やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

この才能をもっと世に!「都会のシェイクスピア」 劇団ひとり 感想

事務所がんばれ


TSUTAYAで70%OFFだったので買ってきました。
前作「都会のナポレオン」は未見です。


フェイクドキュメンタリーなのですが、劇団ひとりの演技力がそれに説得力を持たせています。面白くない人が言う無駄な一言とか、いきっている若者のずれた虚栄心とか、純愛とストーカー・理想と現実を履き違えている人とか。
DVDのパッケージに「これを喜劇と観るか、悲劇と観るか、それは観客席で貴方が決めること」とありますがまさにそんな感じ。松本人志の笑いにも共通する部分ですが、リアリティとちょっとした哀しみがあるから面白いんですよね。スイカにかける塩のように。
大爆笑するような作品ではありませんが、何もしていないところもずっと面白い。その人がそこに「生きている」から。


劇団ひとり、好きなんです。
「ゴッドタン」での「キス我慢選手権」でも、もはや「キス我慢」ではなく「アドリブ芝居」として楽しめる演技力はもちろんですが、それ以上に「その場の空気を変える力」が素晴らしいと思うのです。
だから、逆にトーク番組などではあまりはまらないんですよね。吉本が得意とするミニコントなどの協力プレーが上手くない。その分「ゴッドタン」で自由にさせたときは爆発するのです。共演者が引くのもお構いなしで突っ走れるハートの強さはとても大きな武器だと思います。
昔、まだ独身時代に「笑っていいとも」に出演していた際、当時付き合っていた大沢あかねの話題を出された時に「止めてよ、会いたくなるじゃん」と言ったのに爆笑した覚えがあります。結婚前なのに否定でも肯定でもなく「のろける」という返し。素晴らしい。
さらに、文才もある。「陰日向に咲く」は素晴らしい小説でしたし(映画はひどかったけど)、読売新聞や週刊文春に連載しているコラムも面白い。


彼はお笑いはもちろん演技もできるのに、現状は彼の実力と評価が釣り合っていないと感じています。もっとすごい力を持っているのにそれを発揮できる場が少ない。
深夜のバラエティで「マシューTV」のような番組を持たせてあげればなあと思うのです。宮迫や塚地などが役者でも評価されていますが、それに見合う評価を得てもいいと思うのです。
というわけで、事務所頑張ってください。ビートたけし竹中直人イッセー尾形になるべき存在なのですよ。


都会のシェイクスピア [DVD]

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