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映画「青天の霹靂」 感想

面白いのに哀しい、笑えるのに切ない


映画「青天の霹靂」を見てきました。
原作は読んでいます。小説としてはちょっと弱い部分はありましたが、プロットや伏線回収など話の持っていき方はとても上手く、映画化が待ち遠しかったです。
しかし、問題は「監督:劇団ひとり」ということ。才能があるのは認めますが、映画監督としてはどうなのかしら。ちょっと不安。
そして大泉洋柴咲コウなどビッグネームの主演、さらに主題歌はミスチルというメジャー大作になってしまって、不安はさらに募ります。
さて、どうかな。
公式HP→映画『青天の霹靂』| 公式サイト


面白かった。
(この先ネタバレ含みます)


監督、できるじゃん!ちょっとアップが多いな、とか固定カメラの方がいいんじゃないかな、と思う場面もありましたが、第1作目でこの出来はすばらしいと言っていいよね?
大泉洋がタイムスリップ直後に街中を走る場面で、大泉さんを正面から撮りながら背後に流れていく看板や車を映すことにより「昔の時代」ということが分かるし、そのまま引きの映像にしてダメ押しでも分からせる。
分娩台のライトが点くのと大泉さんの舞台のスポットが点くのが連動しているのも、ここからクライマックスだし、この2つの場面は連動していることが伝わります。
ラストの川原の場面の、同じカットで時代が変わる描写もよかった。


私は劇団ひとり大泉洋が好き過ぎるのでどうしても評価は甘くなってしまうのですが、二人の演技や表情だけで笑えるし、泣けます。陳さんはいつ見てもテッパンだし。
芸人なので間が上手い。笑いが分かっている人の作品ですね。当たり前だ。
途中から何度も泣きながら見ていました。可笑しさと哀しみは紙一重であり表裏一体なので、笑える場面でも泣けてきます。
松本人志の笑いもこういうテイストなのに、なぜ映画ではそれができないんだ!


劇団ひとり原作・脚本・監督ですが、原作と違っている点がいくつかありますね。
劇団ひとりも大泉さんも原作だともっとダメなやつですが、映画だと結構まとも。大泉さんは境遇に恵まれていないだけでそんなに卑屈な感じがしません。大泉さんだからかな。
劇団ひとりなんて、だいぶカッコよくなっています。インタビューを読むと「男はつらいよ」の寅さんのようにした、と語っていましたが、確かにそんな感じ。
小説では名前は出ていませんが、若い頃のビートたけしが登場していて、これが映画ではどう表現するんだろうと思っていましたが、そのエピソードカットされていましたね。残念。


クライマックスの大泉さんが雷を受けるまでの手品のシーンがとても良かったです。手品自体も素晴らしいのですが、ペーパーローズを本物の薔薇に変えるマジックを成功させてから消える、というのがよかったです。


ミスチルの主題歌はもちろんいい曲でしたが、エンディングだけで流れるので、ミスチルでなくてもよかったですね。ミスチルの方が集客力あるのでいいんですが。


いい映画でした。もう早くも次回作が見たいです。待てないから「キス我慢選手権」借りてこようかな。



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