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やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「いい」と「売れる」の距離

いいものが売れるために


ある人からTSUNEIさんのアルバム「Everlaughing」を借りました。貸してくれと言ったわけではなく、「エセは音楽聴くからこれも聴いてみて」と渡されたのです。
TSUNEI。ツネイと読みます。知っていますか?私は全く知りませんでした。まだインディーズなのかな。


私は女性ボーカルものはほとんど聴かないので、あまり乗り気でなく聴いてみたのですが、良かった!
www.youtube.com
これが1stシングルだそうです。30秒しかないのでよく分からないと思いますが、この曲はいわゆるシンガーソングライターっぽい曲です。ピアノやギターで作ったような、弾き語りできるような曲です。
それが、アルバムの中の曲はこういった「楽器でコードとメロディを作りました」という曲もあるし「トラックを作ってそこにメロディはめました」という曲もある。
コードとメロディを優先するとリズムが弱くなることがあるし、トラックでメロディをはめる作り方だとコードやメロディが制限を受けることがある。それが、このアルバムではどちらもいいとこどりしてあるのです。
歌詞カードを見ると、全部本人作詞作曲。しかも編曲もほとんど本人がやっている。何だこりゃ、すごい才能の持ち主なのか?
その他の楽器は誰が演奏しているのかな。せっかくのアルバムなのに細かいクレジットがなくて残念。


インタビューを読むとPUFFY、SPEED、マライア・キャリーアリシア・キーズ昭和歌謡といったミュージシャンや音楽に影響を受けてきたそうです。
utalabo.com
あー、なるほど。納得。日本ぽいメロディと90年代ディーヴァ時代のトラックが上手く融合している感じがする。R&B、クラブ、EDMといったリズムだけ強化した音楽ではなく、J-POPメロディだけでなく、その両方が合わさってこのアルバムが出来ています。


曲もいい、歌も上手い、声もいい、顔もかわいい。
で、これが売れるかと訊かれると「うーん」と言葉を濁してしまう。個人的にはいい曲でいいアルバムだと思うのですが、これが世間でどかーんと売れるのが想像できないのです。
CDショップで試聴機に入っていてすぐ「いい!」と反応できるかな、店内BGMで流れていてすぐ反応できるかな。自信ない。
声、メロディ、歌詞、アレンジ、ビジュアルなどの各要素を五角形チャートに表してみたら、たぶんどの要素も高得点だと思います。しかし、どれも突き抜けていない。突き抜けた特徴がない。


売る側は、どこをプッシュするといいのだろう。
上に貼ったシングル曲はポップスですが、アルバム内の曲は打ち込みビートのトラックもある。この子をどうやって売り出せばいいのだろう。
aikoのような高品質ポップス?miwaのような可愛らしいビジュアル?宇多田ヒカルのような圧倒的才能?椎名林檎のような独自の世界観?Misiaのような歌唱力?倖田來未のようなセクシーさ?
どの要素も持ち合わせているので、どこを打ち出すべきなのか、私には分かりません。
アルバムの帯にあるキャッチコピーは「誰もが釘付けになるソウルフルかつ伸びやかな歌声でオーディエンスを圧倒」とあります。つまらん。確かにその通りですが、この帯を読んで「聴いてみよう!」と思うでしょうか。私は思いません。


彼女は何でもできる才能を持っていますが、売り出すときにはどこか一点をピックアップした方がいいと思います。そうしないと興味ない人には刺さらないから。


普段ジャンル分けやカテゴライズはつまらんと思っていますが、それでも「ソウルフルで伸びやかな歌声」では具体性が全くないので音が想像できません。ポップス、R&B、HIPHOP、ジャズなどある程度説明が欲しい。そして例題が欲しい。それが「ポスト○○」だったりするのですが、それをやられるとまたつまんない。どないせいっちゅうねん。
キャッチコピーで「ポスト」「ネクスト」「第二の」とあると冷めるけど、紹介文などで「○○が好きな人なら必ずチェック!」くらいだったらいいかな。


と、今さら売る側の気持ちが分かった気がしました。カテゴライズするのは、そうしないと相手に音を想像させられないから。とりあえず手に取ってもらわないことには勝負は始まらない。


さて、いろいろとっ散らかった文章はおしまい。いいアルバム、素晴らしいミュージシャンなので売れてほしい。そのために売る側はどうすればいいのだろう。営業とか戦略って大事。頑張れ。


Everlaughing

Everlaughing