「THE MANZAI 2012」 感想(グループA編)
前回、全体編を書いたので、今回は各演者のネタについて書きます。
その前に、前回書き漏れたことをいくつか。
■規模がちっちゃい
「M-1」の10回目では出場組数は4,629組であったのに対し、今回の「THE MANZAI」では1,740組。見る方も出る方も、興味がなくなってきたのかな?
■アオリのVTRはもっとうまく作れ
「M-1」の頃は「PRIDE」の全盛期とも重なっていたからか、アオリのVTRがとても上手かったです。彼らのここまでの道のりやこの大会にかける思いなどが伝わってきて、その熱をこちらも受けてネタに入っていったのですが、今回はそれに比べるとちょっと軽い感じがします。
単に受け取り側である私の熱の違いかな?
■西川きよしは分かっているのか
審査員に不満はない(木村祐一を除く)と書きましたが、西川きよし師匠がちょっと不安だな、と思いました。そりゃあの当時は人気・実力ともに絶頂でしたが、果たして現在の漫才を見て、その技術や笑いのツボが分かっているのか不安なのです。力道山の時代に活躍した選手が、現在のジュニオール・ドス・サントス(現UFCヘビー級王者)の技術なんて多分分からない。
大会終了後にビートたけしが「我々の時代とは東京オリンピックとロンドンオリンピックくらい違う」と言っていたように、漫才そのものがブラッシュアップされている現在、化石の目は不要なのでは。
■国民ワラテンについて
今回は国民ワラテンの結果と審査員の結果が違っていたため、「国民ワラテンこそが民意だ」「審査員イラネ」などの意見をネットで散見しましたが、これは違うと思います。
まず国民ワラテン自体が「笑った回数」で審査するので、ボケの数が多いほうが有利になります。大爆発しても小ボケでも同じ1回。「このコンビが一番面白かった」という審査ではないのです。
また、審査はプロに任せろ、とも思うのです。素人の審査は「いい人」「イケメン」など、笑い以外の要素が入りやすいですし、ネタの技術的な面まで見えない人が多いです。なので、個人的には「オンバト」もいい方法ではないと思っているのです。
ああ、これだけで長くなってしまった。
なので、グループごとにエントリを区切ってアップします。
<グループA>
①テンダラー
上手い。ベテランらしい円熟の技。
去年の「仕事人」と同じ構成にしたのが会場はウケていましたが(去年のネタがフリになっているのですね)、審査員にはイマイチだったのでは。
ラストの「兄貴」「姉貴」「YOSHIKI」の流れは良かったので、このモジリをもっと発展していけばよかったのに。そしてどんどんずれていって、でもラストで戻ってくるような円環構成だと良かったのでは。
②ウーマンラッシュアワー
去年のネタ(バイトリーダー)は大好きで、アイドルっぽい感じも含めて「こいつらは売れる!」と思ったのですが、その後村本のダメ人間っぷりを知るにつけ、「こいつらはダメだ」と思うようになりました。
今回は小ネタの連続がそのままフリになっており、もう一度折り返しながらそのネタをやり返すという構成でしたが、ただそれだけだったのがもったいない気がしました。オチで何かに繋がっていたり破壊したりなど、オチでの爆発があればもっと良かったのに。
③ハマカーン
去年のネタもよかったので、今年も期待。
あれ、ボケとツッコミが入れ替わっていますね。あんまり気にならなかったけど。
ネタはとても良かったです!
「鬼の所業」「下衆の極み」がなかったのが残念なくらい。
あと、浜本のキャラが良くて、ノブコブ吉村の居場所がなくなるんじゃないかと心配になっちゃった。
ネタの後、大竹まことが「前の2組が面白かったから、沈むだろうなと思っていたら、うー、それよりうー、輪をかけてきたからちょっとビックリしちゃって」と言っていましたが、この「うー」は「上回る」の「うー」だったはず。採点前にあまりはっきり優劣言っちゃいけないという判断で言葉を選んだのでしょう。さすが大竹さん。
④オジンオズボーン
こんなコンビでしたっけ?篠宮が春日みたいになっていますね。今後テレビでもこのキャラでやるんでしょうね。この先のテレビ的なことも考えているようなネタとキャラ設定に感じてしまいました。
面白かったのですが、個人的にそんなに好きじゃない。ネタの構成もひたすらボケ続けるだけで、そのままオチ。並列な感じがしました。オチに向かって盛り上がったり、オチでいきなり落としたりとかがあればなあ。
あと、ツッコミがイマイチでした。ツッコミ次第でもっとウケたはず。
というわけでここはハマカーンでした。私も同意見です。良かった。
次回、グループB以降について書きます。
感想書いてて思ったけど、私はオチに何かを欲しがるんだな。
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