やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

メロディは才能、天からのギフト。

人はそれを天才と呼ぶ


あいみょんマリーゴールド』がとても名曲で、コードを当たったらめちゃ簡単でびっくりした。2カポで使っているコードはC・G・Am・Em・F、以上。こんな、ギター初めて1週間で弾けるようなコードだけでこの名曲を作ったのか!
で、このコードってスピッツ『チェリー』と同じなんですよ。この名曲もこの5つだけ。コード進行も王道そのもの。こんなベタで簡単なコード(誰でも知っている、誰でも弾ける、誰でも思いつく)なのに、誰も作れない、でもみんなが名曲だと思う曲を作るんですよ、このすごい人たちは。


メロディは、誰でも作れます。鼻歌でふんふんと歌えばあなたも作曲者。子供だってうんこちんちんの曲を毎日作っているじゃないですか。曲なんて、誰でも作れるんです。
でも、「いい曲」は誰でも作れるものではありません。「いい曲」って定義が難しいので、ここではざっくりと「世間でヒットする曲」というポップスでの話に絞ります。だって、クラシックの名曲は音楽理論知っていなきゃ作れないもんね。


曲は誰でも作れるのに、いい曲は誰もが作れるわけではない。音楽理論に詳しい人はたくさんいるけど、その人が名曲を書けるわけではない。ジョンとポールは最初から名曲を連発していたし、宇多田ヒカルは15歳で『First Love』を書いた。尾崎豊は当初は明らかに音楽的知識はなかったけど、10代で名作アルバムを3枚も作った。
草野マサムネヒロトマーシーがどれだけ音楽理論を知っているか私は知らない。長渕剛にしても中島みゆきにしても同じ。でも、彼らは何十年もシンプルなコードで名曲をいくつも作ってきた。
10年音楽を学んだ人が名曲を生み出せるわけではない。先月ギターに初めて触れた彼がいきなり名曲を作るかもしれない。


身もふたもない言い方ですが、「才能」ですよ。


いいメロディは、「キャッチー」という言い方をしますよね。耳をキャッチする。また、ヒップホップではサビを「フック」といいます。耳を釣り上げる、耳をひっかける。どちらもその通り!な言い方です。
「ここのA7のコードが肝!」「ここのレシラのシがポイント!」という分析はできますが、じゃあA7を使えば、シを使えば名曲になるかというと、当たり前ですがそんなことはありません。
キャッチーなメロディを作るには、やはり魔法が必要なのです。その魔法を使える人が才能のある人、なのです。


もちろん理論を分かっている方が長い目で見れば有利だし武器を多く持っていることは間違いないです。それでも、名曲を作れる人というのは、その上のゾーンにいる人なのです。
知識や技術や理論を超えた世界、中二病っぽくて楽しいじゃないですか。「僕なんて」と思って日々暮らしている童貞中学生がいきなり名曲を連発するかもしれないのです。ポップスはそういうところが面白い。