Official髭男dism『Traveler』
- アーティスト:Official髭男dism
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2019/10/09
- メディア: CD
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2019年優勝のアルバム。2018年があいみょんの年なら2019年はヒゲダンの年だ。2020年はKing Gnuの年になるかな?
まず、ポップスとしての出来がよい。出すシングルが皆ポップスとして強い。こういう勝負所でちゃんとマスに届く曲を書ける藤原君は偉い。こういう名曲がストックとしてあって戦略的に出してきたのかは分からないけど。
私、前作のアルバムで「歌詞がもうちょっと」なんて書いていたのですが、今回はよい!今の時代にフィットした「弱くて優しい男」が丁寧な言い回しで、なおかつ韻も踏んで歌詞の世界を作っている。素晴らしい。
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また、私は以前のようなブラックミュージックの影響のあるグルーヴ感のある曲が好きだったので、最近のシングルは「ポップス全振りだなあ」とも思っていたのですが、アルバムで聴くと、シングル以外のアルバム曲がまさにこういう感じでよい!マスに向けたポップ性と自らの音楽性に根ざしたブラックミュージックの上手い使い分け。素晴らしい。
藤原君の歌って、声の高い今どきのボーカルに聞こえるのですが、『Amazing』での後ろノリの歌い方(リズムのいちばん後ろにぴたっとくっついている感じがする。伝われ!)がとても好きで、そういうところも私の好みとも一致する。
Mrs. GREEN APPLE『Attitude』
- アーティスト:Mrs. GREEN APPLE
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2019/10/02
- メディア: CD
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ミセスはボーカル大森君の高い声がちょっと苦手でそんなに熱心に聴いていなかったのですが、このアルバムはいいですね。大森君の歌がさらに上手くなっている!
この記事を書くためにYouTubeを見ていたら、ファンは高校生が多いのかな。青春とか恋とか受験とか、頑張ってね。
ただ、私のような一見さんには17曲入りのオリジナルアルバムってちょっと多い。もう少し整理してすっきりしていてもいいなと思いました。ファンは曲が多い方がうれしいに決まっているけど。
大森君の歌唱力は16曲目の『Circle』で炸裂していまして、これを聴いて私は「彼はバンドをやるよりミュージカル俳優や声優歌手の方が資質に合っているのでは?」と思ってしまいました。ファンは怒るでしょうが。
あと、どーでもいいことですが、大森君は「い」の歌詞を「え」と発音することがちょいちょいありますね。何でだろ、気に障る。江戸っ子だから?
スピッツ『見っけ』
- アーティスト:スピッツ
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2019/10/09
- メディア: CD
前の2バンドはバンド名もタイトルもコピペしたけど、こちらは両方手入力できた。スピッツは優しい。
私は、スピッツの熱心なファンではありません。ほとんどのアルバムは聴いていますが、ちゃんと聴き込んでいない。だって、どれも同じじゃん。それは85点~95点の位置で同じってことで、めちゃめちゃすごいことなのですが。どれも同じってのは、昔から今までずっといい曲を書いてきて、声もビジュアルも変わらないすごさも含んでいます。
それにしても、毎回複雑なコードは使わず、トリッキーなリズムは使わず、豪奢なアレンジは施さず、これだけ名曲を作り続けるって、どれほどすごいことなのか、私は上手く形容ができない。肉と骨だけでずっと勝ち続けるバンド。
こういうとき、私は妄想する。もしスピッツがまだアマチュアで、このアルバムをレコード会社に送ったら、レコード会社は拾ってくれるだろうか。もちろん獲得するでしょう。この声、このメロディですよ。同じように、このアルバムだったらデビューできてないだろ、と思ってしまうベテランミュージシャンもいて(それでも過去のファンたちとの絆で活動はできている)、「続ける」だけでなく「高いレベルで続ける」って本当にすごいことだなーと思ってしまうのです。
あと、このアルバムを聴いて改めて思ったこと。ドラムが上手い。スピッツはミドルテンポの8ビートが多いので、あまり「上手いぜ!」という派手なリズムは出てきませんが、ちゃんと聴くと、しみじみ上手い。そういえば、使うコードもコード進行もベタの極みだった『チェリー』がなぜ今も飽きずにフレッシュに聴けるかというと、リズムが跳ねているからです。メロディだけでなく、リズムもその曲の寿命を左右する。
ずっと真夜中でいいのに。『潜潜話』
- アーティスト:ずっと真夜中でいいのに。
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2019/10/30
- メディア: CD
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ずとまよの1stフルアルバム。しかし過去2枚のミニアルバムの代表曲がたくさん入っているので、お得のような残念のような。ミニアルバムの曲はオリジナルフルアルバムに入れていいのか?ちょともやる。
登場の仕方、メンバーの打ち出し方(隠し方)、MVの使い方(統一感のあるアニメ)、ソロなのかバンドなのか分からない音像、曲展開の多さ、歌詞を詰め込む細かい譜割り、どこを切り取ってもサビになるメロディの強さ、ああもう、2010年代全部乗せ。そんな彼ら(彼女か)のフルアルバムが2019年末に出て、これで2010年代おしまい!な決定版となりました。
ミニアルバムの代表曲も入っているため、とにかく強い曲が多い。そのため、初聴では疲れちゃう。1曲で数曲分の情報量があるのに、それが13曲。胃もたれるわ。
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私は前作のとき絶賛しており、それは今作を聴いても同じなのですが、おっさんの体では美味しくいただくことができないのです。マックのハンバーガーは美味しいけど、ベーコンレタスです!フィレオフィッシュです!てりやきです!チーズです!と連続で来られちゃそんなに食べれないよ~と思ってしまうのです。味噌汁とかないの?
これと逆なのがスピッツ。秘伝の出汁のみで薄味でもずっと食べることができる。そんな対照的な印象を抱きました。
強いメロディを書けるのは分かった。あとは、ベタなバラードだ。それでずとまよはさらに強くなる。
あと、顔出ししないのはいつまで続けるんだろう。ライブでもACAねさんのお顔は見えないような照明になっているようだし、あまり引っ張りすぎると出すに出せなくなっちゃうよ。早めに出しちゃえよ。化粧や髪型でどうにでも化けられるんだから。