やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

RHYMESTER30周年企画「飲みーティング」に行ってきました!(その1)

あっという間の5時間


RHYMESTERは今年結成30周年。おめでとうございます。
そこで、今年はいろいろ企画がありまして、元日に新曲解禁とか47都道府県ツアーとか企画アルバム2枚出すぞとかいろいろありまして、その中の一環で「飲みーティング」という「RHYMESTERのメンバーと飲みながらダラダラ語る」という企画があったので行ってきました。
www.rhymester.jp
会場は新宿ロフトプラスワン。サブカルの聖地ですが、私初めて来ました。キャパを調べたら150~200程度。そりゃすぐ完売するわ。私も瞬殺で買えなかったのですが、神が舞い降りてきまして何とか入場することができました。ありがとうございました!神!
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今回のイベントは深夜0時開場、0時半スタート、終了予定5時というスケジュール。普段の私は完全に寝ている時間です。そんな時間にお酒飲みながら話を聞いているだけで起きていられるのか?会場は盛り上がるのか?途中ダレ場ができるんじゃない?しかし、そんな不安は完全に杞憂でした。ずっと楽しく、ためになり、時間不足の5時間でした!


今回のレポですが、この日私はノートを持参しまして、メモを取りながら聴いていました。なので、語尾などはあやふやです。また、「これはノーツイートだぞ」と言われた内容もいくつかあったのですが、どれがNG案件だったのかもう覚えていないので、もし「それ、ダメなやつ!」というものがあったら教えてください。消すかボカすかします。RHYMESTERオフィシャルのいうとおり、トークショウリテラシーに則って書くつもりです。


「絶対常識の範囲内でね」(@岡村靖幸


さて、入場。
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箭内さん、こんなイベントにまで(失礼)お花を!ありがとうございます。
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今回は「飲みーティング」ですから、グッズもビールジョッキです。
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飲みながら楽しみましょう。


さあ、スタート!
「笑っていいとも」のテーマ(お昼休みはウキウキウォッチング)に乗せてお三人登場。番組登場時のお名前プレートも持参。
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この日の皆さんのファッションは、宇多丸さん:黒の『クリードⅡ』のパーカー、JINさん:青のチェックシャツ、Dさん:白Tにヒョウ柄(と思ったが、キリン柄らしい!)のカーディガン+黒いハット、といういでたちでした。
宇「図らずも、タイムリーな曲で」
D「俺、羽賀研二いいとも青年隊のメンバーだってこと知らなかったよ」
宇「マジで!?」
いきなり何の話してるの?挨拶とか乾杯とかないんか!
宇「僕、ほら毎日ラジオやってるじゃないですか。そうすると、ちゃんとやらないといけないんですよ」
J「そりゃそうだ」
宇「なので、すごく無責任なトークに飢えているんですよ」
宇「グッズでビールジョッキ?なぜこんな在庫抱えるようなことを…。これでビール飲むと100円引きになるんでしょ。今日のチケット2,500円?じゃあ25杯飲めばタダですよ」
宇多さん、既にはしゃいでいます。


では、いざ乾杯。
D「なかなかないよね、ファンと飲み会」
J「それではこれより公開飲みーティング2019始めたいと思います。乾杯~!」
JINさんの乾杯の挨拶、簡潔だった!


今回のスケジュールは「第一部『過去』:過去曲の解説」「第二部『現在』:メンバーがはまっているもの」「第三部『未来』:人生相談」となっております。さて、タイムスケジュール通りに進むかな?
入場時にアンケート用紙が配られてそれに書いておくのですが、私は事前にパソコンでいくつか質問事項を書いてきておりまして、それをスタッフに渡しました。ふふふ、事前準備万端だぜ。


さて、予定から30分ほど押して(そのうち10分は羽賀研二の話)、曲の解説スタート。BGMで曲を流しつつ、メンバーの後ろのスクリーンに歌詞を表示して語るというスタイル。


Come On!!!!!!』
宇「トラックを聴いたときに『死ぬほどカッコいい!』って思って、気負い過ぎちゃって、完成に至るまでに5~6バージョンくらい作った」
D「これは直球ヒップホップ。社会的なテーマじゃなくて単純にカッコよければいいって感じで書いた。タイトルも『HIPHOP』でよくね?とかそこまでいってたよね」
Dさんの歌詞「横の棒よ縦の棒よ」は五線譜と小節を区切る線のこと、「トゥラタッタッタ」の部分は「こんなリズムの歌詞入れたいなー。そのままでいいや」で入れた、ここは佐野元春さんにすげー褒められた。
宇「『いわば逆ジェロ』の部分を思いついたときは『俺、天才!』と思ったね」
D「『逆フィーチャリング』もあなたが考えたんだよ」
あと、「クラスのトップ泣かしたベロ」の秘話も語ってくれたのですが、ここはノーツイート指示でした。


『隣の芝生にホール・イン・ワン』
このタイトルはデブ・ラージとの飲み会でこの単語が出て、それを「これいい!」と宇多さんが脳内メモして、その後「こういう曲作るんだけど、あの言葉使っていい?ブッダでやらないでしょ?」と一応許可を得たそうです。
サンプリングの元ネタはRUN-D.M.C.『Sucker MC's』。
www.youtube.com
ホントだ!
宇多さんの歌詞は、ユーミンのような「最後の一行でバシっとオトす」がやりたかったとのことです。


ノーサイド
D「俺の歌詞、暗いんだよなー。サビで明るくなるからヴァースで落としたんだけど、今ならこんな暗いの書かない。でも、当時世の中の『ポジティブなことしか歌っちゃいけない』みたいな風潮があったでしょ。ゴールに光が見えてれば、ネガティブなことも言っていいじゃんって思って」
宇「当時震災後だったので、今後震災がまたあっても通用する曲を作りたいと思って書いた」


『4'13” 』
サビ部分は宇多さん作、トラックはJINさん。
元ネタはジャズの変拍子の曲で、この部分を作り替えればいいトラックになると思って4分の4拍子に変えたとのこと。JINさんすげー。
宇「CD屋に行くと『苦労して作ったアルバムがこんなにあるのか!』と思って、その『念』みたいなものにやられて具合が悪くなることがあって、そういう思いを書いた」
そして衝撃の事実。タイトルは4'13” なのに、実際の曲は4'14” !
J「この曲フェードアウトだから調整できるのに、何でこうなっちゃうの?」
D「当時ミキシングとかもまだアナログだったからじゃないの?」
宇「そうだ、2004年はアナログからデジタルへの移行期で、録音もミックスもすげーよくて、『俺たちのラップ超上手く聞こえる』『ニトロがカッコいいのはこれ(デジタル化)のせいじゃない?』って思った」


『麦の海』
J「当時我々はビールを毎日飲んでいて、ある日『おい、ビールってすげー昔からあるぞ!」みたいな話になり」
D「そう。ビールのリリックで『今日もビール飲んで』みたいな歌詞じゃなく『ハンムラビ法典』って」
J「当時はネットもないからね。『おい、エジプトの時代にはもうあったってよ!』」
宇「うちにあった平凡社の百科事典に載ってた」
D「昔は歌詞書くのに調べ物が本当大変で、まず国語辞典・英和辞典・和英辞典を机にどーんと置いてやってた」


ここで「他のラッパーとライム被りがあるか調べるか」という質問。
D「最初はすごい気にしてたけど、今はない」
宇「それは何で?」
D「調べきれない」
宇「90年代いっぱいくらいまでは、なんだかんだいったって把握できてたから。CDになってた日本語ラップの作品は全部聴いてたと思うよ。で、当時は避けるとかしてたけど、もう無理だね」
D「あまりに有名なラインは気をつけるけど、ライム被りよりも文脈で勝負するようになった」


『ウワサの真相(Ver.2.0)』
これは『ウワサの真相』のシングルカップリングですが、私は聴いたことありません。
シングルバージョンの元ネタは『サンシャイン・オブ・ユア・ラブ』のエラ・フィッツジェラルドがカバーした曲。
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オリジナルはもちろんクリーム(クラプトンがいたバンド)です。
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サンプリングなので許可を取らなければならない。そのためにクラプトンに申請を出したのに何の音沙汰もない。そうこうしているうちにリリース日が近づいてきて、このままだと出せないかもしれないので急遽別のトラックを作れとのことでDさんがヒーヒー言いながら作ったのがこの「Ver.2.0」だそうです。
途中、テンパったDさんはアース・ウインド&ファイヤーの『ブギー・ワンダーランド』を元ネタにしたトラックも作ったそうですが、それもまたサンプリングのクリアランス問題が生じるだろ!とのことでお蔵入り(当たり前だ)。
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(このバージョンも聴いてみたい!ツアーでやってくれないかな)
そして「Ver.2.0」のマスタリング最終日、マネージャーが電話を受ける。「藤原ヒロシさん経由でクラプトンに当たってもらってOK出ました!」こうしてめでたくリリースされましたとさ。


ここでいったん休憩。この時点で2:12。


休憩明けも「ウキウキウォッチング」で登場。
『ザ・グレート・アマチュアリズム』
ここで私の質問が読まれました!うれしい!質問はこちら。
「『ザ・グレート・アマチュアリズム』宇多さんヴァース「例のゲートの通行料」とは何ですか?私は高速道路のETCかと思っていたのですが、ネットでCCCDレーベルゲートのことだという意見を見ました。正解をお願いします。」


当時レコード会社から「シングルを作れ」「ホームランを打て」という指令があって作った曲。レコーディング時にはドラムしか入ってなくて、ボーカルが入った上からそのキーに合わせてオケを入れていくという変則的な作り方で制作したそうです。大変!
この曲でギターを弾いているのは竹内朋康、後のマボロシのセクシーです。ここでDさんから「タケちゃんがどれだけ最悪か」というエピソードを披露してくれたのですが、ノーツイート。愛あってこその悪口だと思いますが。
D「最初、俺のイメージにはジャスティン・ティンバーレイクの『Like I Love You』があって。このアコギの感じとか」
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しかし最初に録ったバージョンがあまりにこれに近いので、JINさんがドナルド・バードの『Think Twice』みたいな感じを提案して完成形になったそうです。
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(これの4:45からの部分です)
さらにここで「この曲はメインソースの『Looking At The Front Door』の元ネタなんだよな」という話も出る。
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確かにリズムやコード進行似てますね。それにしても、皆さんすぐミュージシャン名や曲名出てくるな。すごい。
実は『ザ・グレート・アマチュアリズム』は、リフで音が平行移動しているだけでコード進行一切してないそうです。そうなのか!だからHIPHOPらしいとのこと。
宇「確かに、サビとかであまりにきれいにハモりすぎると寒っ!てなることあるよね。HIPHOPとしてはダサいというか」


ここでようやくリリックの話。
宇「2003年とか2004年の頃って、今となっては笑っちゃうんだけどまだSONYAppleと対等に張り合えると思っていた時期で、『ネットで音楽を聴く』ということに対する対抗策としてCCCDとかレーベルゲートが開発されて。俺らも会社と喧嘩しながらレコード作っている時期で。というわけで、これはレーベルゲートについて歌っています」
そうだったのね。解決しました!ありがとうございます!


さて、飲みーティングはまだ中盤戦ですが、既に6,000字近く書いたのでここでいったん切ります。続きは次回。自分のメモと皆さんのツイートと自分の海馬・前頭葉を駆使して書いておりますが、伝わっているでしょうか。「ここ違うよ!」とか「それノーツイート箇所だよ!」とかがありましたら教えてください。


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