やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画「恋の罪」 感想

少年が心配

愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」ときて、これにたどり着きました。
映画「愛のむきだし」 感想 - やりやすいことから少しずつ

映画「冷たい熱帯魚」 感想 - やりやすいことから少しずつ
結論から言うと、今までの中では一番はまらなかった。
登場人物がみんな頭おかしいし、物語を進めるドライブ感に欠ける。
例えば「愛のむきだし」ではユウ、「冷たい熱帯魚」では社本が普通の人で、それがいろんな出来事に巻き込まれていくので、一般人である私たちも物語に引き込まれていく。
また、この2作品は「演繹法」で描かれているので、この先何が起きるのか全く分からない、主人公と同じ気持ちで物語に入り込めますが、今回は事件の被害者とその背景(犯人・動機など)を探っていく物語なので、「帰納法」の部分が大きい。
私が園作品に求めているのは謎解きではないので、その点でも入り込めなかったです。


今回の主人公は水野美紀神楽坂恵冨樫真の3名。
見る前は神楽坂恵のおっぱい情報ばかりに目を奪われていたためてっきり彼女が主役かと思っていましたが、エンドロールでは水野美紀が筆頭でした。
でも、映画を見た限りでは神楽坂恵が主役、冨樫真が彼女に影響を与える重要な役どころ、水野美紀はその内情を私たちに見せる案内役、という感じでした。


ではまず水野美紀
冒頭から彼女のヌードが拝める。別にヌードを映す必然はない場面なのに脱がす。そして映す。さすが園監督、ドSですなあ。
刑事である彼女は幸せな家庭を持ちながら、不倫もしている。その不倫相手の命令に言いなりになる彼女ですが、そこまで変態・淫乱・従順のドMになりますか?次の神楽坂恵もそうですが、AVの中のドMキャラのような感じ。一般の女性が見たらどう感じたのでしょうか。「はいはい、『私淫乱です』って言えばいいんでしょ」などとは思わないのでしょうか。不倫相手から無茶な要求を突きつけられたら「いい加減にしろ。何言ってんの?」とは思わないのでしょうか。
その不倫相手である児嶋一哉の演技は、よかったです。児島といえばアホで有名ですが、最初顔が出ずに声だけの場面では非常に「いいドS」でした。児島本人が登場してからちらっと「アホ」が頭をかすめましたが、それでも演技力で「アホ」を消し去ってくれました。
ただ。ただラストで水野美紀のケータイに「今どこにいる」という場面で「何言ってんの?」という思いを抱いてしまいました。シナリオ的には「日常からちょっと離れたらそこは非日常だった。そこでの「今どこにいる」「分からん」でシメ」は非常に納得できるのですが、いかんせん児島なので、「今どこにいる」が空気読めないアホに感じてしまったのです。すみません。ゴッドタンの見すぎか。


続いて神楽坂恵
園監督と結婚した彼女ですが、正直前作の「冷たい熱帯魚」ではそこまで女優としていいと感じませんでした。それが、この作品ではだいぶレベルUP!貞淑で大人しい人妻から性に開放的・自覚的になり、ラストで娼婦に「堕ちて」いく様まで、顔も声も喋り方もどんどん変わっていくのです。
そしてドM。前作でもドMの役柄でしたが、彼女自身がドMなのでしょう。だからドSの園監督と結ばれたのでしょう。私の勝手な邪推ですが。
それにしてもおっぱい凄すぎ。服の上からでもわかるボリュームに「おっぱいすげーな」、街中をただ歩いている場面では「ばいんばいん」と、私の口が勝手にアテレコしてしまう。
ああ、ドMとおっぱいで感想終わっちゃった。


そして冨樫真
私は彼女のことは存じ上げなかったのですが、すごい存在感。
愛のむきだし」の安藤サクラ、「冷たい熱帯魚」の黒沢あすかの役どころです。
昼の大学准教授と夜の娼婦で本当に顔が違う。人も違う。考えていることは同じですが、大学ではその意味を考え・教え、夜の街ではその意味を感じ・肉体化していく。
親という感情を超えた愛情を感じていた父親を亡くし、夫を取られた母親の嫉妬を受け、彼女は破綻してく。そしていずみ(神楽坂恵)のメンターとして「きっちり堕ちてこい」と言う。
神楽坂恵と対照的なガリガリの身体がより「娼婦感」を出しており、怖くて良かったです。
でも私もあんなのが出てきたら「チェンジ」だな。ごめんなさい。


クライマックス。
被害者は美津子(冨樫真)。加害者は彼女の母とデリヘルボーイ。いずみ(神楽坂恵)がどこまで殺人に関わっていたかははっきりと描かれてはいません。多分首絞めるまでがいずみで、殺したのが美津子の母。死体の解体はデリヘルボーイなのだと思いますが、デリヘルボーイが解体までする理由が分かりませんし、最後首吊りするのも分からん。


それにしても、園監督はいつも「親のせい」「家庭のせい」ですな。
そんなに影響受けたり鬱屈したり爆発したりするかな。私が平々凡々に生きてきたからかな。


本編とは直接関係ありませんが、いずみはスーパーで実演販売のパートをしているのですが、そこで売っているソーセージがだんだん巨大化していくのは笑った。
何のメタファーだよ。


あとラストで神楽坂恵が少年二人におしっこするところを見せるシーン。
あれは何?ここまで堕ちました、という表現?
演技とはいえあんなことをさせられる少年二人がかわいそうでした。
園監督だから本当にノーパンで本当におしっこをさせている可能性もある!
繰り返しますが、「少年が」かわいそうでした!変なトラウマ抱えませんように!


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