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映画「地獄でなぜ悪い」 感想

園子温監督最新作「地獄でなぜ悪い」を見てきました。
園子温といえば「冷たい熱帯魚」を始めとしてエログロなイメージがあると思いますが、今回はコメディ映画でした。といっても、ボケやツッコミがあるような「お笑い」映画ではなく、登場人物が全員狂っていて、さらに物語の枠組みや世界観自体が狂っているという、作品全体がコメディな映画でした。


オープニングの「血の海」の過剰さから、この映画はリアリティより振り切った表現に重きを置いている作品なんだな、ということが理解できました。なので、出てくる人物がみんな狂っていてもその世界観の中で楽しむことが出来ました。まともに見えた「平成のブルース・リー佐々木」(坂口拓)も「巻き込まれた男公次」(星野源)もラストにはおかしくなるしね。


相変わらず、園子温のパワーやエネルギーや情熱やあふれ出る汁などに引っ張られていきます。脚本の整合性や筋書きではなく、園子温という人によってこの世界に引きずり込まれる感じ。
ラストにはスプラッターのようになるのですが、完全なる作り物の手足や血しぶきにより全くグロい感じはありません。わっはっはと笑いながら見ていられます。


ラストカットはどう理解すればよいのでしょうか。どなたか教えてください。


公開前は星野源が主役のように取り上げられていましたが、この映画の真の主役は長谷川博己でした。狂っている人物ばかりの本作において、さらに2馬身引き離して狂っていました。そしてその狂気が役やセリフではなく、彼そのものに見えてしまう感じもしました。素晴らしく狂っている!(褒め言葉)
國村隼堤真一はもちろん素晴らしい。國村さんはおっかないし、堤さんは一人だけコメディの演技でしたが、上手いから見られる。
二階堂ふみは今回もおっぱいが素晴らしい。そして子役の女の子が超かわいい。10年後期待できるぞ!
その他、でんでんは出てくるだけで笑っちゃうし、高橋ヨシキさんは「この人のこと知っている人ってどれだけいるのかな」と思いながら見ていました。


ああ、面白かった。デート映画には全く向かないけど。
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