やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画『キングコング: 髑髏島の巨神』 感想

有能なオタクにお金と権限を持たせた結果


映画『キングコング:髑髏島の巨神』を見てきました。公式サイト↓
wwws.warnerbros.co.jp
私は、怪獣映画を見ません。『キングコング』は今回で8度目の映画化だそうですが、どれも見たことがありません。2005年のピーター・ジャクソン版も見ていません。
当初は予告編を見ても見に行こうと思っていなかったのですが、その後の予告編でキングコング以外に怪獣がわんさか出ることを知って俄然興味が湧きました。
しかし年度替わりの忙しさでなかなか時間が取れず、そうしている間にもTwitterのTLには「最高!」「傑作!」のオンパレードが。ぐぎぎと思いつつハードル上がっちゃうなーと思いながら、ようやく見てきました。


最高!傑作!


あー、もっと早くに見たかった。そして監督のインタビューやTLでのネタバレ考察も味わいたかった。ネットを見ると素晴らしい批評や解説がたくさんあるので、私はもう書くことがない。でも書こう。
以下、ネタバレあります。




全体的な感想としては「私が子供の頃に読んでいた少年マンガを大勢の大人と多くのお金で実写化!」というものです。
今のマンガはマンガであってもある程度のリアリティや時代考証や実現可能性や理屈が求められるものですが、昔はその辺の細かいところは誰も気にしなかったし気付かなかったしツッコまなかった。
それが、今作ではある程度の理屈だけであとは「細けえことはいいんだよ」で進むのがとても潔かった。「地球空洞説」なんて水曜スペシャルユリゲラー・矢追さんみたいなレベルの話ですが、その辺は誰もツッコまず話は進む。
なので、この島で起こることはこの作品の中では全て現実であり、そこにツッコむのは野暮でしかないのです。


「怪獣映画」って、あり得ない話なわけです。それを「アリ」にしている世界観の見せ方は上手いなー。リアリティを損なうことなくあり得ないファンタジーの世界を見せる。
冒頭で「島の周りは天候が悪いので船では近づけない」「だから今まで誰にも知られなかった」「だから上陸にはヘリで行かなければならない」という条件設定と「3日後に迎えに行く」というゴール設定を見せるのも上手い。


さて、嵐を抜けて島へ。と思ったらすぐにキングコング来襲!いいぞいいぞ!暴れろ暴れろ!
この辺の撮り方も好き。ヘリ側の主観構図(墜落するまでぐるぐる回ってどーん!)、リアル「ゴリラにバーン!」(昔『ダウンタウン汁』で松ちゃんが大喜利でこういう回答をしたのです。誰か覚えている人いますか?)、ヘリの隙間からコングの眼、などなど。監督のこだわりが出てるわー。


ここからは怪獣オールスターズ総登場。楽しい!人間たちが徐々に殺されて減っていくのも定石です。ラスボスに自爆作戦で挑んだ彼が「尻尾でバーン」で犬死にするのはかわいそうすぎる!
人間側のボスであるサミュエル・L・ジャクソンのコングとの目力対決は、何とコングと互角!アップになるとどっちがコングか分からないぜ。


ラストのキングコングとスカル・クローラーとの闘いは、超熱かった!ケンシロウラオウ、悟空とフリーザジョジョとディオたちの闘いと同じレベルで燃えたね。殴り合い、背負い投げ、ピンチと大逆転。燃えた。ずっと見ていたかった。


エンドロール後に何か特別な映像があるというのはTwitterで目にしていたので期待しながら待機。しかしそういうことを知らない人たちはぞろぞろと途中退席するんだよなー。わざわざ引き留めて「この後何か映像あるから!」とは言えないけど、もったいないなー。ほんの数分待てずにアレを見逃すんだもんなー。やーいやーいざまーみろー(映画を見ている間に小学生に退化している)。


この作品はレジェンダリー・ピクチャーズ製作の怪獣映画を同一世界観のクロスオーバー作品として扱うモンスターバースシリーズとして制作されており、2019年にはハリウッド製の『ゴジラ』が公開されるということは知っていたので、エンドロールで流れるのもゴジラだろうとは予想できていました。
で、エンドロールは原住民の壁画をゆっくりとスクロールしながら映していくので、ははーん、このラストにゴジラの壁画が出てくるんだな、と思っていたのに、出ずに終了。
あれ?と思っていたら再びドラマシーン。「王(キング)はコングだけではない」というセリフとともに映し出されたスライドにはゴジラモスララドン(ギャオス?)・キングギドラの姿(壁画)が!!!!!
まさかゴジラだけでなくキングギドラ他まで!しかもどれも日本怪獣映画のヒーローたち!どれも見たことないけどめちゃ盛り上がった私。昔からの怪獣映画ファンにしてみたら勃起か失禁不可避のエンディングでしたな。


続編を作るにあたり「地球空洞説」が根拠になっているのもいい。今後いろいろな怪獣が出てくるけど、毎回秘境の地というわけにはいかないのでそれは地球の底から出てくるのだ、という理屈。科学的根拠はゼロだがそれでいいのだ!
また、「コングは成長期」というセリフがありました。本作ではコングの体長は31.6メートル。ギャレス・エドワーズ版のゴジラは108メートル。今後闘わせるには体格差がありすぎる。しかしコングは成長期なのでもっと大きくなることは可能!上手い設定だぜ。


あと、この作品はオマージュも多い。他のレビュー読んでいただいた方が詳しいので私は割愛。ただ、『地獄の黙示録』はこれでもか!というくらいオマージュ・トレース・サンプリングしていましたね。
夕日と、その夕日をバックに立っているコングの姿、ナパーム弾を思い起こさせるサイズミック爆弾、その炎の揺らめき、戦場で大音量で鳴らされる音楽、川を下っていき出会う原住民、等々。


もちろんツッコミどころはたくさんあります。
1970年代まで存在を知られなかった島なんてありえるのかというそもそも論は置いておきますが、これですら『ドラえもん のび太の大魔境』みたいだな、とワクワクしてしまった。
・脱出用の船は、修理はできたとしても30年前の燃料が使えるわけねーだろ。
・原住民の砦、巨大すぎるだろ。作るのに何年かかるんだよ。
・ガスの立ち込めた場所で炎が燃えても周辺一帯には燃え広がらない、ライターの火を地面に落としたらそこだけ爆発。
・未開の島でタンクトップで動き回るな。
・墜落したヘリに挟まれて身動きが取れないスケル・バッファローを助けようとしてメイソン(ブリー・ラーソン)が機体を持ち上げようとしますが、動くわけねーだろ。
・コングに助けられたメイソンはコングの手のひらの中にいる状態でスカル・クローラーの口の中に入りましたが、無事。握りしめられて潰れちゃわないのかよ!
しかし、これらのツッコミは何も批判の材料になりません。この作品ではここでの出来事は全て事実なのです。見ている私たちを味方につけツッコミを「野暮」にしてしまう世界観の構築にあっぱれ。


その他気になった点ですが、この作品に限らず最近のハリウッド大作には中華資本が入っているものは多いですね。で、そうなると内容も中国を舞台にしたり中国人俳優が多く出たりと「目くばせ」が出てくるわけですが、本作でもジン・テイエンさんという女優がストーリーにはびた一文関わらないのに出ていました。何か特技でピンチを脱するとかさせてあげればいいのに。
市場規模を考えると中国に媚売るのは仕方ないと思うのですが、そうなると内容の自由度に制限がかけられる(中国共産党を悪者にできない、不要なのにキャスティングに入れなければならない等)のが嫌だなあ。そして、市場規模も俳優の英語の堪能さもどれもアジア各国に勝てなくて日本はどんどん世界から無視される国になっていくのが寂しいなあ。


話が逸れた。『キングコング』、最高です。既に公開終了間際なので、まだの人は急いで!これは劇場版で見るべき作品ですから!


金沢の旅2017、春。

3度目の正直


岡村靖幸のツアーのために金沢に行ってきまして、せっかくの遠征なので観光もしてきたので、写真だけ貼らせてくれ。
f:id:ese19731107:20170415090431j:plain
f:id:ese19731107:20170415090458j:plain
f:id:ese19731107:20170415090842j:plain
上越妙高駅、何もないところに建てたのねー。数年後が心配。そして開業して1年経ったのにこれから商業施設建設予定なのかよ!遅い。
f:id:ese19731107:20170415095353j:plain
初の北陸新幹線に乗車。車内の写真はありませんが、赤いシートがカッコいい。コンセントが設置されているのもありがたい。


f:id:ese19731107:20170415114040j:plain
着いたぞ金沢!
Twitterで連絡を取り、栃木のクン兄さんとふじもんと合流し、兼六園へ。
f:id:ese19731107:20170415140130j:plain
ちょうど桜の最盛期(から少し散り始め)。お客さんがたくさん来るこの時期をわざわざ入場無料にしてくれる兼六園さんは懐が深い。器がデカい。
f:id:ese19731107:20170415135803j:plain
f:id:ese19731107:20170415140423j:plain
f:id:ese19731107:20170415140526j:plain
f:id:ese19731107:20170415140934j:plain
f:id:ese19731107:20170415141434j:plain
f:id:ese19731107:20170415141456j:plain
f:id:ese19731107:20170415150854j:plain
桜はもちろんとてもきれいなのですが、どこを向いても桜だらけで、「花愛でる心ない芸人」である私は間が持たなくて早々に出てしまいました。ごめんなさい。


というわけでお次は21世紀美術館へ。
f:id:ese19731107:20170415143245j:plain
ここはプールの底には入れる展示物があるのですが、過去2回来たときはいずれも工事中や展示物入れ替え中で中に入ることができず、上から見て「単なるプールじゃん」と嘆いたものです。
それが、今回は入れる!と思いましたが底に入るには特別展の入場券が必要で、それには時間がないので諦めました。明日、リベンジ!
f:id:ese19731107:20170415143730j:plain
f:id:ese19731107:20170415143748j:plain
その分、無料で回れるところを見る。これはプラモを1/1サイズで作ったものだそうです。プラモにもミリタリーにも興味がない私はふーんで通り過ぎてしまいました。
f:id:ese19731107:20170415143908j:plain
f:id:ese19731107:20170415143915j:plain
f:id:ese19731107:20170415143926j:plain
f:id:ese19731107:20170415143936j:plain
こちらは『風の谷のナウシカ』に出てきたメーヴェを再現してさらに実際に飛ぶという暴挙を成し遂げた機体。しかし私はナウシカよりラピュタ派なのでこちらもあまり熱量は高くならず。ごめんなさい。


そして、ここに至る。
f:id:ese19731107:20170415154400j:plain
f:id:ese19731107:20170415154410j:plain
ese.hatenablog.com
終演後、初めての「出待ち」をしました。最初全然人いなくて「地方だから?」と思っていたのですが、待つ場所を間違えていました。正しい場所に移動したら、たくさんいる!ほとんど女性。さすが岡村ちゃん
そこで係員さんが「ここは住宅街なので、声を出さないでください。ケータイはしまってください。両側に並ぶのはダメなので、片側に寄ってください。そのためにここまで下がってください。こちらに移動してください。しゃがんでください。中腰になってください。動かないでください」と細かい注文を出すのです。はい、私は待たせていただいている立場なので何でも従いますが、それだったら終演後からこの場所にいてこんなに人が増える前から待つ場所を指示してくれればいいのになーと思ったのは内緒です。


待つこと数分、岡村ちゃん御一行の登場です。ステージ上とは違う縁のあるメガネと革ジャン。私の位置からでは下半身は見えませんでした。手を振ってくれましたが車に乗り込むところまでは見えませんでした。残念!
白石さんはロン毛をまとめてメガネ&マスクという別人仕様。この白石さんと街中で出会っても絶対気づかない!
ほんの数秒の邂逅。思ったほどときめかなかった。あー、私はやはりアイドルではなくミュージシャン岡村靖幸が好きなんだなーと再確認。


その後クン兄さんとふじもんと飲みに行ったのですが、料理の写真はない。ちなみに昼飯の写真もない。


翌日、再び21世紀美術館
f:id:ese19731107:20170415143226j:plain
f:id:ese19731107:20170416105728j:plain
f:id:ese19731107:20170416105732j:plain
ついにプールの底に入ったぞ!水の底から愛を叫ぶ!
f:id:ese19731107:20170416110247j:plain
f:id:ese19731107:20170416110725j:plain
上からの写真も。


このときの企画展は「池田学展」で、私はこの方のことを全く存じていなかったのですが、素晴らしかった!
www.kanazawa21.jp
細かい細かい緻密描写で、リアルをファンタジーに、ファンタジーをリアルに変えてしまう魔法使い。どうやって描いているんだ!このサイズを書くのにどれだけかかるんだ!考えただけで恐ろしい。
f:id:ese19731107:20170416120002j:plain
会場内は撮影不可だったので出てからの写真。


それ以外にも中をうろつく。
f:id:ese19731107:20170416112251j:plain
f:id:ese19731107:20170416112225j:plain
f:id:ese19731107:20170416112301j:plain
「タレルの部屋」は毎回来るたびに「雨降っている日はどうなっているの?」と疑問です。
f:id:ese19731107:20170416112608j:plain
f:id:ese19731107:20170416112554j:plain
f:id:ese19731107:20170416112601j:plain
閉鎖かーい!
f:id:ese19731107:20170416112616j:plain
ここはさらに別の現代美術展の入場料も払った人だけが通れるセレブロード。私は袖を嚙みながら見ることしかできません。


f:id:ese19731107:20170416125429j:plain
金沢最後の食事。珍しく写真撮った。
f:id:ese19731107:20170416133721j:plain
さよなら金沢!さすが観光地だなー、新潟市とは段違いだなー、と毎回思う3度目の金沢。付き合ってくれたクン兄さんとふじもんにも感謝!また、会場でご挨拶してくれたフォロワーの皆さん、おみやげありがとうございました。私はいつももらってばかりですみません。そして社交性が無くて自分から話しかけられなくてすみません。はっきりもっと勇敢にならなくては。
f:id:ese19731107:20170421220530j:plain
皆さん、愛と技術がすごすぎる。もっといただいたのですが、既に食べちゃったものもあって少なくなってしまいました。改めて、ありがとうございました。


はっきりもっと勇敢になって

はっきりもっと勇敢になって

岡村靖幸 2017 SPRINGツアー『ROMANCE』金沢公演に行ってきました! 感想(その2)

エロス不足


前回のお話↓
ese.hatenablog.com
カーテンが引かれ第一部終了。続きがあることは分かっていますが手拍子は途切れさせないぜ。
で、この日はここで「アンコール!アンコール!」という発声があったのです。そもそもこのタイミングは第一部終了の「幕間」であって本編終了ではないので「アンコール」ではないのですが、そうでなくても「アンコール!」という発声にびっくりしました。もうこの掛け声って絶滅したと思っていたのに!


そんなことを考えている間に第二部開始。
聞こえてきた曲は、知らない曲だ!
www.youtube.com
大江千里『MAN ON THE EARTH』でした!私はこの曲は知らなくて「ミスチル桜井さんっぽいメロディだな」と思いながら聴いていました。当たらずとも遠からじ、でいいですか?美メロですな。リズムもいい。
あとね、この曲ではアイドルみたいに左右にステップ踏みながら歌っていたのですが、それがかわいかった!聖子ちゃんか!


続いて『いじわる』。またイントロでは何の曲か分からない私。
エロス担当の曲ですが、今回のライブはこの曲に限らずエロス成分が少ない!というか皆無でした。カワイイ成分は多めでしたが、エロスも欲しいのだ!エロスを欲しているのだ、私は。


そして『ペンション』!おおお!これはレアだ。『カルアミルク』『イケナイコトカイ』『Lion Heart』は歌ってくれるし『友人のふり』は弾き語りで歌ってくれる(半分以上私たちに丸投げですが)。しかしこの曲は歌ってくれないのです。それが聴けた。うれしい!もちろん声もバッチリ。


ここでまた岡村ちゃんお休み。早くない?
2回目の白石さんタイムは最近おなじみのグッズの紹介。これ、大事なのは分かるけど、あからさま過ぎて冷めるんだよなー。昔みたいにオモシロトークだけでいいんだけど。
白石さん「あと1曲なんです」お客「やだー」白石さん「無慈悲な岡村さん、どうですか?」お客さん「カッコいい!」白石さん「横倉さん、困りました」よこりん「そこでカッコいいと言われるとこのくだりがグダグダになるんで空気読んでほしいんですけど」確かに!


で、白石さんタイムがあるということはこの次が本編ラストで、その曲は『SUPER GIRL』なわけです。ここも変わらないのね。
側転も華麗に披露。今回は私の見る位置が遠かったせいもあるのか、いつもの「どっせーい!」という感じ、もしくは森光子『放浪記』のでんぐり返し感がなく、スマートに回転してくれました。


さあ、ここは本当のアンコール待ち。ここでも「アンコール!」出た!なぜだ。
そして、ここでは毎回弾き語りは上手下手どっちかなーと予想するのが楽しいのです。今回はさすがに初日だから基本の上手側かなー、なんて思っていたらキーボードのセッティングもなくカーテンオープン。
ええ、弾き語りないの?と思っていたらセンターにアコギが。そう、今回はアコギでの弾き語りなのです。
岡村ちゃんはロングコート。背が高いっていいなーといつも思う。
弾き語りの内容は、



でした。自分で覚えていないので他力本願。正直、あまり面白くないぞ!他の公演に期待。
あとね、弾き語りはキーボードの方が自由度があるのでキーボードの方がいいと思うの。
そしてその後『家庭教師』をちょびっとだけ歌ってガーシュインの『サマータイム』へ。
www.youtube.com
この曲、知っているけど何となく聴いたことある程度で、オリジナルをちゃんと知らないなー。どの動画を貼ればいいのか分からない。もっとふさわしいバージョンがあったら教えてください。


このまま『ちぎれた夜』。おお、この曲地味ですが佳曲なので好き。「花の名前」「おじいさん」「同じ証」は何の比喩表現なんだろう。


アコギを置いて立ち上がる岡村ちゃん。さあ、本当にラストです。『Out of Blue』以外で何で締めるのかしら。ドキドキ。
聞こえてきたギターのカッティングは『愛はおしゃれじゃない』!!!おおお、これか!確かにラストの盛り上がりと終わってしまう寂しさの両方を兼ね備えた曲だ。正解だ!
と感動ウルウルしていたら、「緊急警報!」のアナウンスが。えー、さらに『ビバナミダ』まで!
これがオーラスでいいのかしら。個人的には『愛おしゃ』で終わっていいと思うけどなー。『ビバナミダ』は「終わり感」がない。また盛り上がっちゃう。あ、「再見」がキーワードなのかも!それだ!


終わってしまいました。20:45。3時間弱でしたが十分十分。楽しく、びっくりし、感動しました。
とにかく今回はセトリの大きな変更が大ニュースです。これについては前回のエントリにも書きましたが、手持ちのカード(持ち曲)が限られている中で飽きやマンネリを打破するためにはとても大事な変化でした。「変わらないために変わる」ってやつですね。


私は今回遠かったので岡村ちゃんの表情や細かい仕草まで見えず、その部分のレポができずに悔しい。近くから見ていた人、詳細報告お願いします!遠目からですが、今回はエロスゼロ、可愛さ多め、レスポンス要求少な目、という印象でした。
2011年の復活以降「歌えるかな」「踊れるかな」というおっかなびっくり、「笑ってくれた」「笑顔が増えた」という喜び、「声が出てる」「ステップすごい」という安心、などの「心配→できているからうれしい」という安堵感はもうないのです。もう完璧なパフォーマンスを見せてくれるミュージシャン、岡村靖幸なのです。
で、これがうれしいような寂しいような感情なのです。「人は欠損に恋をする」というのは高須克弥さんの言葉ですが、まさにその通りで、完璧にできてしまうことが逆に物足りないと感じてしまっていました。それが飽きやマンネリにつながっていきます。
それが、今回の大英断で大きく動き、また岡村ちゃんのライブが進化したと感じました。アルバム『幸福』で復活以降の一応の集大成が完了したので少し停滞気味でしたが、また動き出したぞ。


初日に行けてよかった。素晴らしいライブをありがとう、岡村ちゃん
f:id:ese19731107:20170415204732j:plain


本日のセトリ
1.聖書
2.彼氏になって優しくなって
3.ぶーしゃかLOOP
4.昼下がり(クレイジーケンバンド)
5.うちあわせ
6.カルアミルク
7.できるだけ純情でいたい
バンドインスト
8.5‼モンキー
9.ヘアー
10.ラブメッセージ
11.どぉなっちゃってんだよ
12.イケナイコトカイ
13.Out of Blue
14.揺れるお年頃
15.あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
16.だいすき
第2部
17.MAN ON THE EARTH(大江千里)
18.いじわる
19.ペンション
20.SUPER GIRL
アンコール
21.弾き語り~金沢ベイベ
22.ちぎれた夜
23.愛はおしゃれじゃない
24.ビバナミダ


禁じられた生きがい

禁じられた生きがい

『青年14歳』の解禁はいつになるのだ…。

岡村靖幸 2017 SPRINGツアー『ROMANCE』金沢公演に行ってきました! 感想(その1)

初日、驚き、大英断


岡村靖幸ツアー『ROMANCE』の初回、金沢公演に行ってきました。岡村ちゃんのライブはいつも東京か新潟に行くのですが、今回新潟はなく、そしてこの金沢はツアー初日だったので、行ってきました。そしたら、初日に行けてよかった!という内容でした。


※セトリ等ネタバレ全開で書きますので、今回のツアー参加予定者はライブを見てから読みましょう。予習派の人も今回は何も知らずに臨みましょう!
岡村靖幸 live 2017 romance 初日セトリ ネタバレ - ラなウェイトレイン ~FX成績 ライブ観戦雑記~
セトリはこちらを参考にしています。それにしても、こんなに覚えていられるのかしら。メモしているのかな?


会場は金沢市文化ホール
f:id:ese19731107:20170415154400j:plain
f:id:ese19731107:20170415154410j:plain
キャパは900弱なので、新潟でライブするときのりゅーとぴあとほぼ同じ規模。ホールなので足の疲れや開場時間を気にしなくていい。中年にはありがたい。
今回私は16列目で岡村ちゃんの表情はよく見えなかったので、その辺は他の人のレポを読んでください。


さて、開演時刻。定刻を3分ほど過ぎて客電落ちてスタート!
サンプリングを使ったヒップホップ風のオープニング。で、始まった曲は『聖書』!おおお!これが1曲目とは!曲後半のどんどん展開していくところもやってくれてうれしい。この曲、「岡村靖幸が音を司っている感じ」がしてとても好きなのです。
岡村ちゃん、声出ている!ステップの足さばきが素晴らしい!というか、もう「声が出ていてうれしい」「踊れていて安心」という時期は過ぎています。ここ数年は歌えて踊れるを前提として、それを上回るパフォーマンスと感動を与えてくれています。


2曲目は『彼氏になって優しくなって』。おおお、この曲が2曲目!
私、この曲大好きなんですけど、ジャジーな横ノリビートなのでライブではなかなか爆発しないんですよね。なので、ここに配置したのは大正解!
続いて『ぶーしゃかLOOP』。今回は以前のようなサイバー感がなかったのですが、アレンジ変わっていました?照明やメンバーの振り付けのせい?記憶が…!


ここで今回のカバー曲コーナー。今回はクレイジーケンバンド『昼下がり』でした。

CRAZY KEN BAND 昼下がり
(この映像は何…?)
私はこの曲は知らなかったのですが、「クレイジーケンバンドっぽいなあー」と思いながら聴いていたので当たってうれしい!
原曲とキーが違っているのか分かりませんが、岡村ちゃんの声にジャストフィットでした。中低音の倍音の魅力!


『うちあわせ』の後、『カルアミルク』。おおお、この曲がここに!
『カルアミルク』は毎回3曲目くらいに配置されるのが常だったので、今回はやらないのかなー、アップテンポの曲ばかりで疲れちゃうぞーと思っていたので、ここで歌ってくれてうれしかったです。アップテンポの曲だけでもこんなに歌い踊り続けられるということですから。
曲の後半で「ハーイハーイハーイハイハイ」と私たちがコーラスする部分があって、岡村ちゃんはアドリブでいろいろしゃべるのですが、私たちはコーラス役なので「ハイハイ」を続けなくてはならず、いいフレーズを言ってくれてもあまりはしゃがず「ハイハイ」を続けます。何だか「高度に訓練された岡村ベイベはどんなフレーズを言われてもコーラスを続ける」というフレーズを思いました。元ネタなんだっけ?


そしてお次は『できるだけ純情でいたい』。アルバム1曲目なので途中に挟まれるとまだ違和感があるな。この曲も後半盛り上がるので好き。
この曲のときだったかな?「金沢ベイベ、準備はできてるの?」と岡村ちゃんは訊いてくれるのですが、もう7曲目だよ!もちろんできてるよ!
あと、これもどの曲のときだったか忘れましたが、「準備はできてるの?」で私たちが「いえーい!」と応えると「何の準備ができてるの?」と追加質問。えーっと、何のと言われましても、岡村ちゃんのライブを楽しむ準備ですが…。
「マジで?」も何度か言っていたな。だから、準備できているってば!


ここで岡村ちゃん一旦退場。バンドメンバーのインスト&各メンバーのソロ回しです。
今回のインストではマイアミサウンドマシーンの『コンガ』を演奏していました。
www.youtube.com
(↑私は完全に忘れていたのですが、フォロワーさんに教えていただきました。Twitterって素晴らしい)
メンバーのソロ回しはどなたもカッコいいのですが、今回ギタリストが前回のツアーに引き続き田口さんという若い男性で、彼のギターソロがカッコよかった!1曲目の『聖書』でもソロ弾いていましたが、そのときのテレキャスよりこのときのストラトの方がいいな。


岡村ちゃん再登場。紺色のスーツ。ちょっとパツパツ感あり。
『5!!モンキー』の記憶は何もない…。『ヘアー』は何となく曲の衝撃が薄れている感じがしたのですが、単に私が慣れちゃっただけ?でもギターのフレーズが何か違ったような気がするんだよなー。何が違っていたのかは分からないけど、少し違和感があった。


『ラブメッセージ』は音源のベースぶいーんという始まりではなく、違う演奏があってこの曲が始まったので、「あれ、次の曲何だろ。あれ、まさか?もしや?」というドキドキワクワクでの始まりだったので多幸感あり!でした。


『どうなっちゃってんだよ』はライブでは毎回このアレンジ?何度ライブに通っても歌いだすまで何の曲か分からない私。
『イケナイコトカイ』は声出ていた!100点満点!後半の「ノウホウタイム」は以前ほどくどくなく(くどいけど)、笑っちゃうほど過剰でもなく(過剰だけど)、ちょうどいい塩梅でした。


そして、ここで事件が起こります。
また分からないイントロから、あれ、このフレーズってあの曲のイントロじゃないの?いやでも、あの曲はラストと決まっているし岡村ちゃんがアコギを弾いて1ヴァース歌うという不文律があるはずだが…。
と思っていたら音源通りのイントロが演奏されました!そう、『Out of Blue』なのです!!!
えーーーーー!!!!!私は呆然として手拍子したり手を上げたり一緒に歌ったりできませんでした。曲ラストの「マイガールマイガール、フォー!」もスルー。
デビュー曲であるこの曲をライブのラストに配置するというのはもう何年も変わらない「絶対の曲」だったわけです。それを変えるという大英断。岡村ちゃん、よく決断してくれました。
www.daily.co.jp
今回のセトリについてはいろいろな人に相談したようで、やはり迷ったり悩んだりしたんだろうな。この曲の置きどころを変えるというのは大きな決断ですから。
でもね、大成功ですよ!岡村ちゃんはキャリアは長いけどオリジナル曲は100曲に満たないくらいしかないので、それを年2回のツアーで20曲以上演奏するとなると、曲かぶり問題はどうしても発生してしまいます。その中でライブの構成やキラーチューンの配置が固定されていると、それは「マンネリ」「飽き」になります。
もちろん寅さんのように「偉大なるマンネリ」も必要ですが、私個人は正直「いっつも同じだな」と思っていました。だから前回のツアーは不参加だったのです。
それが、同じ曲であっても置きどころを変えるだけでこれだけ新鮮になるのですよ!手持ちのカードで楽しくやろう(©真心ブラザーズ『情熱と衝動』)。


興奮冷めやらぬ中、お次は『揺れるお年頃』。揺れているのは私の心だよ!
あ、でも、この曲やるのね。アルバム『幸福』の中でも地味なアルバム曲というイメージだったので、アルバムリリース直後は演奏するとしてもその後はやらないのかなーと思っていたのですが、前回のツアーでも演奏していたので岡村ちゃんお気に入りなのかしら。


ここで白石さんタイム。
会場の周りに用水路が流れていて、それをベースの横倉さん(よこりんはダイビングのライセンスを持っているそうです)に入れとムチャ振りした白石さん。よこりん「膝くらいしか水ないよ!」
あと何をしゃべったか忘れた!私の記憶力!海馬!前頭葉


で、ここは鉄板の『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』『だいすき』の流れ。ここは崩さないのね。崩してもいいんだぜ。でもやっぱり破顔一笑多幸感幸福感ドーパミンエンドルフィンドバドバ分泌なので抗えない。


第二部の前に一旦切ります。もう4000字に迫ってきたので。続きはまた次回!


映画『SING』 感想

歌の力


(ネタバレあります)


映画『SING』を見てきました。公式サイト↓
sing-movie.jp
字幕と吹き替えのどちらを見ようかなーと悩んでいたのですが、私の地元の映画館では吹き替えしか上映していなかったので選択の余地はなかった。


面白かったです。
脚本のアラはありますが、映像の華やかさ・楽しさ・明るさと、何よりも歌の力ですべてプラスに変えてくれました。
歌手の人が声優をしているのは前情報で何となく知っていましたが、見ている間は完全に忘れていて、歌になって「うわ、この人だったのか!」と思うことがありました。スキマ大橋さんとMISIAさん。


●ムーン(コアラ)内村光良
ウッチャンが主役なんて不安だなーと思っていましたが、上手かったです。明るくて前向きで人柄の良さまでウッチャンに合っている。オープニングの語りの部分では『金メダル男』みたいだなーと思いましたが杞憂に終わってよかった。
ムーンは、明るくて前向きでとてもいい人なのですが、優秀なのか無能なのか分からない。人脈も経験もないベンチャー経営者みたいなもんなのかな?あのまま金策が上手くいかなかったらどうするつもりだったんだろ。
あと、劇場が壊れて失意の状態から劇場を再建する決意を固めるまでの心の動きがよく分からなかったです。ミーナの歌を聴いたから?再びやる気になる描写が足りない気がしました。


●ミーナ(象)MISIA
彼女が歌うまでMISIAが声優だったのを忘れていました。ミーナは引っ込み思案だが歌は上手い。「実は脱いだらすごいんです」「生真面目な学級委員長が眼鏡を外して三つ編みをほどいたら美人だった」方式です。
そして、MISIAの歌が、当たり前ですが、めちゃ上手い!物語としてフリとタメが効いているので効果抜群!この作品はMISIAを起用できた時点で成功は確定しました。
ドラマパートは小声で自信なさげにしゃべるので、あまり技術が関係なく、これも上手く作用していました。
www.youtube.com


●アッシュ(ハリネズミ)長澤まさみ
長澤まさみさんは、声がいい。『君の名は。』もよかった。
歌も上手いです。彼女がラストに歌う『Set It All Free』はこの映画オリジナル曲ですが、個人的にはもっとエレキギターメインのロックな曲調の方がいいなーと思いました。彼女は自分をパンクロッカーだと思っているのに、歌う曲はポップロックじゃないか。メロディはそのままでアレンジでもっと何とかできたのでは。
つまんないツッコミをすると、途中でタッピング奏法をしていたのですが、それはハードロック・ヘビーメタルのギターの弾き方だ。パンクはそんな弾き方をしないぞ。
あと、この映画でギターを弾く描写ではきちんとそのコードを押さえる指使いをしていて感心しました。カラオケの映像で明らかに「お前ギター弾いたことねーだろ」という奴がギター押さえている場面がありますが、そういう変な感じがなくてとてもよかったです。


●ジョニー(ゴリラ)大橋卓弥
スキマスイッチの大橋さんです。ここも私は完全に忘れていた。ジョニーもミーナと同じく控えめな性格なので声の演技が気にならなく幸い。
ラストで歌う『I'm Still Standing』はエルトン・ジョンの曲ですが、まんまスキマスイッチでした!
www.youtube.com
劇中ではサム・スミスの『ステイ・ウィズ・ミー』を少しだけ歌う場面があるのですが、これを大橋ボーカルでフルで聴きたかった!


●グンター(ブタ)斎藤司
トレンディエンジェルの斎藤さんです。声優にお笑い芸人が起用されるのはよくあることですが、ほとんどがチョイ役なのに、今回はメインキャラ。でも上手かった!


●マイク(ネズミ)山寺宏一
山ちゃんだもん、何でもできる。今回もさすがの名人芸でした。プロの歌手が大勢いる中、名曲『マイウェイ』を堂々たる歌唱力で歌ってくれました。さすが。
個人的には『マイウェイ』でなく、別の曲がよかったなー。


ロジータ(ブタ)坂本真綾
おお、彼女は坂本さんだったのか。主婦は毎日フル回転で家事をこなしていてもそれは当たり前の毎日であって夫や子供には評価されない。ロジータの家庭って、まんま日本の家庭のテンプレのようですが、アメリカでもこんな日常なのかしら?
主婦だって外に出たいし非日常の経験をしたい。でも家族も大事。奥さん、ステキです!
途中ピタゴラスイッチを自作するシーンはとてもよかったのですが、夫がそれにすら気づかないのは泣けてきちゃった。奥さんこんなに頑張っているのに!
一応ラストで妻の輝きに気づいて熱いキスをするのですが、それもまた日常に戻ったら元の木阿弥なんだろうなー、なんてことまで考えてしまった。


●ミス・クローリー(イグアナ)田中真弓
田中真弓さんなのか!クリリンでルフィだぞ。声優ってすごいなー。
よぼよぼのお婆ちゃんなので、よぼよぼ感やフルフル感まで表現されていて素晴らしかったです。何となく志村けんのヒトミばあさんを思いながら見ていました。


その他チョイ役にも有名声優さんを使っていたりオーディションの数秒のために歌手やラッパーを起用したりと、人の使い方が上手い。あの人がどういう役で出ているんだろという興味も劇場へ足を運ぶ後押しになるでしょう。


物語として思うところはいくつかありましたが、
・ムーンの再起の心の動き(ここ重要なのできちんと描写してほしかった)
・ジョニーの父親の身勝手さ(テレビの前で涙を流して改心することを誓うだけでいいのでは)
・劇場と各演者のその後(簡単に後日談を見せてほしかった)
歌の力ですべてを上書きしてくれました。やはり音楽ってすごいなーと再認識しましたが、逆に「音楽にごまかされている」とも思いました。
でも、「細けえことはいいんだよ」と思わせる魅力がこの作品にありました。
『SING』も『ラ・ラ・ランド』も「細けえことはいいんだよ」と思ったのですが、『君の名は。』は細かいところが気になってしまいました。何が違うんだろ。日本のアニメに偏見があるのかな?新海誠監督の童貞っぽさが気に入らなかったのかな?


あと、今の3DCGアニメって、本当に何でもできるのですね。普通の映画と同じように撮ることもできるし、アニメならではのアングル・表現もできる。アニメ最強じゃないか!
途中劇場で水槽の水があふれて劇場が崩壊する場面なんて、水の表現も倒壊の表現も上手い。


面白かったです。『ズートピア』のように大人もうなる脚本ではないですが、誰でも間違いなく楽しめる良作。劇場で見るべし。字幕版も見たいなー。

www.youtube.com
この曲、コードの展開は3コードのロックンロールのようなのに、実際のコードやメロディはソウル。スティーヴィー・ワンダーすごいなー(本人作曲なのか分かりませんが)。



↑どちらも見ていません。