やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「独立国家のつくりかた」 坂口恭平 感想

応援します、遠くから


最近、メジャーではありませんが、ある場所では非常に熱い評価や評判を聞く人がいます。坂口恭平。新政府初代内閣総理大臣です。
以前から本屋でこの本は見かけていましたが、電波な人なのかなと思っていたのですが水道橋博士他熱烈にプッシュする人が多いので食わず嫌いはいかんと思い、読んでみました。


この本でキーワードになってくるのが「レイヤー(層)」という言葉です。私たちが普段生活してるこの社会も、見方を変えれば全く違う風景が見えます。都市のゴミは家の材料に。狭い我が家は単なる寝室、この街全体が居間。家に車輪をつければ住宅ではないので家賃も固定資産税もいらない。
このように、現在の社会を否定するのではなく、違う考え方で生きられるのではないか、ということがこの本の主題です。
彼も「新政府」を謳っていますが、現政府を転覆させることが目的ではありません。「チェンジでなくエクスパンドだ」と、否定ではなく拡張だと。


彼のすごさは、子どものような疑問を全て自身で行動し、実践していることにあります。家、土地、家賃、労働、経済…。私たち一般人はすぐには真似できませんが、この考え方についての意見・態度は表明できます。賛同する人は混ざればいいし、支援すればいい。


この本にはキャッチーな言葉がたくさん出てきます。「借金思考」「態度経済」「思考都市」「学校社会と放課後社会」などなど。
私は「ある事象に名前が付くと命が与えられる」と思っているので、これらのコピーライトのセンスはとても大事だと思っています。
※なので「万引き」「援助交際」などの言葉は「窃盗」「売春」にすべきだと思っていますし、「ブルセラ」「ニート」などはその言葉が生まれるまではその存在は市民権を得ていませんでした。名前が付くことにより世間に「発見される」のです。いい悪いは別にして。


彼が独立国家としてやろうと思っていることは、なかなか現代の日本社会では実現が難しそうです。そして彼が唱える「態度経済」も、彼のカリスマ性やキャラクターに依っているところが大きいので、仕組みやシステムとして拡がってくのは難しいと思っています。
しかし、彼に与える援助はさらなる大きな波となって返ってくるでしょうから、社会全体が動いていくきっかけになればいいとは思っています。
ただ、私個人は彼とはお近づきになりたくないです。ニコ動やYouTubeで彼の喋りを聞くことができますが、ああいう一方的にしゃべる熱さはとても苦手です。資本主義に対する疑問という大きな枠組みでは賛同するので、私は遠くから応援させていただきます。本を買ったり周りにこの考え方を広めたり。
何だかこの人は…と思っていたら、案の定躁鬱病でした。うーむ、納得。


彼は現在欝期に入っているそうです。そして欝期には自殺願望が強くなってしまうそうです。今後彼の名前が大きくなるにつれ、欝期の自殺願望はより強くなるでしょう。そして私はどこかで彼がポキっと折れてしまうような気もしています。
そうはならず、躁鬱の波を緩やかにして、なるたけ長い間活動して欲しいです。
次の活動期はいつだ。待っています。


独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)



坂口恭平 独立国家のつくりかた 政権演説HDVer.Vol1.movこういうのはいくらでも転がっていますので、興味のある方はYouTubeを徘徊してください。

1 【福島・原発】 宮台真司×坂口恭平(新政府初代内閣総理大臣)2012/6/10