでないと分からないのです。


未来は不確実ですが、「大人の方が楽しい」はたぶんほとんどの人が感じる事実です。私は「大人は自分で自分をプロデュース」と思っていて、何を着るか何を食べるか、いつ寝ていつ起きるか、夜更かししてもいいし早く寝てもいい、買ってもいいし貯金してもいい。何でも自分で決められるのです。あらゆることに自分が決定権を持っているって、楽しい!
これが結婚・子育てのフェイズに入るとそこまで自分の好き勝手にはできませんが、家族をプロデュース、ということはできます。大人は、楽しい。


繰り返します。人生は長い。今自分は100m走で何m地点?今現在先に進んでいるように見える人も、ゴール付近で転んでしまうかもしれません。ゴールはまだ先、勝負はまだついてない。自分の人生は自分でプロデュースしよう。もちろんあくまでプロデュースなので、小室さんですら売れないときがあるように、思い通りにいかないこともあります。それでも、自分が決定して選んだ人生は、楽しいぞ。


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