やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

新型コロナウイルスは、弱いから強い。

敵を知り己を知れば百戦危うからず


コロナ禍、終わりませんね。まあ、終わらないです。インフルエンザだって終わらないじゃないですか。終わらないんです。ウイルスがゼロになることなんてないのだから。新型コロナウイルスが世の中にある前提で生活していくしかないんです。


私は素人なので、これから書くことは完全に私の考えでしかありません。その考えの裏付けはこれまで読んできた様々な報道などですが、もちろんそこには私個人の取捨選択があり、私個人の考えの反映があるので、どうしてもバイアスはかかったものになります。という前提で読んでください。


新型コロナウイルスについての理解とどう行動すべきかは、以下のリンクにまとまっています。
https://www.covid19-taskforce.jp/wp-content/uploads/2020/07/coronanews0726.pdf


そしてここから、私の考え。「新型コロナウイルスは、弱いから強い」です。
どういうことか。


●症状が出ない
エボラ出血熱のような強いウイルスなら、すぐ症状が出てすぐ死んでしまうため、周りに広がりません。インフルエンザだってなかなかの強さを持っているので、すぐに症状が出ます。そこで「自分は罹患している」と気づけるわけです。
しかし、新型コロナは弱いため、症状があまり出ません。感染者のうち80%は無症状のまま治ります。本人が感染したと気づかないうちに治っているのです。弱いため、症状が出てもほとんどの人は軽症で終わります。
これだけだったら問題ないのですが、発症者のうち10%は重症化し、1%は亡くなってしまいます。重症化してしまう人が一定数いるため、無視できないウイルスになっているのです。


新型コロナウイルスは、弱い。弱いから症状が出ない。症状が出ないから感染に気づかずに他の人にうつしてしまう。そしてその中に重症者が出てしまう。ウイルスとしての殺傷能力は低いくせに感染力だけは強い。まるでイキるだけのヤンキーです。たちが悪い。


偽陽性
新型コロナウイルスは、弱い。弱いからPCR検査をしても偽陰性が多く出てしまい、30%は見落としてしまう。しかし検査を受けた人は「自分は陰性だ。つまり新型コロナウイルスに罹っていない」と思い込み、無症状の陽性患者としてまた他人に広げてしまう。
強ければすぐ見つかるのに、弱いから見つけにくい。結果、見落としが多くなる。


そしてこれが、「あらゆる人にPCR検査を!」という意見に賛同しきれない部分なのです。安心のために受けても意味がないので、現状のように「疑われる人に行う」しかやりようがないのでは。検査が自宅で自分でできるようになるなど、検査のハードルが下がらない限り、効果の薄い検査に医療機関のリソースを使うことは避けるべきだと思うのです。
とはいっても、現在やるべきことはPCR検査をして見つけまくること、怪しい人は隔離することしかないので、医療機関には引き続き頑張ってもらい、政治はそのバックアップ(ヒト・カネ・モノ)をしてもらう、ですね。医療機関はやるべきことをちゃんとやっているので、政治よ、頼むぞ!


●抗体・ワクチン
新型コロナウイルスは、弱い。弱いから抗体ができない。できたとしても保持期間が短い。身体がはっきりと拒否しないのです。だからまた新型コロナウイルスに感染してしまう恐れがあります。
そして、抗体ができないということは、ワクチンもできないということです。できたとしても、その効力は発揮する人としない人がいて、さらに効果のある人にも短い間しか効かないということなのでしょう。


●治療薬
あとは治療薬ですが、これも難しいと思います。そもそも風邪などを直接治す薬はありません。あるのは対処療法のみ。インフルエンザなら解熱、肺炎なら呼吸の手助け。現在様々な治療薬が試されていますが、「新型コロナウイルスそのものをやっつける薬」ができることはおそらくないでしょう。できるのは「対処療法として有効な薬」にとどまるはずです。


さあ困った。新型コロナウイルスは、弱い。弱いから無症状の感染者から感染は広まり、弱いからワクチンはできず、できたとしても効果は限定的で、根本的な治療薬もできない。
困った。どうすればいいのか。

●罹らない生活・行動をすること
●疑わしいときはすぐに離れて休むこと
●罹った人を責めないこと

これしかないのでは。


春の緊急事態宣言は「まだ敵が何者が分からないので、とりあえず全員動くな!」とするしかなく、それは効果がありました。しかし、ずっとそれを続けるわけにはいきません。ステイホームといっても宅配業者や金融機関や市役所や医療機関など、動かなければならない業態はたくさんあるし、スーパーに行かなければ食料は買えません。完全に他者との接触ゼロは不可能なのです。完全に新型コロナウィルスを根絶することは不可能なのです。


そして現在。人々が行動を再開したため、再び感染者数は増加しつつあります。しかし春と違うのは、敵が何者なのか分かってきたことです。どうやったら罹るのか(=どうやったら罹らないのか)、どうやって見つければいいのか、いつ感染するのか、重症化の時期とリスク、などなど。敵が何者なのか分かってきたので、対処もできるようになりました。
その結果、感染者数は増えていても重症者数・死者数は増えていません。そもそも感染者数が増えたのは検査数を増やしたから無症状の感染者もカウントすることになり、増えたに過ぎません。とはいえ、感染者数が増え続ければ自宅隔離・ホテル隔離は難しくなっていきますし、重症者数も増えていきます。一定数を超えない範囲でとどめなければなりません。


ではどうするか。また緊急事態宣言ですか?いつまでやる?解除してまた増えたらまた緊急事態宣言?いつまでやる?
無理でしょ。経済もマインドも保たない。政府がカネを配るにしたって際限なく配れるわけない。「Go to トラベルキャンペーン」を中止したって人は行動するし、キャンペーンがなければ業界は死ぬ。
chikirin.hatenablog.com
(「Go toトラベル」については、ちきりんのブログを読んでください)


となると、上の3つをみんなが意識して生活するしかないのでは。ここでの「生活」とは、旅行に行ったりスポーツをしたりという「これまでの当たり前の日常」のことです。職場とスーパー以外行かないということではありません。それは生活ではなく生存でしかない。ただ、その「当たり前の日常」を現在の生活様式で行うことが重要なのです。


さすがにもうみんな分かっていますよね。都道府県をまたいだら感染するわけではありません。里帰りしたら感染するわけではありません。夜に酒を飲んだら感染するわけではありません。「感染者がいる場所で、感染しやすい状況で、感染しやすい行動をしたら罹る」のです。それが「3密」で手洗いマスクをしないといった行動なのです。
遠くへ移動したり人が多くいる場所にいただけで感染するわけではないのです。勝手にウイルスが湧き出てくるわけではないのです。感染者から、物理的にウイルスをもらっているのです。感情や観念ではなく、事実と物理です。


具体的にどのような行動をしたら感染するかを考えましょう。それはすなわち「じゃあどうやったら感染しないか」ということに繋がります。
マスクでウイルスは防げませんが、ウイルスは飛沫と一緒に飛ぶことが多く、マスクをしていれば飛沫は防げます。つまり飛沫感染は防げる。マスクは盾ではなく鞘。
何かに触れただけで感染するわけではありません。触れた手が口や鼻などに触ることにより体内に入り、感染するのです。マスクをしていれば口や鼻に触れる機会は大幅に減りますし、行動の都度都度手洗い(石けんでもアルコールでも)をすれば口や鼻に触れても大丈夫です。


そう考えると、やはり「大人数の飲み会」が危ないですね。大人数=感染者のいるリスクが高まる、食事=マスクなし、アルコール=長時間&声が大きくなる。
これは、「夜の街」に限った話ではありません。ホストクラブとキャバクラに行くから感染するわけではなく、友達との飲み会でも同じことです。いわんや「昼だから安全」ではもちろんない。この辺はマスコミの恣意的なミスリードのせい!悪いのは夜の街ではない。
劇場・映画館は完全に安全。カラオケはヒトカラなら安全ですが、人数と時間が多くなるにつれ、危険度は増します。ライブハウスは環境は△で、楽しみ方が3密そのものなので、これは業態として非常に厳しい。一緒くたにせず、個別に考えましょう。


新型コロナウイルスは、弱いから強い。しかし私たち人間には知恵があります。根絶は難しいですが、社会的リスクを上げることなく生活を行うことはできます。
だからこそ、政治とマスコミは「どうやったら感染しないか」を周知徹底させてほしいのです。COCOAの登録を呼びかけることも重要です。普段通りの生活をしながら、それでも運悪く感染した人にはきちんとした医療を与える。会社は休みを与え、社会は非難しない。
「コロナに打ち勝つ」というのは、根絶ではなく過剰に気にせず生きていける社会のことだと思います。