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アメトーーク『若手女芸人』で感じた「新しい・古い笑い」とは

「正しい」より先に来るもの


アメトーーク『若手女芸人』の回を見ました。
近年、社会全体にポリコレやコンプライアンスという「枷」が増えてきて、それを面倒と捉えるか進歩と捉えるかでその人の価値観が試されている気がします。
それはもちろんお笑い界にも及んでいて、その中でも女芸人というのは男女差別、ブスいじり、セクハラといった「旧世代」の価値観が色濃く残る世界で生きてきました。


で、今回。
ラランドサーヤガンバレルーヤよしこが新旧のお笑いの価値観でやり合うというのがメインの対立軸だったわけですが、そこで感じたことを書きます。


サーヤの言うことは正しい。ブスいじりも女芸人を振る企画も古い。でも、それを本番中に言って、面白いですか?
お笑いは、正しいの前に「面白い」があるべきです。面白いなら下ネタでもいじり芸でもOK。ただ、現在は社会も視聴者もそれに対して敏感になっていますので、下ネタやいじり芸はウケにくい。だからそういった笑いは淘汰されていく。
順番としてはこちらだと思うのです。正しいからやらないのではなく、ウケないからやらない。もしくは今の時代でもウケるようにカスタマイズして表に出す。どぶろっくのKOC優勝はまさにそういうこと。面白ければ下ネタでもOKなのです。


繰り返す。サーヤの言うことは正しい。でも、面白くない。あそこで生まれる笑いは、すべてよしこが引き取ってくれたからです。よしこがあえて反発したり洗脳されたりしたから成立したのです。
クラスの優等生、学級委員長、スクールカースト上位の人が言うことですから、正しい。でも、私たちは正しい人を見たいわけではないのです。面白い人を見たいのです。


新しい価値観の笑いがしたいなら、その価値観で面白いことをするしかないのです。それが広く受け入れられれば、それが社会標準になります。指摘ではなく実践。


とはいえ、社会の流れは不可逆ですので、ブスいじりなどの古い価値観の笑いはもう通用しなくなります。よしこがどれだけ熱弁しても、その流れは変えられません。それなら、いち早く新しい価値観で笑いを作っていくしかないのです。
ぼる塾は「見た目インパクト」ですが、第7世代ですので価値観は現代にアップデート済。ブスいじりがダメなのはもちろん、今の時代は自虐もダメだと感じている。そこで、この見た目なのに褒められたときに笑いで返せるフレーズを用意していると(田辺の「まーねー」。


コンプライアンスが厳しくなったから笑いが難しくなったなんてことはありません。いつの時代も笑いはある。その時代に合った笑いを作った者が新しい時代を作るのです。


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