「テラスハウス」視聴者が見ると感想は違うのかな?
映画「恋の渦」を見ました。
今どきの若者の恋愛事情。もしTSUTAYAでこのパッケージを見つけても、絶対に借りなかったでしょう。恋愛ものというだけで借りないのに、さらにこのチャラい登場人物たち。私と全く接点がありません。
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2014/06/04
- メディア: DVD
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失敗した!
始まって数分、そう思いました。「マジ」「つーか」「ヤバい」ばかりの会話。中身ゼロ!そしてこのノリ。耐えられない!
そういえば、大根監督はサブカルの振りしながらギャル好きだしな。くそう、騙された、と思っていました。この頃は。
私にとって苦痛でしかない鍋パが終わり、場面が動くと、物語も動き出します。惚れた腫れた、好きだ嫌いだ、かわいいだブスだ、本命だ浮気だと。
正直、ここからもずっと「マジ」「つーか」「ヤバい」ばかりの会話なんですけど、それぞれの関係性とケータイで緊張感が持ちます。
このケータイが、ほぼガラケーなんです。時代としてちょっと前なのかな。TwitterやLINEはまだ広まっていない時代。なので、電話に出ないから不安、メールしても返信がないから不安。そうか、今の時代から見れば、ほんの数年前でもまだコミュニケーションには余白があったのね。何だか発見した気分。
それにしても、登場人物がみんな「今どきのイケてる若者」。ネットではDQNなんて言われていますが、そこまでダメではない感じ。「いわゆる今どきのイケてる若者」って感じ。どうなんでしょうか、若者の皆さん、自分たちのリアルと合っていますか?
今どきの若者ってだけでも全く接点も共感もないのに、イケてる若者なんて、私が今若者であっても接点も共感もないわ。なので、登場人物は9人も出てくるのに、誰とも自分を重ねることができません。
しかも会話の内容が自己顕示と相手より上に立つためのボジショントークと自分の立場を守るための攻撃と謝罪ばかり。こんなにいて相手のために何かするとか相手の立場を考えるとかをする人はいないのか。
物語としての推進力はゼロ。あるのは恋愛の行く末を見届けるだけの野次馬根性のみ。物語にあるのは「若者あるある」と恋愛話だけ。
その恋愛話も、ドラマになるような面白恋愛ではなく、本当にそこらに掃いて捨てるほどある今どきの若者の話。全く私が見る映画ではありません。
何でこんな話を見せられているんだ!
しかし後半、物語は急に動き出します。
妊娠をきっかけに結婚を決意するカップル、社会人(サラリーマン)に恋人を奪われるDV男、母親の病気のために故郷へ帰るウザ男。
まず妊娠カップル。突然知らされる妊娠という事実にどう決断するのかと思ったら、涙を流しての喜びとプロポーズ。びっくりしましたが、今どきの若者は結構そうなのかも、と思いました。湘南乃風カップルというか。そしてすぐ離婚するんでしょ(私の偏見)。こいつは浮気もやめられないしな。
続いてDV男。DVと言っても別に暴力を振るうわけではないのですが、理詰めの論破も言葉の暴力ですよね。今までこの世界(仲間・友達だけの狭い世界)では王様ポジションでしたが、実際は出会い系サイトのサクラをやっているだけのフリーター野郎。そこで普通の社会人が出てくるだけで社会的ポジションでいえばだいぶ下層にすぐ逆転。井の中の蛙ですな。しかもずっと「俺の部屋」って言っていたこの部屋は、彼女が契約主でした!
そして故郷へ帰る男。ずっと同じところでぐるぐるとウザい反芻を繰り返していたこの男が、母親の危機で故郷に帰ることになります。うん、彼はこの帰郷で多分いい人生になります。ウザいけど悪い奴じゃないし、東京は合わなかったんだと思います。
彼らに共通するのは、「外部の風」で変わることです。赤ちゃん、社会人、母親。もうひとりのブサイクなんて仲間内に付き合っていることがばれるだけで変わります。あっけねーな!
つまり、それくらいこの仲間内のつながりとか関係性は薄っぺらくてもろいもんなのです。アイツはダセえ、アイツより自分が上、なんていうポジション取りやマウンティングは世間や社会から見たら本当にちっぽけなことで、外部から見ている私たちには全く関係がないことです。
と、ずっと全く共感できずに見てきた(でも、途中から身を乗り出しながら見ている)のですが、ラストで衝撃のオチが!これは全く予想していなかったのでびっくりした!思わす声出た。
で、これに対する男のセリフですが、やっぱり仲間の関係性を思うとこうなるかなあ。
私だったら(ネタバレ避けるために反転)
秘密にするからタダでやらせて
って言っちゃうな。
このラストがなければずっとイライラしながら見て終わったかもしれません。やられた!
キャストはみな映画ワークショップで選ばれた人たちなので、有名どころはまったくいません。でも、演技は上手い。上手いというか、自然。セリフ回しがこういう若者言葉だったからかな。普通の言葉遣いでの演技だとここまでできないかな。自然過ぎてずっと不快な思いをしながら(褒めてます)見ていました。
実際の若者だったら複数人で見て楽しめる作品だと思います。
「モテキ」気分でサブカルの人が見ると火傷します。
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■「モテキ」その後 - やりやすいことから少しずつ