映画「愛のむきだし」 感想
腹いっぱいでしゃべれない
ずっと気になっていた園子温監督。
でも「冷たい熱帯魚」は怖そうだし、「愛のむきだし」は長いし、と今まで未見でした。ようやく重い腰を上げて「愛のむきだし」をみたのですが、これがとんでもないヘビーな作品でした!
上映時間237分。つまり4時間ですよ!それなのに、全く飽きない、ダレない。
物語の進行にぐいぐい引き込まれ、前編を見終わった時点で既にぐったり。あまりにパワーが強すぎて、なかなか言葉にできない。
とっちらかった文章になりますが、ご容赦ください。
まずは役者。
ユウ役の西島隆弘はAAAのメンバー。最近は役者でも活躍していますが、私は初見でした。AAA自体がエイベックスだし、ゴリ押しのわりに売れないし、と興味がなく、彼自身も可愛い顔立ちなので舐めていましたが、非常に良かった。
というか、こんなパワーの作品に出会ってしまったらAAAなんて辞めて役者に専念しそうなのにな。
次にヨーコ役の満島ひかり。
Folder5というアイドルグループを経て、この映画で覚醒。パンチラもレズビアンもオナニーも厭わない体当たりの演技が、最近の「それでも生きていく」などにつながっているのでしょう。
そしてコイケ役の安藤サクラ。
この映画はポスター等では上記2人が主役となっていますが、映画のエンドロールではこの3人が同列。実際、存在感では彼女が一番でした。あのブスエロイ、爬虫類のような目が最高。この映画の時点でどれほどのキャリアがあるのか分かりませんが、素晴らしかった。さすがは奥田瑛二と安藤和津の娘。
この後「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」では醜く太ったりして、今後も名脇役や準主役として活躍しそう。
その他にユウの父親テツ役の渡部篤郎は神父の役だったので、この人は胡散臭い役の方が合うのになあ、と思っていたのですが、途中暗黒面に落ちたり女に溺れたり、やはり一筋縄ではいかない役でした。
さすが。
その渡部篤郎を溺れさすカオリ役に渡辺真起子。
彼女のことは全然知りませんが、ブスエロイ感じがとても合っていました。
(安藤サクラのブスエロイとは別物)
私はミニシアター系の「明確なストーリーがない映画」などは苦手で、べたな王道映画ばかり見てきました。しかしそういう映画は役者やプロデューサーやタイアップなどもろもろを抱え込んでの作品になるので、誰でも見れるように「雑味無し、分かりやすい味付け」になってしまい、凡庸だなともうこともしばしば。
この映画も一応メジャー流通ではありますが、まだそこまで大かがりになっていないので、監督の味がそのまま出ています。この映画を見た人は必ず他の園子温作品を見たくなるはず。それくらい監督のパワーが伝わってくる作品でした。
実際、撮影中はどんな感じだったのでしょうか?
撮影中はまだこの映画がこんな評価になるとは思っていなかったでしょうし、西島隆弘も満島ひかりもこの時点では駆け出しの役者。しかもどちらもアイドル歌手出身。「何で俺がこんなことやらされんのかなぁ」などは思わなかったのかな?一歩間違えるとこれまでのキャリアやこの先の未来に汚点を残す黒歴史になりかねない演技なのに。
ああ、まだ何も語れていないけど、うまく言葉が紡ぎ出せない。
「言葉にできない」なんて言いたくないけど、今の私の技量ではうまく言葉に落とせない。次の映画を見てまた考え、言葉を捻り出します。
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