カイゼン、そしてペイフォワード
サッカーW杯が盛り上がっています。私のサッカーに対する興味は全国の中で1億番目くらいなのでそんなに熱心には見ていませんが、どうせなら勝って欲しいですよね。
で、先日のコートジボワール戦の後、日本人サポーターがスタジアムの中のゴミ拾いをして世界中から称賛されるという記事を読みました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140617-00000044-sph-socc
「日本人はやっぱり凄い民族だ」・・・W杯で試合観戦後にサポーターの「ゴミ拾い」に称賛の声=中国ネット (サーチナ) - Yahoo!ニュース
(↑この他にもたくさんありました)
ゴミ拾いをする人たちに対しては単純に「偉いな!」と思うし、褒められれば「嬉しいな」と思います。
そんな中、こんな記事もありました。
日本でデスマーチが発生する理由とW杯コートジボアール戦のゴミ拾いの関係 - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
ちなみに「デスマーチ」とは「死の行進」という意味で、ビジネス(特にIT業界)における過酷な労働環境のことです。
デスマーチとは 【 death march 】 〔 死の行進 〕 - 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典
この記事では、ゴミを拾う仕事をする人がいるのだから、善意であってもゴミ拾いをしてしまうと彼らの仕事を奪ってしまうことになる。その行為は他人の仕事を奪う「マナー違反」なのだから、するべきではない、という内容です。
その後この記事では、日本のビジネス環境は職務分掌が曖昧なためサービス残業が常態化していて、デスマーチが発生するのも当たり前になっている。だから日本はダメだ、という論旨に進んでいくのですが、これって最初の話とずれていますよね?
職務分掌が曖昧なことはビジネスの話で、ゴミ拾いはマナー・モラルの話。
負けた試合でもスタジアムで暴れず、ゴミを拾ってかえる様な日本のファンのマナーの良さは世界から絶賛されるべきことです。しかし、他の国の人々がなぜゴミを拾わないのかというのにも理由があるわけです。そして、日本のIT業界ではデスマーチが当たり前で、サービス残業がなくならないのにも理由があります。
と記事は結ばれていますが、ゴミを捨てている人は「彼らの仕事を作り出している」と思っているのでしょうか。何て思い上がり!
なので、この記事での後半の部分は無視します。
それでもこの流れで話を進めるとしても、ゴミ拾いをしたってプロのレベルで清掃できるわけじゃないので、彼らの仕事を奪うことにはならないと思うのです。
確かに、経営者の中には「仕事が減った→人件費削減」に動く人もいると思いますが、普通は「より高いレベルの仕事をしてもらおう」と考えるのではないでしょうか。
※労働者自身が「ゴミが少ないな、じゃあより高いレベルの仕事をしよう」と考えるとは思いませんが。
ここからは記事から離れた話。
私はいつも「トータルでプラス」とか「自分が損しないことをして得しよう」という風に物事を考えています。他人を下げる・他人から奪う、のではない。
■「得していない得」を止めて「損していない損」をして、「トータルでプラス」になろう - やりやすいことから少しずつ
■「ポイント」って何? - やりやすいことから少しずつ
(↑関連エントリ)
今回のゴミ拾いは「わざわざ」やったことですが、それでもこれによりゴミ拾いの仕事の人たちに仕事のゆとりが生まれ、より高いレベルの仕事・サービスをすることが可能になったわけです。彼らの賃金の一部はチケット代金にも含まれているわけですから、これって、トータルでプラスになっていますよね。
まあ、そこまで明確な因果関係がすぐ現れるわけではないのですが、マイナスにはならないので、じゃあ負担にならない範囲でやろうぜ、と思うのです。
具体的なことは上記の過去エントリに書いてあるので繰り返しませんが、みんながちょっとずついいことすれば、全体ではとても大きなプラスになるのです。
自分が犠牲になる必要はありません。楽しく生活しながら、ちょっと手を伸ばす。無意味なこだわりは捨てる。笑顔は敵を作りません、味方を増やします。世の中がつまらないのは、君がつまらないからです。世の中を楽しくするのは自分の見方と考え方。
話を戻します。
スタジアムのゴミ拾いをしてくれたサポーターたち、感謝します。何やったって言いがかりをつける人はいるものですが、気にせず胸を張ってゴミ拾いをしてください。世界は称賛しています。
そして、日本代表も頑張れ。試合結果でも称賛されたいですね。
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